フランク・コーデル
  Frank Cordell

Date of Birth: 1918/6/1
Place of Birth: Kingston-upon-Thames, Surrey, England, UK
Date of Death: 1980/7/6
Mini Biography:
Frank Cordell (his full original name) won a Melody Maker poll at age 17 for most promising jazz pianist of 1935. He became a soundman at a London film studio but enlisted in the RAF in World War II. Trained as a radio navigation operator, he flew dangerous ops for the Bomber Command and, later, stealth De Havilland Mosquitoes -- entertaining fellow troops between missions with his piano playing. His skills at arranging and conducting were acquired while serving in the RAF (1940-1946), during which time he was appointed musical director of Forces Radio. In 1947 he married Magda Lustigova, a 26-year-old Hungarian artist who in 1952 would become a founding member of The Independent Group (IG), a British art movement best known for launching Pop Art. Also in 1947, Cordell joined the BBC as composer and arranger for radio and television, and his most notable radio score was the historical drama "The Gay Galliard"(1951) starring Valerie Hobson as Mary, Queen of Scots. His film scores date from 1952, and he composed music for many advertising commercials. Leaving the BBC in 1955, he became musical director of HMV Records (later EMI) up to 1962. Apart from his feature film scores, he scored the eight-part cliffhanger serial "Project Z"(1968) for the Children's Film Foundation, and music for several TV series. Although usually based in London, he traveled to Japan to score "Flight from Ashiya"(1964). Today, he is chiefly remembered for scoring two large-scale epics "Khartoum"(1966) and then "Cromwell"(1970) for which he received an Oscar nomination. In between film scores he wrote concert hall works including the Concerto for Cello, the Concerto for Horn and a wind quartet entitled Interplay. Before his untimely death in Hastings in 1980 at the age of 62 he scored two documentary shorts, "Tiger Tiger"(1977) and "Fathers of Pop"(1979), the latter of which charted the story of The Independent Group. According to legend, he held open house to many of the UK's leading artists, including The Beatles, and he was asked by director Stanley Kubrick to arrange some Handel works for "2001: A Space Odyssey", but those tracks were never used. Frank Cordell's original manuscripts are preserved at the Trinity College of Music in London.

 


カーツーム KHARTOUM

(未公開)かわうそ物語 RING OF BRIGHT WATER

作曲・指揮:フランク・コーデル
Composed and Conducted by FRANK CORDELL

演奏:フィルハーモニア管弦楽団(かわうそ物語)
Performed by the Philharmonia Orchestra of London (Ring of Bright Water)

(英Artemis / ART-F 003)

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イギリスの作曲家フランク・コーデルの手がけたフィルムスコア2作品を収録したアルバムで、いずれも過去にサントラLPが出ていたもののCD化である(海賊盤ではないが音質はまずまず)。

「カーツーム」は1966年製作のイギリス映画で、監督はベイジル・ディアデン、出演はチャールトン・ヘストン、ローレンス・オリヴィエ 、ラルフ・リチャードソン、リチャード・ジョンソン、マイケル・ホーダーン、ナイジェル・グリーン、アレクサンダー・ノックス、ダグラス・ウィルマー、ジョニー・セッカ、ズイア・モヘイディン、ヒュ−・ウィリアムス、ラルフ・マイケル他。脚本はロバート・アードリー、撮影はエドワード・スケイフが担当。スーダンの首都カーツーム(ハルツーム)で1885年に起こった回教徒の反乱軍とイギリス軍の戦いを、ヘストン扮するイギリスのチャールズ・ゴードン将軍とオリヴィエ扮する反乱軍リーダー、モハメッド・アーメッド・アル・マーディとの対立を軸に描いた戦争スペクタクル。オリヴィエがヘビーなメイクでアラブのリーダーを演じている。ゴードン将軍とマーディとの対面のシーンが印象的だが、史実によるとこの二人が実際に会ったことはないらしい。

フランク・コーデル作曲の音楽は、映画の舞台であるアラビックなタッチと、英国調の気品のあるタッチとの組合せによる正統派のドラマティックスコアで、手堅くまとめている。冒頭の「Overture」でのアラビア風音楽は、旋律やパーカッションの使い方がモーリス・ジャールのデザート・ミュージックのようで、中盤からの優雅なマーチはウィリアム・ウォルトン風である(つまり、この作曲家自身の個性はあまり感じられない)。アラビックなタッチは「Up the Nile」でも登場し、英国マーチは「Gordon Meets Gladstone」「Main Theme - Khartoum」でも繰り返される。「The Siege of Khartoum」「Prelude to Battle」「Death of General Gordon」は戦闘シーン等でのアクション音楽で、器用にこなしている。全体に映画の題材にふさわしいソリッドなスコアであるが、やはりもう少し特徴があった方がよいと感じる。

「(未公開)かわうそ物語」は1969年製作のアメリカ映画で、監督はジャック・コーファー、出演はビル・トラヴァース、ヴァージニア・マッケンナ、ピーター・ジェフリー、ジェームソン・クラーク、ヘレナ・グローグ、W・D・ジョス、ロディ・マクミラン、ジーン・テイラー・スミス他。ギャヴィン・マックスウェルの原作を基に、ジャック・コーファーとビル・トラヴァースが脚本を執筆。撮影はウォルフガング・サシツキーが担当。主人公の青年グラハム・メリル(トラヴァース)が、ロンドンのペットショップで見つけた一匹のかわうそ"ミジー"。スコットランドの海岸地方での彼とミジーとの奇妙な共同生活、町の女医メアリー(マッケンナ)との恋、そしてミジーとの悲劇的な別れまでを描いた感動作。主演のトラヴァースとマッケンナは同様の題材の名作「野生のエルザ」の主演コンビでもある。

