Date of Birth: 1905/11/7
Place of Birth: Northampton, Northamptonshire, England, UK
Date of Death: 1985/9/12
Mini Biography:
Alwyn entered the Royal Academy of Music (RAM) as a flautist at the age of 15. He was later appointed a professor of composition at the RAM and became a flautist in the London Symphony Orchestra. His first orchestral work, Five Preludes for Orchestra, was first performed at the Promenade concerts in 1927. His first acknowledged works were written in 1939: the Rhapsody for Piano Quartet and the Divertimento for Solo Flute, and he launched out on his First Symphony in 1949. In 1936, he started composing music for films, mainly for documentaries and worked particularly with Paul Rotha and Humphrey Jennings, for whom he scored "Fires Were Started"(1943). After the war, he composed scores for around 80 feature films, ranging from comedies to dramas and including three Disney films, forming particular associations with Carol Reed, and with Frank Launder and Sidney Gilliat. In 1980, he was awarded the CBE in recognition of his long years of service to music and the arts.
ウィリアム・オルウィン映画音楽集 Volume 2 THE FILM MUSIC OF WILLIAM ALWYN Volume 2
作曲:ウィリアム・オルウィン Composed by WILLIAM ALWYN 指揮:ラモン・ガンバ 演奏:BBCフィルハーモニー管弦楽団 (英Chandos / CHAN 9959) |
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<収録曲>
1. 真紅の盗賊 The
Crimson Priate
2. (未公開)Green Girdle
3. (未公開)Take My Life
4. SOSタイタニック/忘れえぬ夜 A Night to Remember
5. (未公開)The Card
6. (未公開)Desert Victory
7. 魔人スヴェンガリ Svengali
8. (未公開)ウィンスロー少年 The Winslow Boy
9. 難破船 In Search of the Castaways
10. 絶壁の彼方に State Secret
イギリスのクラシック音楽作曲家として知られるウィリアム・オルウィンの映画音楽を集めた新録音によるコンピレーションの第二集(第一集は後述の通り1993年に同じChandosレーベルからリリースされている)。オルウィンは1936年にアレクサンダー・ショウ監督の「The Future's in the Air」というドキュメンタリー映画のスコアを作曲して以来、何と121本のドキュメンタリーと69本の長編映画の音楽を担当しており、そのそれぞれにクラシック音楽を作曲するのと同様の熱意をもって取り組んでいる。彼にとって映画音楽の仕事は、交響曲の作曲と同じ芸術的重要性をもったタスクであり、その自伝の中でも、「私が手がけた映画音楽は、そのどれをとっても実験の機会であり、素晴らしいオーケストラによる演奏を得て、自分のテクニックに磨きをかけドラマティックなスコープを広げるためのまたとないチャンスだった」と語っている。彼はスコアのオーケストレーションを全て自ら行っているが、例外的に3本のディズニー映画のみは、彼のスコアの大半を指揮したミュア・マシイスンがオーケストレーションを担当している。オルウィンのスコアの殆どは映画スタジオが無思慮にも廃棄してしまっており、このコンピレーションCDで演奏されているスコアはフィリップ・レインが映画のサウンドトラックよりリコンストラクトしたものである。
1. 真紅の盗賊 The Crimson Priate
