(TV)アガサ・クリスティー ミス・マープル AGATHA CHRISTIE'S MARPLE
作曲:ドミニク・シャーラー
Composed by DOMINIK SCHERRER
(スペインQuartet Records / QR425)
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2004〜2013年製作のイギリス=アメリカ合作テレビ・シリーズ(93分×16話、89分×7話/日本ではNHK BSプレミアム等で放映)。「そして誰もいなくなった」(1945/1974)「情婦」(1957)「オリエント急行殺人事件」(1974/2017)「ナイル殺人事件」(1978/2020)「クリスタル殺人事件」(1980)「ドーバー海峡殺人事件」(1984)「死海殺人事件」(1988)「アガサ・クリスティー
ねじれた家」(2017)等の映画化作品があるイギリスのミステリ作家アガサ・クリスティー(1890〜1976)の原作を基にした1話完結のミステリドラマ・シリーズ。セント・メアリ・ミード村に静かに暮らす老婦人ミス・ジェーン・マープルが友人や親戚を訪ねた際に不可解な殺人に遭遇し、事件を解決していく。ミス・マープル役は、シーズン1からシーズン3までをジェラルディン・マクイーワン
(1932〜2015/日本語吹替は岸田今日子、草笛光子)、シーズン4からシーズン6までをジュリア・マッケンジー(1941〜/日本語吹替は藤田弓子)が演じた。製作総指揮はミシェル・バックとダミアン・ティマー。「ドライヴ」(2011)「オンリー・ゴッド」(2013)等のニコラス・ウィンディング・レフンが監督しているエピソードもある(「復讐の女神」)。各エピソードのゲスト出演者はベネディクト・カンバーバッチ、イアン・リチャードソン、ジュリアン・サンズ、シルヴィア・シムズ、ジョーン・コリンズ、リチャード・E・グラント、エドワード・フォックス、ジェームズ・フォックス、サフロン・バロウズ、ブライアン・コックス、ジェーン・シーモア、ジェラルディン・チャップリン等。
音楽はスイス出身の作曲家で「(TV)リッパー・ストリート」(2012〜2016)「(TV)ザ・ミッシング
〜消えた少年〜」(2014〜2016)「(TV)レクイエム:マチルダ・グレイの秘密」(2018)「(TV)ザ・ウィドウ 〜真実を求めて〜」(2019)等のテレビドラマを中心にスコアを手がけているドミニク・シャーラー(1967〜)。
冒頭の「Theme from Agatha Christie's Marple」は、明るく軽快なイントロから躍動的でミステリアスなタッチのメインの主題へと展開するメインタイトル。これ以降、計11話の各エピソードのスコアを収録。
「牧師館の殺人(THE MURDER AT THE VICARAGE)」(シーズン1/エピソード2)の監督はチャールズ・パーマー。出演はジェラルディン・マクイーワン、デレク・ジャコビ、ジェイソン・フレミング、ハーバート・ロム、ロバート・パウエル、マーク・ゲイティス、アンジェラ・プレザンス他。脚本はスティーヴン・チャーチェット。撮影はナイジェル・ウォルターズ。
ドミニク・シャーラーのスコアは、「Opening」がジェントルなタッチからメインの主題へと展開するオープニング。「A
Summer's Day」は、牧歌的でリリカルな曲。「Lust, Sin, Death」は、ミステリアスなタッチから後半ジェントルな主題へ。
「鏡は横にひび割れて(THE MIRROR CRACK'D FROM
SIDE TO SIDE)」(シーズン5/エピソード4)の監督はトム・シャンクランド。出演はジュリア・マッケンジー、ジョアンナ・ラムレイ、リンゼイ・ダンカン、ナイジェル・ハーマン、キャロライン・クエンティン、ヒュー・ボネヴィル他。脚本はケヴィン・エリオット。撮影はシンダース・フォアショウ。同じ原作が「クリスタル殺人事件」(1980/監督:ガイ・ハミルトン、出演:アンジェラ・ランズベリー、エリザベス・テイラー、キム・ノヴァク、ロック・ハドソン、トニー・カーティス)として映画化されている。
「The Mirror Crack'd from Side to Side」は、静かにミステリアスなタッチからメランコリックな主題へと展開する曲。
「終わりなき夜に生まれつく(ENDLESS NIGHT)」(シーズン6/エピソード3)の監督はデヴィッド・ムーア。出演ジュリア・マッケンジー、トム・ヒューズ、アナイリン・バーナード、ジョアンナ・ヴァンダーハム、ビルギッテ・ヨート・ソーレンセン、ジャネット・ハンフリー他。脚本はケヴィン・エリオット。撮影はバラズ・ボリーゴ。
「The House」は、明るく快活なタッチ。「Urban Romance」は、ジェントルなジャズ。「New
York Funeral」は、躍動的なタッチから静かにドラマティックな主題へと展開する曲。
