Date of Birth: 1902/2/5
Place of Birth: Warsaw, Poland
Date of Death: 1983/4/25
Mini Biography:
Kaper displayed musical talent as early as the age of seven when his family acquired a piano. His inclination to music led him to study both piano and composition, while also taking courses in law to satisfy his father. At twenty-one he graduated from The Chopin Music School. To continue his musical education he went to Berlin. In order to support himself during this period he began writing songs for a cabaret. Later he worked as an arranger and a composer for both stage and film productions. In 1933, as the Nazis rose to power in Germany, he moved to Paris and worked in the French film industry. This phase of his career lasted only two years, for in 1935 MGM executive Louis B. Mayer was on vacation in Europe and happened to hear one of Kaper's songs. Mayer offered the composer a contract, and he soon found himself working in Hollywood. One of his first efforts for MGM was the title tune for the film "San Francisco"(1936), a song which was so appealing to the American public that it became a standard. In the forties he did provide music for dramatic films such as "Gaslight"(1944), "Green Dolphin Street"(1947) and "Act of Violence"(1949). In the fifties he was given more opportunities to show his range. He created edgy, modern scores for films like "Them!"(1954) and rich, romantic scores for films like "The Brothers Karamazov"(1958), while still turning out catchy melodies for musicals like "Lili"(1953). One of his last major film assignments was "Lord Jim"(1965), an adaptation of the Conrad novel. His last credit on a theatrical release was "A Flea in Her Ear"(1968). Though he was later hired to work on "The Salzburg Connection"(1972), his score was discarded.
戦艦バウンティ
MUTINY ON THE BOUNTY 作曲:ブロニスロー・ケイパー 指揮:ロバート・アームブラスター (独H.M.S. / 02395.61) |
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1787年に実際に起こったイギリスの戦艦バウンティ号での反乱を描いたチャールズ・B・ノードホフとジェームズ・ノーマン・ホールによる原作小説を1962年に映画化した作品。監督は「西部戦線異状なし」(1930)「廿日鼠と人間」(1939)「オーシャンと十一人の仲間」(1960)等のルイス・マイルストン。出演はマーロン・ブランド、トレヴァー・ハワード、リチャード・ハリス、ヒュー・グリフィス、リチャード・ヘイドン、ティム・シーリー、ゴードン・ジャクソン、パーシー・ハーバート、エディー・バーン、キース・マッコーネル、ノエル・パーセル、ダンカン・ラモント、チップス・ラファーティ、アシュレイ・コーワン、タリタ他。脚本はチャールズ・レダーラーがクレジットされているが、エリック・アンブラー、ウィリアム・L・ドリスコル、ボーデン・チェイス、ジョン・ゲイ、ベン・ヘクトが執筆に参加しているらしい。撮影はロバート・L・サーティース。南海への航海を続けるイギリス海軍の戦艦バウンティ号を舞台に、部下たちに苛酷な労働を強いる厳格なブライ艦長(ハワード)に反旗をひるがえした一等航海士のクリスチャン(ブランド)による叛乱を描くドラマ。この題材は、1935年にフランク・ロイド監督/チャールズ・ロートン、クラーク・ゲーブル主演で映画化されている他、1984年にもロジャー・ドナルドソン監督/メル・ギブソン、アンソニー・ホプキンス主演で「バウンティ/愛と反乱の航海」として映画化されている。