18世紀のカリブ海を舞台にした海洋冒険活劇(1952年製作のアメリカ映画)。監督はロバート・シオドマク。出演はバート・ランカスター、ニック・クラヴァット、エヴァ・バルトーク、トリン・サッチャー、ジェームズ・ヘイター、マーゴット・グレアム、ダナ・ウィンター他。脚本はローランド・キビー、撮影はオットー・ヘラーが担当。オルウィンのスコアは映画の題材にふさわしく豪快かつパワフルでロマンティック。ここで演奏される序曲(Overture)では劇中の主要な主題が登場するが、特に冒頭の勇壮なホルンによる主題は彼の交響曲第一番に通ずるものがある。
2. (未公開)Green Girdle
ウインブルドンやハムステッドといったイギリスの田園地方を描写した1941年製作のレイフ・キーン監督による11分の短編ドキュメンタリー。オルウィンはこの短編のために一楽章から成る交響詩を作曲した。非常に牧歌的で美しい音楽。これは珍しくオルウィンによる完全なフル・スコアが残っていた作品。
3. (未公開)Take My Life
1947年製作のイギリス映画。監督はオルウィンと4作品で組んでいるロナルド・ニーム(「ポセイドン・アドベンチャー」の監督としても知られる)。出演はヒュー・ウィリアムス、ロザリー・クラッチリー、グレタ・ギント他。ウィンストン・グレアムとヴァレリー・テイラーによる原作を基にしたミステリ映画。ここでは、殺人の濡れ衣をきせられた主人公の妻であるオペラ歌手が映画の冒頭で歌う、華麗でドラマティックなアリアが収録されている(ソプラノはスーザン・ブロック)。
4. SOSタイタニック/忘れえぬ夜 A Night to Remember
1912年に起きた豪華客船タイタニック号の悲劇を、ドキュメンタリー・タッチでリアリスティックに描いた1958年製作の傑作イギリス映画。監督はハマー映画等のベテラン、ロイ・ワード・ベイカー。出演はケネス・モア、デヴィッド・マッカラム、ジル・ディクソン、ローレンス・ネスミス、フランク・ロートン、オナー・ブラックマン、アレック・マッコーウェン、ジョージ・ローズ、マイケル・グッドリーフ、ラルフ・マイケル他。ウォルター・ロードの原作を基にエリック・アンブラーが脚本を執筆。撮影は名手ジェフリー・アンスワース。ここに収録されたオルウィンによるメインタイトル(Main Title)は、栄光に満ちたファンファーレからトラジックな主題へと展開していく。
5. (未公開)The Card
1952年製作のイギリス映画(アメリカでの公開題名は「The Promoter」)。監督はロナルド・ニーム。出演はアレック・ギネス、グリニス・ジョンズ、ヴァレリー・ホブソン、ペテュラ・クラーク、エドワード・チャップマン他。アーノルド・ベネットの原作を基にエリック・アンブラーが脚本を執筆。ギネス扮する若い銀行員が3人の女性(ジョンズ、ホブソン、クラーク)との関係を通じて出世していく過程を描いたコメディ。6曲から成る組曲が収録されているが、全体に軽快で陽気なタッチで、ロバート・ホリデイの口笛によるコミカルなメインテーマや、ヴァイオリン・ソロによる美しいラブテーマが印象的。
6. (未公開)Desert Victory
英国陸軍映画班が1943年に製作したドキュメンタリー。監督はデヴィッド・マクドナルド。第二次大戦中のアフリカ戦線でのイギリスのモントゴメリー将軍とドイツのロンメル元帥との戦いを描いた作品で、アカデミー賞の最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞した。非常にダイナミックでパワフルなオーケストラルスコアで、特に冒頭と最後に登場する荘厳で勇壮なマーチは、エルガーやウォルトンの行進曲にも通ずる名曲。このアルバム全体の白眉だろう。このマーチは1946年のイギリス映画祭でも演奏され、コロンビアからレコードが出ていたらしい。
7. 魔人スヴェンガリ Svengali
1954年製作のイギリス映画。監督・脚本はノエル・ラングレー。出演はドナルド・ウォルフィット、ヒルデガルド・ネフ、テレンス・モーガン、ノエル・パーセル、アルフィー・バス、マイケル・クレイグ他。撮影はウィルキー・クーパー。1890年のパリを舞台に、若きオペラ歌手トリルビーを操る魔術師スヴェンガリを描くジョルジュ・デュ・モーリエ原作の「Trilby」の映画化。この原作は1931年にジョン・バリモア主演、1983年にピーター・オトゥール、ジョディ・フォスター主演(ただしロック歌手との設定)でも映画化されている。ここに収録された「リベラ・メ(Libera Me)」という曲は映画の後半で主人公のオペラ歌手が歌うアリアで、ソプラノとコーラス、オーケストラによる格調高く感動的な曲。このアルバムではイギリスの室内合唱団カンツォネッタ(Canzonetta)が演奏しているが、映画のサウンドトラックではエリザベス・シュワルツコップがアリアを歌ったという。
8. (未公開)ウィンスロー少年 The Winslow Boy
