ピエール・ジャンセン
  Pierre Jansen

Date of Birth: 1930/2/28
Place of Birth: Roubaix, France
Mini Biography:
Jansen entered the Conservatoire de Saville Natale, and studied harmony and counterpoint under Alfred Desenclos, the director of the school. He continued his study of piano at the Conservatoire Royal de Musique de Bruxelles, and worked with a composer/conductor Andre Souris, who taught him about film music composition. He met film director Claude Chabrol in 1960 and they started their long-time collaboration. He also composed scores for the films of Claude Goretta, Francis Girod, Serge Moati, Michel Mitrani etc.


ピエール・ジャンセン=クロード・シャブロル監督作品集 MUSIQUE DE PIERRE JANSEN / BANDES ORIGINALES DES FILMS DE CLAUDE CHABROL

作曲:ピエール・ジャンセン
Composed by PIERRE JANSEN

指揮:アンドレ・ジラール、アントワーヌ・デュアメル
Conducted by ANDRE GIRARD, ANTOINE DUHAMEL

(仏Universal / 017 176-2)

cover
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<収録曲>

1. (未公開)LA DECADE PRODIGIEUSE
 ・Symphonie concertante pour orgue, piano et orchestre
2. (未公開)青髭 LANDRU
 ・Generique
 ・La drague 1900
 ・Au Luxembourg, sous le kiosque
 ・Valse pour harmonie
 ・Rencontres galantes
 ・Idylle a Gambais
 ・L'execution
3. (未公開)L'OEIL DU MALIN
 ・L'oeil du malin
 ・Les amants de Munich
4. (未公開)QUE LA BETE MEURE
 ・Que la bete meure
5. (未公開)LE BOUCHER
 ・Le boucher
6. (未公開)ジャン=ポール・ベルモンドの交換結婚 DOCTEUR POPAUL
 ・Docteur Popaul (theme)
 ・Popaul melomane
7. (未公開)JUSTE AVANT LA NUIT
 ・Juste avant la nuit

「いとこ同志」(1959)「ジャガーの眼」(1965)「殺意」(1966)等で知られる映画監督のクロード・シャブロルと、フランスの作曲家ピエール・ジャンセンとのコラボレーション作品を集めたコンピレーション。ピエール・ジャンセンはフランスの映画音楽作曲家中でも最も難解で抽象的なスコアを書く人のひとりだと思うが、「映画における音楽の使命はエモーションを創造することではなく、もっと別の新たな次元を創造することだ」というシャブロルの考えにジャンセンの才能はうまくマッチしていたようで、彼らは多数の作品で組んでいる。シャブロルに言わせるとジャンセンは“反ハリウッド的”な作曲家であり、ハリウッド的な手法を敢えて避け、スタジオ録音の際にも映像をスクリーンに映写せずにスコアを演奏したという。

1. (未公開)LA DECADE PRODIGIEUSE

エラリー・クイーンのミステリ小説をベースにした1972年製作のフランス映画(英語題名は「Ten Days Wonder」)。出演はオーソン・ウェルズ、マルレーヌ・ジョベール、ミシェル・ピッコリ、アンソニー・パーキンス、グゥイド・アルベルティ、エルマンノ・カサノヴァ他。クイーンの原作を基にユージン・アーチャー、ポール・ガードナー、ポール・ジェゴーフが脚本を執筆。撮影はジャン・ラビエ。ジャンセンのスコアは18分20秒に及ぶ「オルガン、ピアノとオーケストラのための協奏曲(Symphonie concertante pour orgue, piano et orchestre)」が収録されているが、非常にアブストラクトでサスペンスフルな内容で、ジェリー・フィールディングが犯罪映画に作曲したスコア(「メカニック」等)のタッチに少し似ている。中盤のピアノ・コンチェルトの部分はジェントルなタッチ。

