ジャン=ルイ・ローク
 Jean-Louis Roques

Date of Birth:
Place of Birth: Cahors, Lot, France

 


ジェルミナル  GERMINAL

作曲:ジャン=ルイ・ローク
Composed by JEAN-LOUIS ROQUES

指揮:ジャン=クロード・カサドゥシュ
Conducted by JEAN-CLAUDE CASADESUS

演奏:リール国立管弦楽団
Performed by Orchestre National de Lille Region Nord/Pas de Calais

(仏Virgin / 72438 391932 1)  1993

1993年製作のフランス映画(日本公開は1994年)。監督は「接吻・接吻・接吻」(1963)「老人と子供」(1967)「チャオ・パンタン」(1983)「愛と宿命の泉」(1986)等のクロード・ベリ。出演はルノー、ミュウ=ミュウ、ジェラール・ドパルデュー、ジュディット・アンリ、ジャン・カルメ、ジャン=ロジェ・ミロ、ローラン・テルズィエフ、ベルナール・フレッソン、ジャン=ピエール・ビッソン、ジャック・ダクミーヌ、アニー・デュプレー、ジェラール・クロース、フレデリック・ヴァン・ダン・ドリーシュ、アニック・アラーヌ、ピエール・ラフォン、ティエリー・ルヴァレ、フレッド・ペルソンヌ、セシール・ボワ、イオラン・モロー、マクリシミリアン・レジアニ、ブリューノ・テュシュツァー、アン=マリー・ピザーニ他。エミール・ゾラの原作を基にクロード・ベリとアルレット・ラングマンが脚本を執筆。撮影はイヴ・アンジェロ。19世紀後半のフランス北部を舞台に、厳しい貧困の中で苦しみ、経営者との闘争を続ける炭鉱労働者たちを描いたシリアス・ドラマ。

音楽はフランスのアコーディオン奏者として知られるジャン=ルイ・ロークが作曲しており、これはおそらく彼にとって唯一の映画音楽だが、極めてドラマティックなシンフォニック・スコアを展開しており、なかなか聴き応えがある。ジャン=クロード・カサドゥシュ指揮のリール国立管弦楽団による重厚な演奏も見事。冒頭の「Germinal(generique debut)」は、悲壮感を帯びたドラマティックでパワフルなメイン・テーマで、作品のトーンを明確に打ち出している。ローク自身の演奏するアコーディオンもアクセントになっている。この主題は「Montsou l'ete」「Le voreux occupe」等でも登場する。「Les machines」「Saccage a Jean Bart」は躍動的でダイナミックなタッチ。「Catherine et Etienne」「La remonte」「Catherine et Chaval」「Le viol」等はジェントルな主題。「Bal du bon joyeux」は一転して陽気なダンス音楽のメドレー。「La greve」はパワフルなマーチ風の印象的な曲で、同じ主題がドパルデューが死ぬ場面の「Mort de Maheu」ではコーラスを加えてドラマティックに展開する。「La revolte」は暴動のシーンのマーチ。「Apres l'ecroulement du voreux」は沈鬱なトーン。ラストの「Germinal(generique fin)」は、静かにトラジックな主題で締めくくる(少し日本的な印象があるのは芥川也寸志の作風に似ているせいかもしれない)。
(2003年10月)

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