ここでのコーデルのスコアは、スコットランドの美しい風景を描写した繊細でリリカルなメインテーマ「Title Theme」と、かわうそのミジーを表現した軽快でコミカルなタッチの「Miji, the Playful Otter」「Parade of the Goslings」「The Big Aquarium Show」等から成り、小粒ながら良心的な印象を残す音楽となっている。

フランク・コーデル が手がけたスコアのサントラ盤はほとんどリリースされておらず、今回CD化された2作品の他には、「クロムウェル」(米Capitol)と、「ディーモン/悪魔の受精卵」(米Phoenix /「かわうそ物語」とのカップリング)のLPが出ていたくらいである。
(2001年1月)

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あしやからの飛行 FLIGHT FROM ASHIYA

作曲・指揮:フランク・コーデル
Composed and Conducted by FRANK CORDELL

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 102)

1964年製作の日米合作映画(大映とハロルド・ヘクト・フィルムの共同製作)。監督は「暁の出撃」(1954)「80日間世界一周」(1956)「生きていた男」(1958)「クロスボー作戦」(1965)「さらばベルリンの灯」(1966)「2300年未来への旅」(1976)「オルカ」(1977)等のマイケル・アンダーソン。出演はユル・ブリンナー、リチャード・ウィドマーク、ジョージ・チャキリス、スージー・パーカー、シャーリー・ナイト、ジョー・ディ・レダ、杉山光宏、アンドリュー・ヒューズ、ダニエル・ゴーベール、E・S・インス、ウィリアム・ロス、ジューン・シェリー、滝 瑛子、中村 哲、千葉敏郎、他。エリオット・アーノルドの原作を基にウォルド・ソルトとエリオット・アーノルドが脚本を執筆。撮影はジョセフ・マクドナルドとバーネット・ガフィ。製作は永田雅一とハロルド・ヘクト。大型台風によって日本近海で転覆した輸送船の乗務員救助のために出動する、駐日米軍航空救助隊の活躍を描く人間ドラマ。VFXを黒田義之率いる大映特殊効果チームが担当。美術は下河原友雄。

音楽は「カーツーム」(1966)「クロムウェル」(1970)等のイギリスの作曲家フランク・コーデル「Main Title Theme」は、ダイナミックなイントロからヒロイックなメインの主題へ展開するメインタイトル。「Shipwreck」「Survivors」は、緊張感のあるサスペンス・アクション音楽。「Pre-Flight Check」は、メインの主題のバリエーション。「Famine and Second Meeting」は、ダークで重厚な主題から、後半はジェントルな主題に。「Caroline's Theme」「Stevenson and Caroline Marry」は、リリカルでロマンティックなキャロライン(ナイト)の主題。「Prison Camp」「Leila at the Beach」「Leila's Death」は、トラジックなタッチの曲。「No Rendezvous」「Mike Proposes Marriage」は、ドラマティックな曲。「Search and Goodbye」の後半は、ヒロイックなマーチ。「Gregg's Take-Off」は、ダイナミックなイントロからヒロイックな主題へ。「End Titles」は、アジア風のイントロからメインの主題、ヒロイックなエンディングへと展開。オーソドックスなオーケストラ音楽。フランク・コーデルはさほど多くの映画音楽を手がけておらず、サントラ・アルバムも過去に殆どリリースされていないので、このスコアの米Intradaレーベルによる初アルバム化は貴重と言える。1000枚限定プレス。

フランク・コーデルが手がけた作品には「(未公開)The Voice of Merrill」(1952)「(未公開)The Steel Key」(1953)「(未公開)Man of Action」(1955)「(未公開)Pan-tele-tron」(1957)「(未公開)First on the Road」(1959)「(未公開)The Captain's Table」(1959)「(未公開/TV)Survival」(1961)「(未公開)The Rebel」(1961)「あしやからの飛行(Flight from Ashiya)」(1964)「滑りこみアウト!(Never Put It in Writing)」(1964)「(未公開)The Bargee」(1964)「(未公開/TV)Court Martial」(1966)「カーツーム(Khartoum)」(1966)「(未公開/TV)Danger Has Two Faces」(1967)「モスキート爆撃隊(Mosquito Squadron)」(1969)「(未公開)かわうそ物語(Ring of Bright Water)」(1969)「地獄の艦隊(Hell Boats)」(1970)「クロムウェル(Cromwell)」(1970)「(未公開/TV)The World of Survival」(1971)「(未公開)The Year of the Wildebeest」(1975)「(未公開)Trial by Combat」(1976)「(未公開)ディーモン/悪魔の受精卵(God Told Me To, aka Demon)」(1976)等がある。
フランク・コーデルは1970年の「クロムウェル」でアカデミー賞の作曲賞にノミネートされており、映画音楽の他にチェロ協奏曲、ホルン協奏曲、弦楽四重奏等も作曲している。スタンリー・キューブリック監督の依頼により「2001年宇宙の旅」のためにヘンデルの音楽を編曲したことでも知られる(映画では未使用)。
(2009年8月)

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