Date of Birth: 1941/4/18
Place of Birth: Southhampton, England, UK
Mini Biography:
Mike Vickers had a strong background as an arranger and composer in the early 1960s, and played guitar and saxophone with the Manfred Mann ("Do Wah Diddy Diddy") group during its early period. He was brought in by Hammer Film to score "Dracula A.D. 1972"(1972) to give the movie its modern vibe, because, he supposed, he was known for the ability to write dramatic orchestral music with a rock feel. He went on to score two more fantasy scores, "At the Earth's Core"(1976) and "Warlords of Atlantis"(1978), and a handful of dramas before leaving the world of film music behind to pursue his own musical directions as well as taking up the writing of fiction.
作曲:マイク・ヴィッカーズ
Composed by MIKE VICKERS
音楽監督:フィリップ・マーテル
Music Supervision by PHILIP MARTEL
演奏:ハマー・スタジオ管弦楽団
Performed by the Hammer Studio Orchestra
(米Buysoundtrax / BSXCD 8855)
1972年製作のイギリス映画。監督は「さよならジェミニ」(1970)「新ドラキュラ/悪魔の儀式」(1972)「アドベンチャー・ラリー」(1976)「(TV)検察側の証人」(1982)「(TV)ヘレン・ケラー」(1984)等のアラン・ギブソン。出演はクリストファー・リー、ピーター・クッシング、ステファニー・ビーチャム、クリストファー・ニーム、マイケル・コールズ、マーシャ・A・ハント、キャロライン・マンロー、ジャネット・ケイ、ウィリアム・エリス、フィリップ・ミラー、マイケル・キッチェン、デヴィッド・アンドリュース、ラリー・ボウワーズ、コンスタンス・ルットレル他。脚本はドン・ホートン、撮影はディック・ブッシュ。1872年のロンドン。暴走する馬車の上で吸血鬼ドラキュラ伯爵(リー)とヴァン・ヘルシング教授(クッシング)の最後の闘いが繰り広げられ、2人は相討ちとなって死ぬ。しかしドラキュラの従者(ニーム)が、吸血鬼の灰と指輪を持ち去っていた。100年後の1972年、従者の子孫ジョニー・アルカード(ニーム、2役)が、血の儀式によってドラキュラを現代に蘇らせる。そして、100年前に死んだヴァン・ヘルシング教授の子孫(クッシング、2役)の孫娘ジェシカ(ビーチャム)にもドラキュラの魔の手が迫る……。英ハマー・フィルムによる“ドラキュラ”シリーズの第7作で、第1作の「吸血鬼ドラキュラ」(1958)以来始めてリーとクッシングが(このシリーズで)共演した作品(同じく現代を舞台にした第8作「新ドラキュラ/悪魔の儀式」(1972)でも再度彼らは共演している)。アルカードにそそのかされてドラキュラ復活の儀式に手を貸すヒッピー・グループのメンバー役で、SF/ホラー系女優キャロライン・マンローが出演している。日本でTV放映された時の日本語吹替キャストは、リー(北村弘一)、クッシング(千葉耕市)、 ビーチャム(鈴木弘子)、ニーム(堀 勝之祐)、コールズ(石田太郎)、ミラー(安原義人)他だった。
音楽はイギリスの作曲家マイク・ヴィッカーズが担当しており、過去の“ドラキュラ”シリーズでのジェームズ・バーナード作曲のオーソドックスなオーケストラ音楽とは異なり、ロックやジャズのイディオムを取り入れたサスペンス・ホラー音楽を展開。冒頭の「Warner Bros. Logo (Theme from DRACULA)」は、ジェームズ・バーナード作曲の“ドラキュラ”の主題。続く「Prologue / Hyde Park 1872」は、オープニングのロンドン、ハイドパークでのドラキュラ伯爵とヴァン・ヘルシング教授の対決シーンの音楽で、ヒロイックなマーチ風のメインの主題がなかなかかっこいい。オルガンがゴシック・ホラー調のタッチを加えている。「Main Theme: Dracula A.D. 1972」は、プロローグと同じ主題によるロック調のメインタイトル。アップビートで快調。「Johnny Looks at Ring / Legend of Dracula」は、不吉なサスペンス音楽。黒ミサのシーンでの「Devil's Circle Music」は、電子音楽作曲家のデヴィッド・ヴォーハウスが作曲し、彼が主宰するサイケエレクトロニクスユニット White Noiseが演奏した「The Black Mass: An Electric Storm in Hell」からの引用で、呻き声とかが入ったアブストラクトで不気味な催眠音楽。「Baptism by Blood」も、不吉でアブストラクトな曲。「Dracula Rising / The Blood Ritual / Laura Screams」「Dracula Returns / Dracula Bites Laura」は、ドラキュラを蘇らせるシーンでのダークなタッチのホラー音楽。「Alucard = Dracula / Not the One! / Give Me the Power!」は、メインの主題のバリエーションによるサスペンス音楽。「Dumping the Body / Van Helsing Prepares / Jessica Walks into the Trap」は、メランコリックな主題を含んだサスペンス音楽。「Van Helsing Heads to the Club」は、メインの主題のアップビートなアレンジメント。「Van Helsing Confronts Johnny / Johnny's Ignoble Death Scene」は、ヴァン・ヘルシングとジョニー・アルカードの対決シーンでのサスペンス音楽で、犯罪アクション映画風のタッチ。「Johnny Be Really Dead! / Van Helsing at the Church / Van Helsing Confronts Dracula / Rest in Final Peace / Main Theme: Dracula A.D. 1972 (Reprise)」は、クライマックスでのドラキュラとヴァン・ヘルシング教授の対決シーンのサスペンス・アクション音楽から、メインタイトルのリプライズによるエンド・クレジットで締めくくる。ラストにボーナストラックとしてアメリカのポップ・バンド Stonegroundによる挿入歌「You Better Come Through for Me」「Alligator Man」を収録。1,500枚限定プレスで、Buysoundtraxレーベルのサイトから直接購入した最初の100枚のジャケットには、作曲家マイク・ヴィッカーズとキャロライン・マンローのサインが入っている。
マイク・ヴィッカーズは、1960年代のイギリスのロック・バンド「マンフレッド・マン」のメンバーで、映画音楽作曲家としては、この「ドラキュラ'72」の他に「地底王国」(1976)「アトランティス/7つの海底都市」(1978)等のスコアも手がけているが、その後は映画音楽の世界から離れ、作曲家/小説家として活動している。
マイク・ヴィッカーズが手がけた映画音楽には「(未公開)The
Sandwich Man」(1966)「(未公開)Press for Time」(1966)「(未公開)カシミール決死行!!(Tibetana, aka The
Kashmiri Run)」(1970)「(未公開)Please Sir!」(1971)「(未公開)The Love
Box」(1972)「ドラキュラ'72(Dracula A.D. 1972)」(1972)「(未公開)The Sex Thief」(1973)「(未公開)The
Stud」(1974)「(未公開/TV)Jackpot」(1974)「地底王国(At the Earth's
Core)」(1976)「アトランティス/7つの海底都市(Warlords of Atlantis)」(1978)等がある。
(2009年7月)
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