ジョージ・デューニング
 George Duning

Date of Birth: 1908/2/25
Place of Birth: Richmond, Indiana, USA
Date of Death: 2000/2/27
Mini Biography:
Duning majored in music theory at the Cincinnati Conservatory of Music and later played trumpet and made arrangements for dance bands. He was appointed music director of the NBC radio program "Kay Kyser's Kollege of Musical Knowledge", and parlayed that job into work in Hollywood. He served for three years in the naval unit of the Armed Forces Radio Service during World War II, and after he left the military Clumbia Pictures contracted him as an arranger. His first original film score was for Columbia's "Johnny O'Clock" in 1947; over the next 20 years he wrote dozens of scores and became closely associated with the studio's musical style. After leaving Columbia in the early 1960s, he worked more and more in television, providing memorable themes and underscoring to programs like "The Big Valley", "Then Came Bronson" and "Star Trek". He remained active in Hollywood until early 1980s, and continued to support and comment on the film music business after his retirement.

 


(未公開)欲望の家  TOYS IN THE ATTIC

作曲・指揮:ジョージ・デューニング
Composed and Conducted by GEORGE DUNING

(米Film Score Monthly / Vol.6 No.12) 2003

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1963年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開で、TVでのみ放映済)。監督は「ハワイ」(1965)「モダン・ミリー」(1966)「明日に向って撃て!」(1969)「スティング」(1973)「華麗なるヒコーキ野郎」(1975)「リトル・ロマンス」(1979)「ガープの世界」(1982)等のジョージ・ロイ・ヒルで、これは彼の長編第2作目。出演はディーン・マーティン、ジェラルディン・ペイジ、イヴェット・ミミュー、ウェンディ・ヒラー、ジーン・ティアニー、ラリー・ゲイツ、ナン・マーティン、フランク・シルヴェラ他。リリアン・ヘルマンのブロードウェイ戯曲を基にジェームズ・ポーが脚本を執筆。撮影はジョセフ・F・バイロック。ビジネスがうまくいかずに何度も実家に戻ってきてしまうダメ男ジュリアン(マーティン)と、彼の美しい若妻リリー(ミミュー)、そして彼のエキセントリックで支配的な2人の姉(ペイジ、ヒラー)の関係を描いたドラマ。1963年度アカデミー賞の衣装デザイン賞にノミネートされている。

音楽は、コロンビアの専属作曲家として「地上より永遠に」「ピクニック」「愛情物語」「決断の3時10分」等、多数の映画音楽作品を手がけたジョージ・デューニングが作曲している(ラストネームをダニングと表記されることが多いが、発音はデューニングかデュニングが正しいと思う)。地味な存在ではあるが、ハリウッド映画音楽界では非常に尊敬されていた人物である。この「(未公開)欲望の家」は非常にオーソドックスな劇伴スコアだが、劇中の登場人物の微妙な心理を的確に描写しており、この手の人間ドラマのアンダースコアのお手本のような作品。「Main Title」はセンシュアルでロマンティックなメインの主題で、基本的にはスコア全編がこの主題の様々なバリエーションにより展開していく(「Lily Phones」「Carrie Remembers」「Lily and Julian」等)。物語の舞台となるニューオリンズのジャズも上手く取り入れている。「The Presents / The Tickets / More Presents / The New Ring」等でのジェントルなアメリカーナも良い。ストーリーが進むにつれ、スコアもよりドラマティックに激しいタッチに変化していき(「Carrie Listens / Anna's Accusations」「Do It!」等)、終盤の「Evil Carrie / Miss Anna / Dock Rumble / Who Told Him? / Get Out / I Heard Her」では、徐々にサスペンスを盛り上げ、暴力的なクライマックスへと発展する。「End Title」はメインの主題のリプライズによりドラマを締めくくる。

ジョージ・デューニングが手がけた主な作品には「コロラド」(1948)「秘境」(1949)「ジョルスン再び歌う」(1949)「オクラホマ無宿」(1949)「拳銃無情」(1950)「激情の断崖」(1951)「廃墟の守備隊」(1952)「醜聞殺人事件」(1952)「海賊船長」(1952)「情炎の女サロメ」(1953)「地上より永遠に」(1953)「長い灰色の線」(1954)「消された証人」(1955)「ララミーから来た男」(1955)「やさしい狼犬部隊」(1955)「ピクニック」(1955)「(未公開)教会に鐘は鳴る」(1955)「愛情物語」(1956)「決断の3時10分」(1957)「女ひとり」(1957)「媚薬」(1958)「月夜の出来事」(1958)「ダニー・ケイの戦場のドン・キホーテ」(1958)「草原の野獣」(1958)「カウボーイ」(1958)「メリー・ディア号の難破」(1959)「近眼のマグー千一夜物語」(1959)「南太平洋ボロ船作戦」(1960)「戦う若者たち」(1960)「スージー・ウォンの世界」(1960)「俺の墓標は立てるな」(1960)「FBIモスクワに潜入せよ」(1960)「逢う時はいつも他人」(1960)「四時の悪魔」(1961)「ヤング・ハワイ」(1961)「馬上の二人」(1961)「西十三番街」(1961)「嬉し泣き」(1961)「ミンクの手ざわり」(1962)「浮気の計算書」(1962)「悪名高き女」(1962)「僕のベッドは花ざかり」(1963)「ミスタア・パルバー」(1964)「シーサイドの男」(1964)「ボクいかれたヨ!」(1965)「(TV)バークレー牧場」(1965〜1969)「(TV)宇宙大作戦」(1966)「水曜ならいいわ」(1966)「(TV)荒野のガンマン・シェリフ」(1970)「(未公開)蝋人形館の恐怖」(1973)「暗黒街抗争実録・マフィア」(1973)「(TV)ゴライアス号の奇跡」(1981)等がある。デューニングは、1949年の「ジョルスン再び歌う」でアカデミー賞のミュージカル映画音楽賞、1950年の「(未公開)No Sad Songs for Me」、1953年の「地上より永遠に」、1955年の「ピクニック」で同賞の劇・喜劇映画音楽賞、1956年の「愛情物語」でミュージカル映画音楽賞にノミネートされている。
(2004年4月)

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