1948年のイギリス映画。監督はアンソニー・アスキス。出演はロバート・ドーナット、マーガレット・レイトン、セドリック・ハードウィック、フランシス・L・サリヴァン、フランク・ロートン、ベイジル・ラドフォード、ウィルフリッド・ハイド=ホワイト、モナ・ウォッシュボーン、ニール・ノース他。テレンス・ラティガンの戯曲を基にアナトール・デ・グランワルドとラティガンが脚本を執筆。撮影はフレディ・ヤング。盗みの疑いをかけられ学校から追放された少年の父親が、息子の無実を信じ全財産をかけて裁判に挑むという、実話に基づく法廷ドラマ。1999年にデヴィッド・マメット監督・脚本によりリメイクされている。オルウィンのスコアは、高らかなファンファーレからいかにも英国調の優雅な主題へと展開していく。
9. 難破船 In Search of the Castaways
ジュール・ヴェルヌの小説「Captain Grant's Children」を基にした1963年製作のディズニー映画。監督はロバート・スティーヴンソン。出演はヘイリー・ミルズ、モーリス・シュヴァリエ、ジョージ・サンダース、ウィルフリッド・ハイド=ホワイト、マイケル・アンダーソン・Jr他。脚本はローウェル・S・ハウリー、撮影はポール・ビーソン。行方不明の船長を探す旅に出た彼の3人の息子たちと科学者を描く冒険活劇。ここでは船上のパーティでの優雅なワルツと陽気なルンバが収録されている。
10. 絶壁の彼方に State Secret
1950年製作のイギリス映画(アメリカでの公開題名は「The Great Manhunt」。ロイ・ハギンズの原作「Appointment with Fear」を基に、ヒッチコックの「バルカン超特急」等で知られるシドニー・ギリアットとフランク・ローンダーが製作と脚本を担当したサスペンス映画の傑作。監督はギリアット。出演はダグラス・フェアバンクス・Jr、ジャック・ホーキンス、グリニス・ジョンズ、ハーバート・ロム、ウォルター・リラ他。撮影はロバート・クラスカー。独裁者ニヴァ将軍が統治する東欧の小国ヴォスニアに、学術公開手術と叙勲のため招聘されたアメリカ人の医師(フェアバンクス・Jr)は、手術の対象がニヴァ将軍自身であることを知って驚く。手術は成功するが別の原因で将軍は急死し、独裁者の死を知る医師は口封じのために抹殺されそうになり、市中を逃げ回る・・。架空の国を舞台に、ヴォスニア語という架空の言葉まで創作し、言葉の通じない環境で逃げまどう主人公の不安感とサスペンスを見事に表現している。結末も実にインテリジェントで素晴らしい。オルウィンのスコアは雄大なマーチによるオープニングから逃亡シーンのサスペンス音楽へと展開。途中、主人公が逃げ込んだ劇場での音楽等をはさんで、ラストは冒頭と同じマーチの主題で締めくくる。
ウィリアム・オルウィンは、この他にもキャロル・リード監督の「最後の突撃(The Way Ahead)」(1944)「邪魔者は殺せ(Odd Man Out)」(1947) 「落ちた偶像(The Fallen Idol)」(1948)「逃げる男(The Running Man)」(1963)、シドニー・ギリアット監督の「艶(いろ)ごと師(The Rake's Progress)」(1944)「青の恐怖(Green for Danger)」(1946)、フランク・ローンダー監督の「若い河(Geordie)」(1955)、デヴィッド・リーン監督の「マデリーン 愛の旅路(Madeleine)」(1950)、ロナルド・ニーム監督の「黄金の竜(Golden Salamander)」(1949)「春風と百万紙幣(The Million Pound Note)」(1954)、ケン・アナキン監督の「マオリ族の怒り(The Seekers)」(1954)「山の上の第三の男(Third Man on the Mountain)」(1959)「南海漂流(Swiss Family Robinson)」(1960)、テレンス・ヤング監督の「熱砂の舞(Zarak)」(1956)「死の猛獣狩(Safari)」(1956)、マイケル・アンダーソン監督の「地獄で握手しろ(Shake Hands with the Devil)」(1959)「六年目の疑惑(The Naked Edge)」(1961)や、「マルタ島攻防戦(Malta Story)」(1953)「バラントレイ卿(The Master of Ballantrae)」(1953)「憧れの小径(Personal Affair)」(1953)「黒い天幕(The Black Tent)」(1956)「船の女(Manuela)」(1957)「潜航雷撃隊(The Silent Enemy)」(1958)「スパイ戦線(Carve Her Name with Pride)」(1958)「キリマンジャロの決斗(Killers of Kilimmanjaro)」(1959)といった作品を手がけている。
また、Chandosレーベルからリリースされているオルウィンの映画音楽集の第一集には、以下の作品が収録されている。
尚、ウィリアム・オルウィンが作曲した交響曲、協奏曲、オペラといったクラシック音楽についても、同じイギリスのChandosレーベルから多数のアルバムがリリースされている。
(2002年2月)
= 以下、2006年7月追加 =
2006年にオルウィン映画音楽集の第3集がリリースされている。収録作品は以下の通り。
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