音楽を担当したのはポーランド出身の作曲家ブロニスロー・ケイパーだが、もともとソングライターとしてMGMと契約していた彼が、硬派のドラマティックアンダースコアを書いた入魂の冒険活劇音楽で、全編がパワフルかつエキサイティング。何といってもフルオーケストラによる壮大なイントロから、勇壮で力強いメインテーマへと展開する「Main Title」が素晴らしい。ここでは、メインフレーズのバックにコーラスが入るバージョンが収録されている。続く「Portsmouth Harbor」は一転して優雅で牧歌的なタッチ。「Living Harbor / The High Seas」はバウンティ号出港のシーンの栄光に満ちた音楽。「Storm at Sea / Cape of Good Hope」「Outrigger Chase」等でのオーケストラが咆えまくるダイナミックで激しいタッチは、今聴いても全く古さを感じさせない。明るく快活なタッチの「Girls and Sailors」も良い。「Festival Music」は、タヒチのネイティブミュージックを取り入れた曲だが、単調であまり特徴がない。「Love Song」は、コーラスによる幻想的なラブテーマだが、この活劇調スコア全体の中では印象が薄い。
このスコアは、1990年にイギリスのEMIレーベルからサントラLPと同内容の13曲入りCDが正規にリリースされていた。ここで紹介しているドイツのCDは、全17曲(約58分)のExpanded
Editionで、プロモーション盤と表記されているが実質的には海賊盤だと思う。パッケージデザインや音質は良好。一部セリフや効果音が入っているが、あまりありがたくない。
(2001年5月)
<2005年2月追加>
米Film Score Monthlyレーベルより「戦艦バウンティ」のCD3枚組コンプリート・スコアのサントラCDがリリースされている(米Film Score Monthly / FSM Vol.7 No.16)。
作曲:ブロニスロー・ケイパー
Composed by BRONISLAU KAPER
指揮:アンドレ・プレヴィン
Conducted by ANDRE PREVIN
(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 92)
1967年製作のアメリカ映画。監督は「マクリントック」(1963)「スタンピード」(1965)「シェナンドー河」(1965)「バンドレロ」(1968)「大いなる男たち」(1969)「チザム」(1970)「ビッグケーヒル」(1973)「大いなる決闘」(1976)等、西部劇を多数手がけているアンドリュー・V・マクラグレン。出演はカーク・ダグラス、ロバート・ミッチャム、リチャード・ウィドマーク、サリー・フィールド、ローラ・オルブライト、キャサリン・ジャスティス、ジャック・イーラム、スタッビー・ケイ、マイケル・マクグリーヴィ、ハリー・ケリー・Jr.、コニー・ソウヤー、マイケル・ホイットニー、ウィリアム・ランディガン、エリザベス・フレイザー、ジョン・ミッチャム、パトリック・ノウルズ他。実話をベースにしたA・B・ガスリー・Jr.のピュリッツァー賞受賞原作を基にベン・マッドウとミッチ・リンデマンが脚本を執筆。撮影はウィリアム・H・クローシアー。1843年のミズーリ州では、貧困に苦しむ住民たちの間で、豊かな資源に恵まれるオレゴンのクラマス・ヴァレーに安住の地を求めようとの気運が高まっていた。上院議員ウィリアム・タドロック(ダグラス)は、総勢1000人余りの移住希望者を集めてオレゴンへと1800マイルの旅に出発するが、彼の強引な指揮は仲間内の反感を買い、やがて牧場主の1人リジェ・エヴァンス(ウィドマーク)と激しく対立するようになる……。
音楽はポーランド出身で、ドイツ、フランスを経てハリウッドへ渡り「リリー」(1953)「古城の剣豪」(1955)「白鳥」(1956)「戦艦バウンティ」(1962)「ロード・ジム」(1965)等のスコアを手がけたブロニスロー・ケイパーが作曲。冒頭の「The
Way West」は、「1843年4月16日のミズーリ……」とのナレーションからザ・セレンディピティ・シンガーズによる大らかなコーラスへと展開するメインの主題。続く「Overture
(Main Title)」は、オーケストラによる牧歌的なメインタイトル(序曲)。「Lige Celebrates」は、コミカルなタッチ。「We're
Crossing First」は、ダイナミックで躍動的な曲。「Flowers for Mr. Mack」「Becky's
Theme」「Reluctant Mercy」等は、ジェントルなタッチ。「I Killed Him (Execution)」は、サスペンス調の曲。「Water
& Billy's Death」は、メインの主題のダークでストイックなアレンジメントから、後半はヒロイックな主題へ。「Mercy McBee」はザ・セレンディピティ・シンガーズによるジェントルな挿入歌。「Buffalos