「パディントン発4時50分(4:50 FROM PADDINGTON)」(シーズン1/エピソード3)の監督はアンディ・ウィルソン。出演はジェラルディン・マクイーワン、グリフ・リス・ジョーンズ、デヴィッド・ワーナー、ニーヴ・キューザック、ベン・ダニエルズ、チャーリー・クリード=マイルズ、ジェニー・アガター他。脚本はスティーヴン・チャーチェット。撮影はマーティン・フューラー。
「Railways」は、スリリングでサスペンスフルなタッチの曲。「Lave Theme」は、リリカルで美しい曲。
「カリブ海の秘密(A CARIBBEAN MYSTERY)」(シーズン6/エピソード1)の監督はチャールズ・パーマー。出演はジュリア・マッケンジー、チャリティー・ウェイクフィールド、ロバート・ウェッブ、オリヴァー・フォード・デイヴィス、アラステア・マッケンジー、チャールズ・メジャー、ハーマイオニー・ノリス他。脚本はチャーリー・ヒグソン。撮影はマイケル・スナイマン。このエピソードでは「007」シリーズの原作者イアン・フレミング(ジェレミー・クラッチリー)が登場し、主人公の名前を思いつかずに悩んでいたところを(実在の)鳥類学者ジェームズ・ボンド(チャーリー・ヒグソン)の講義を聴講するというシーンが登場するが、クリスティーの原作にはない。
「lsland」は、明るくトロピカルなタッチの曲。「Nos Morituri」は、静かにジェントルな曲。
「青いゼラニウム(THE BLUE GERANIUM)」(シーズン5/エピソード3)の監督はデヴィッド・ムーア。出演はジュリア・マッケンジー、ドナルド・シンデン、シャロン・スモール、クローディー・ブレイクリー、トビー・スティーヴンス、ジョアンナ・ペイジ、ポール・リス、デヴィッド・コールダー他。脚本はステュワート・ハーコート。撮影はピーター・グリーンハル。
「The Blue Geranium」は、静かにドラマティックな主題からダークなサスペンス調へ展開する曲
「予告殺人(A MURDER IS ANNOUNCED)」(シーズン1/エピソード4)の監督はジョン・ストリックランド。出演はジェラルディン・マクイーワン、クリスチャン・コールソン、シェリー・ルンギ、ロバート・ピュー、キーリー・ホーズ、ゾーイ・ワナメイカー、クレア・スキナー、フランシス・バーバー、エレイン・ペイジ、マシュー・グッド、ヴァージニア・マッケンナ他。脚本はステュワート・ハーコート。撮影はスー・ギブソン。
「Train」は、女声ヴォーカルをフィーチャーしたミステリアスな曲。「Belle Goedler」も、女声ヴォーカル入りのダークなサスペンス音楽。
「グリーンショウ氏の阿房宮(GREENSHAW'S FOLLY)」(シーズン6/エピソード2)の監督はサラ・ハーディング。出演はジュリア・マッケンジー、キンバリー・ニクソン、ボビー・スモールドリッジ、マーティン・コムストン、ジュリア・サワラ、フィオナ・ショウ他。脚本はティム・ウィットノール。撮影はサム・マッカーディ。
「Greenshaw's Folly - Thou Art Thy Mother's Glass」は、ピアノとストリングスによるメランコリックなタッチの曲。
「親指のうずき(BY THE PRICKING OF MY THUMBS)」(シーズン2/エピソード3)の監督は「チェンジリング」(1979)「蜘蛛女」(1993)「スピーシーズ2」(1998)「(TV)ハンニバル」(2013)等のピーター・メダック。出演はジェラルディン・マクイーワン、アンソニー・アンドリュース、グレタ・スカッキ、スティーヴン・バーコフ、クレア・ブルーム、チャールズ・ダンス、レスリー・フィリップス他。脚本はステュワート・ハーコート。撮影はジェームズ・ウェランド。クリスティー原作の別の主人公トミー・ベレスフォード(アンドリュース)とタペンス(スカッキ)夫妻が登場するエピソード。
「Opening」は、ミステリアスで躍動的なオープニング曲。「Romance」は、リリカルでドラマティックな曲。
「シタフォードの謎(THE SITTAFORD MYSTERY)」(シーズン2/エピソード4)の監督はポール・アンウィン。出演はジェラルディン・マクイーワン、ティモシー・ダルトン、ロバート・ハーディ、キャリー・マリガン、リタ・トゥシンハム、ローレンス・フォックス、ジェームズ・ウィルビー他。脚本はスティーヴン・チャーチェット。撮影はニコラス・D・ノウランド。
「The Sittaford Mystery」は、ジェントルでミステリアスな曲。
「動く指(THE MOVING FINGER)」(シーズン2/エピソード2)の監督はトム・シャンクランド。出演はジェラルディン・マクイーワン、ジェームズ・ダーシー、エミリア・フォックス、ハリー・エンフィールド、イモジェン・スタッブス、ケリー・ブルック、タルラ・ライリー、フランシス・デ・ラ・トゥーア、ケン・ラッセル他。脚本はケヴィン・エリオット。撮影はシンダース・フォアショウ。
「Opening」は、ダークでミステリアスなタッチのオープニング曲。「Finale」は、女声ヴォーカルをフィーチャーした明るく大らかなフィナーレ。
ドミニク・シャーラーが手がけた作品には