2. (未公開)青髭 LANDRU

1962年製作のフランス映画(英語題名は「Bluebeard」)。出演はシャルル・デネ、ミシェル・モルガン、ステファーヌ・オードラン、ダニエル・ダリュー、ヒルデガルド・ネフ、ジュリエット・メニエル、カトリーヌ・ルヴェル、ジャン=ピエール・メルヴィル他。脚本はフランソワーズ・サガン、撮影はジャン・ラビエ。“青ひげ伝説”を第一次大戦中のフランスを舞台に描いたドラマ。貧しい家庭を持つランドルー(デネ)は、新聞で結婚相手の募集広告を見つけ、莫大な遺産を目当てに未亡人と会い見事に彼女の心をつかむことに成功する。これに味をしめた彼は次々と裕福な女性を探しては口説き落とし、手に入れた金を家族に与えるという毎日を送るようになる・・。ジャンセンのスコアは全体にオーソドックスでロマンティックなタッチだが、最後の「L'execution」のみ不吉な曲。

3. (未公開)L'OEIL DU MALIN

1962年製作のドラマ(英語題名は「The Third Lover」)。出演はステファーヌ・オードラン、バドリ、ダニエル・ブーランジェ、ジャック・シャリエ、マイケル・マンザー、ウォルター・ライヤー、エリカ・トゥイアー他。脚本はポール・ジェゴーフ、マーティアル・マッソーとシャブロル。撮影はジャン・ラビエ。ジャンセンの音楽はハイテンションでサスペンスフルなタッチ。

4. (未公開)QUE LA BETE MEURE

1969年製作の犯罪ドラマ(英語題名は「The Beast Must Die」)。出演はミシェル・デュショーソワ、カロリーヌ・セリエ、ジャン・ヤンヌ、アヌーク・フェルジャック、マルク・ディ・ナポリ、ルイーズ・シュヴァリエ、ドミニク・ザルディ他。ニコラス・ブレイクの原作を基にポール・ジェゴーフとシャブロルが脚本を執筆。撮影はジャン・ラビエ。一人息子を轢き逃げされた男が復讐の鬼と化して犯人を追う、というストーリー。ジャンセンのスコアは犯罪映画にふさわしくハードボイルドなタッチ。

5. (未公開)LE BOUCHER

1969年製作のスリラー(英語題名は「The Butcher」)。出演はステファーヌ・オードラン、ジャン・ヤンヌ、アンソニー・パス、パスカル・フェローヌ、マリオ・ベッカラ、ウィリアム・ゲロー、ロジャー・ルデル他。脚本はクロード・シャブロル、撮影はジャン・ラビエ。フランスの田舎町で肉屋のポポールと結婚した教師エレーヌは、その町で起きた少女の連続殺人事件の現場に彼女がポポールにプレゼントしたライターが落ちていたことを知るが・・。ジャンセンのスコアはアブストラクトで難解。

6. (未公開)ジャン=ポール・ベルモンドの交換結婚 DOCTEUR POPAUL

1972年製作のコメディ(英語題名は「High Heels」)。出演はジャン=ポール・ベルモンド、ミア・ファロー、ラウラ・アントネッリ、ダニエル・イヴェルネル、ダニエル・ルクールトワ他。ユベール・モンテイエの原作「Meutre A Loisir」を基にポール・ジェゴーフが脚本を執筆。撮影はジャン・ラビエ。ハンサムな医師のシメイ(ベルモンド)は、友人たちと始めた不美人を口説き落とすゲームに熱中するあまり、本当に不美人にしか目が行かなくなってしまう。やがて彼は、病院長の不美人の娘クリスティーン(ファロー)と出会い、結婚する。彼女は自分の幸運を喜ぶが、彼女の美人の妹(アントネッリ)がシメイと浮気していることに気づく・・。ジャンセンによるメインテーマ「Docteur Popaul (theme)」はストイックな主題が良い。「Popaul melomane」は牧歌的な雰囲気の曲。

7. (未公開)JUSTE AVANT LA NUIT

1971年製作のドラマ(英語題名は「Just Before Nightfal」)。出演はステファーヌ・オードラン、ミシェル・ブーケ、フランソワ・ペリエ、アンリ・アッタル、ジャン・カルメ、セリア、アンナ・ドゥーキング他。エドウアルド・アティヤの原作を基にクロード・シャブロルが脚本を執筆。撮影はジャン・ラビエ。親友の建築家フランソワ(ペリエ)の妻ラウラ(ドゥーキング)と不倫の関係にある広告代理店の役員シャルル(ブーケ)は、ある日ラウラとの密会中、衝動的に彼女を殺してしまうが・・。ジャンセンはここではドラマティックでリッチなオーケストラ音楽を提供している。

(2002年12月)

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