and Indians」は、ダイナミックでビジーなアクション音楽。「On to Crystal City - Tadlock's End」は、明るく大らかな主題から、後半はメインの主題へ。「Finale」は、メインの主題のコーラスで締めくくるフィナーレ。オーソドックスで明快なウエスタン・スコア。
このスコアは公開当時に米United
ArtistsレーベルよりサントラLPが出ており、その後MCAレーベルより同じ内容のLPが再発されているが、これらアルバムはいずれも途中で5秒間ほど音がドロップアウトするエラーがあり、更に後にEMIレーベルよりリリースされたCDでは問題のトラックが割愛された短縮バージョンとなっていた。今回米IntradaレーベルがリリースしたCDでは、上記エラーの無いオリジナル・ステレオ・マスターが使用されている。1200枚限定プレス。
ブロニスロー・ケイパーが手がけたスコアには「(未公開)Alraune」(1930)「(未公開)Die
lustigen Musikanten」(1930)「(未公開)Seitensprunge」(1931)「(未公開)Die grose Attraktion」(1931)「(未公開)Son
altesse l'amour」(1931)「(未公開)Ehe mit beschrankter Haftung」(1931)「(未公開)L'homme qui
ne sait pas dire non」(1932)「(未公開)Es wird schon wieder besser」(1932)「(未公開)Skandal
in der Parkstrase」(1932)「(未公開)Melodie der Liebe」(1932)「(未公開)Schus im
Morgengrauen」(1932)「(未公開)Die Zwei vom Sudexpress」(1932)「(未公開)Hochzeitsreise zu
dritt」(1932)「(未公開)On a vole un homme」(1933)「(未公開)Mariage a responsabilite
limitee」(1933)「(未公開)Le chant du destin」(1933)「(未公開)Une femme au volant」(1933)「(未公開)Madame
wunscht keine Kinder」(1933)「(未公開)Voyage de noces」(1933)「(未公開)Heut' kommt's drauf
an」(1933)「(未公開)Ich will Dich Liebe lehren」(1933)「(未公開)Madame ne veut pas
d'enfants」(1933)「(未公開)Ein Lied fur dich」(1933)「(未公開)Kind, ich freu' mich auf
Dein Kommen」(1933)「(未公開)Tout pour l'amour」(1933)「(未公開)Abenteuer am
Lido」(1933)「モスコウの一夜(Les nuits moscovites)」(1934)「(未公開)Escapade」(1935)「(未公開)Moscow
Nights」(1935)「(未公開)Trouble for Two」(1936)「桑港(サンフランシスコ)(San
Francisco)」(1936)「天使の花園(Three Smart Girls)」(1936)「(未公開)A Day at the
Races」(1937)「(未公開)The Adventures of Huckleberry Finn」(1939)「(未公開)I Take This
Woman」(1940)「(未公開)Florian」(1940)「(未公開)The Mortal Storm」(1940)「(未公開)The Captain
Is a Lady」(1940)「(未公開)We Who Are Young」(1940)「(未公開)Dulcy」(1940)「(未公開)Comrade
X」(1940)「(未公開)Blonde Inspiration」(1941)「天国の怒り(Rage in
Heaven)」(1941)「(未公開)Barnacle Bill」(1941)「女の顔(A Woman's Face)」(1941)「(未公開)I'll
Wait for You」(1941)「(未公開)Whistling in the Dark」(1941)「(未公開)Dr. Kildare's Wedding
Day」(1941)「(未公開)When Ladies Meet」(1941)「奥様は顔が二つ(Two-Faced
Woman)」(1941)「(未公開)H.M. Pulham, Esq.」(1941)「(未公開)The Chocolate
Soldier」(1941)「(未公開)Johnny Eager」(1942)「(未公開)Nazi Agent」(1942)「(未公開)Fingers at
the Window」(1942)「(未公開)We Were Dancing」(1942)「(未公開)The Affairs of
Martha」(1942)「(未公開)Crossroads」(1942)「(未公開)Somewhere I'll Find You」(1942)「(未公開)A
Yank at Eton」(1942)「(未公開)White Cargo」(1942)「火の女(Keeper of the
Flame)」(1942)「(未公開)Slightly Dangerous」(1943)「(未公開)Above
Suspicion」(1943)「(未公開)Bataan」(1943)「ローレンの反撃(The Cross of