「(未公開/TV)Queen of Fruit」(1993)
「(未公開)Strawberries」(1993)
「(未公開)The Long Winter」(1993)
「(未公開)Ole」(1994)
「(未公開)Appetite」(1998)
「(未公開)Hell for Leather」(1998)
「(TV)鏡の国のアリス(Alice Through the Looking
Glass)」(1998)
「(未公開)Near the Center」(1998)
「(未公開)In principio erano le mutande」(1999)
「(未公開)The Nine Lives of Tomas Katz」(2000)
「(未公開)Life-Line」(2000)
「(未公開)The Honeytrap」(2002)
「(未公開/TV)L'altra donna」(2002)
「(未公開/TV)Footprints」(2003)
「(未公開)Brick Lane」(2003)
「(未公開/TV)We Can Make You Talk: A History of
Interrogation」(2004)
「(TV)アガサ・クリスティー ミス・マープル(Agatha Christie's
Marple)」(2004〜2013)
「(未公開/TV)Jericho - A Pair of Ragged Claws, - The Killing of Johnny Swan, -
To Murder and Create, - The Hollow Men」(2005)
「(未公開)The Truth」(2006)
「(未公開/TV)If I Had You」(2006)
「(未公開)Scenes of a Sexual Nature」(2006)
「(TV)ドラキュラvsヴァン・ヘルシング(Dracula)」(2006)
「(未公開/TV)Life Line」(2007)
「(未公開)Two Families」(2007)
「(未公開/TV)Primeval」(2007〜2009)
「私を撮って(Riprendimi)」(2008)
「(未公開)Beheading of a Smiling Dog」(2008)
「(未公開/TV)Crimini - La doppia vita di Natalia
Blum」(2009)
「(未公開/TV)U Be Dead」(2009)
「(未公開/TV)Weinreisen mit Philipp Schwander」(2009)
「(未公開)The Connoisseurs」(2009)
「(未公開/TV)Inspector George Gently - Gently Evil, -
Peace & Love, - Gently Upside Down」(2010〜2011)
「(未公開/TV)Christopher and His Kind」(2011)
「(未公開/TV)Just Henry」(2011)
「(未公開/TV)Monroe」(2011〜2012)
「(未公開/TV)A fari spenti nella notte」(2012)
「(未公開)Tutto parla di te」(2012)
「(TV)リッパー・ストリート(Ripper Street)」(2012〜2016)
「(TV)ザ・ミッシング 〜消えた少年〜(The Missing)」(2014〜2016)
「(TV)夜の来訪者(An Inspector Calls)」(2015)
「(未公開)Lucida」(2016)
「(TV)真実を知る者(One of Us - The Storm, - Beneath the
Surface, - Glenarvon Loch, - Adam and Grace)」(2016)
「(TV)ザ・コレクション(The Collection)」(2016)
「(TV)レクイエム:マチルダ・グレイの秘密(Requiem)」(2018)
「(未公開/TV)The City and the City - Beszel, - Ul
Qoma, - Breach, - Orciny」(2018)
「(TV)ザ・ウィドウ 〜真実を求めて〜(The Widow)」(2019)
「(TV)バティスト アムステルダムに潜む闇(Baptiste)」(2019)
「(未公開)Memory」(2019)
「(未公開/TV)Elizabeth Is Missing」(2019)
「(未公開)Hallucinations」(2020)
「(未公開/TV)The Serpent」(2020)
等がある。
ドミニク・シャーラーは、「(TV)リッパー・ストリート」と「(TV)ザ・ウィドウ
〜真実を求めて〜」で2014年度と2019年度のアイヴァー・ノヴェロ賞のテレビ音楽賞を受賞している。
(2020年12月)
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