アラン・ジョミー
 Alain Jomy

Date of Birth:
Place of Birth: France

 


小さな泥棒   LA PETITE VOLEUSE

作曲:アラン・ジョミー
Composed by ALAIN JOMY

指揮:ベルナール・ジェラール
Conducted by BERNARD GERARD

演奏:RTL交響楽団
Performed by Orchestre Symphonique RTL

(仏Milan / CD CH 399) 1988

1988年製作のフランス映画(日本公開は1990年)。「一番うまい歩き方」(1975)「(未公開)検察官」(1981)「死への逃避行」(1983)「なまいきシャルロット」(1985)「伴奏者」(1992)「オディールの夏」(1994)「リュミエールの子供たち」(1995)「ニコラ」(1998)等の監督で、フランソワ・トリュフォーの後継者と言われるクロード・ミレールが、トリュフォーとクロード・ド・ジヴレーによる原作を映画化したドラマ。出演はシャルロット・ゲンズブール、ドミニク・ブラン、シモン・ド・ラ・ブロス、ディディエール・ブザース、クロチルド・ド・ベゼール、ラウール・ビルレー、シャンタール・バニエール、ナタリー・カルドーヌ他。脚本はクロード・ミレール、アニー・ミレールとリュック・ベローが担当。撮影はドミニク・シャピュイ。1950年のフランス中部の小さな町を舞台に、伯父夫婦と同居の退屈な家や学校から逃れて、映画館にもぐり込んだり小さな盗みを繰り返す16歳の少女ジャニーヌ(ゲンズブール)を描いた、少女版「大人は判ってくれない」的な青春ドラマ。

音楽は、「一番うまい歩き方」「なまいきシャルロット」「伴奏者」でもクロード・ミレール監督と組んでいるアラン・ジョミーが担当(フランソワ・トリュフォー監督の音楽と言えばジョルジュ・ドルリューだが、クロード・ミレールは「(未公開)検察官(Garde a vue)」でドルリューにもスコアを書いてもらっている)。「Passion eternelle」はピアノとオーケストラによるドラマティックでトラジックなタッチの主題。「Pub 1950」「Sortie de la salle de cinema」「Prete pour la vie d'adulte」「Fuite de la maison de redressement」「Dans un salon de the」等は非常にクラシカルで上質なオーケストラ音楽。「Au marche」は軽快で陽気なタッチ。「La tentation de voler」「Reception chez les longuet」「Evasion de chez les longuet - fugue」等は少しおどけたタッチの曲。「Theme de l'avenir」「Le bonheur dans les etoiles」はドルリュー的なジェントルな曲。冒頭の「Dans la troupe」「Capre diem」「Sur les monts」「La petite hirondelle」は童謡風のコーラス曲(既製曲)。全体にあまり強いドラマ性はないが上質なクラシック音楽風のスコアで、トリュフォー映画にドルリューが作曲したスコアの雰囲気に近いものがある。演奏はルクセンブルグにあるヨーロッパ最大の放送局の1つ、RTL(Radio-Tele Luxembourg)所属のオーケストラ。

アラン・ジョミーが手がけたその他の作品には、「(未公開)Le beau samedi」(1974)「一番うまい歩き方(La meilleure facon de marcher)」(1976)「(未公開)Dites-lui que je l'aime」(1977)「(未公開)Haine」(1979)「(未公開)Anthracite」(1980)「(未公開/TV)L'embrume」(1980)「(未公開)O Lugar do Morto」(1984)「なまいきシャルロット(L'effrontee)」(1985)「(未公開)Une image de trop」(1991)「(未公開)Les eaux dormantes」(1991)「(未公開)Lieutenant Lorena」(1991)「伴奏者(L'accompagnatrice)」(1992)「(未公開)Arance amare」(1997)「(未公開/TV)Le garcon d'orage」(1997)「(未公開)Jaime」(1999)等がある。

サントラCDは殆どリリースされていないが、「Lieutenant Lorena」(仏LDM / LDM 0392)はドラマティックでエモーショナルなオーケストラル・スコア、「伴奏者」(仏Auvidis valois / V 4682)は全16曲中4曲のみがジョミーのオリジナルで、残りはリヒャルト・シュトラウス、モーツァルト、ベルリオーズ、シューベルト、シューマン等のクラシック音楽(演奏はアンドラス・デリ指揮のブダペスト交響楽団・合唱団)。

また、アラン・ジョミーとクロード・ミレール監督とのコラボレーション作品を集めた以下のコンピレーションCDが1993年にフランスのLDMレーベルからリリースされている(サントラではなく、マリオ・クレマン指揮のオーケストラによる再録音盤)。

「LES FILMS DE CLAUDE MILLER: LES MUSIQUES D'ALAIN JOMY」
  Composed by ALAIN JOMY
  Conducted by MARIO CLEMENS
  (仏LDM / LDM 11.94) 1993
   La meilleure facon de marcher (10)  一番うまい歩き方
   Dites-lui que je l'aime (7)
   L'effrontee (5)  なまいきシャルロット
   La petite voleuse (8)  小さな泥棒
   L'accompagnatrice (1)  伴奏者

(2001年11月)

Top


Film Music Composersへ戻る


Copyright (C) 2001  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.