Lorraine)」(1943)「(未公開)The Heavenly
Body」(1944)「ガス燈(Gaslight)」(1944)「(未公開)Marriage Is a Private
Affair」(1944)「パーキントン夫人(Mrs. Parkington)」(1944)「(未公開)Without
Love」(1945)「(未公開)Bewitched」(1945)「緑のそよ風(Our Vines Have Tender
Grapes)」(1945)「(未公開)オーソン・ウェルズINストレンジャー(The Stranger)」(1946)「(未公開)Courage of
Lassie」(1946)「夢みる少女(Three Wise Fools)」(1946)「秘めたる心(The Secret
Heart)」(1946)「(未公開)Cynthia」(1947)「大地は怒る(Green Dolphin Street)」(1947)「(未公開)High
Wall」(1947)「愛の調べ(Song of Love)」(1947)「(未公開)B.F.'s
Daughter」(1948)「帰郷(Homecoming)」(1948)「(未公開)The Secret Land」(1948)「暴力行為(Act of
Violence)」(1948)「(未公開)The Secret Garden」(1949)「(未公開)The Great
Sinner」(1949)「フォーサイト家の女(That Forsyte Woman)」(1949)「(未公開)Malaya」(1949)「(未公開)Key
to the City」(1950)「(未公開)Please Believe Me」(1950)「(未公開)The Skipper Surprised His
Wife」(1950)「(未公開)A Life of Her Own」(1950)「スピード王(To Please a
Lady)」(1950)「(未公開)Grounds for Marriage」(1951)「(未公開)Three Guys Named
Mike」(1951)「(未公開)Mr. Imperium」(1951)「勇者の赤いバッヂ(The Red Badge of
Courage)」(1951)「(未公開)Invitation」(1952)「北の狼(The Wild North)」(1952)「(未公開)Shadow in
the Sky」(1952)「裸の拍車(The Naked Spur)」(1953)「リリー(Lili)」(1953)「荒原の疾走(Ride,
Vaquero!)」(1953)「(未公開)The
Actress」(1953)「(未公開)Saadia」(1953)「放射能X(Them!)」(1954)「(未公開)Her Twelve
Men」(1954)「(未公開)Betrayed」(1954)「ラプソディー(Rhapsody)」(1954)「ガラスの靴(The Glass
Slipper)」(1955)「プロディガル(The Prodigal)」(1955)「古城の剣豪(Quentin Durward)」(1955)「(未公開)Forever,
Darling」(1956)「白鳥(The Swan)」(1956)「傷だらけの栄光(Somebody Up There Likes
Me)」(1956)「(未公開)The Power and the Prize」(1956)「(未公開)The Barretts of Wimpole
Street」(1957)「ジェット・パイロット(Jet Pilot)」(1957)「Z旗あげて(Don't Go Near the
Water)」(1957)「カラマゾフの兄弟(The Brothers Karamazov)」(1958)「メイム叔母さん(Auntie Mame)」(1958)「緑の館(Green
Mansions)」(1959)「(未公開)The Scapegoat」(1959)「肉体の遺産(Home from the
Hill)」(1960)「夜と昼の間(The Angel Wore Red)」(1960)「バタフィールド8(BUtterfield
8)」(1960)「(未公開)Two Loves」(1961)「(未公開)Ada」(1961)「戦艦バウンティ(Mutiny on the
Bounty)」(1962)「彼氏はトップレディ(Kisses for My President)」(1964)「ロード・ジム(Lord
Jim)」(1965)「(TV)FBI アメリカ連邦警察(The F.B.I.)」(1965〜1966)「トブルク戦線(Tobruk)」(1967)「大西部への道(The
Way West)」(1967)「(未公開/TV)Cosa Nostra, Arch Enemy of the
FBI」(1967)「誇り高き戦場(Counterpoint)」(1967)「パリの秘めごと(A Flea in Her Ear)」(1968)等がある。
ブロニスロー・ケイパーは1941年の「(未公開)The Chocolate
Soldier」でアカデミー賞のミュージカル映画音楽賞に、1962年の「戦艦バウンティ」で同賞の作曲賞と歌曲賞にノミネートされ、1953年の「リリー」で同賞の劇・喜劇映画音楽賞を受賞している。
(2009年4月)
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