(未公開/TV)レ・ミゼラブル LES MISERABLES

作曲・指揮:ジャン=クロード・プティ
Composed and Conducted by JEAN-CLAUDE PETIT

(仏Madoro Music / K 1042)

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ヴィクトル・ユーゴの有名な原作を基にした2000年製作のフランス=ドイツ=アメリカ=スペイン合作によるTVミニシリーズ。監督はTV畑のジョセ・ダヤン。出演はジェラール・ドパルデュー(ジャン・ヴァルジャン役)、クリスチャン・クラヴィエ、ジョン・マルコヴィッチ、ジャンヌ・モロー、シャ ルロット・ゲンズブール、クリストファー・トンプソン、ヴィルジニー・ルドワイヤン、エンリコ・ロ・ヴェルソ、アシア・アルジェント、ヴェロニカ・フェレス、ジョヴァンナ・メッツォジォルノ、ヴァディム・グロウナ、ステフェン・ウィンク、レオポルディン・セレ、ジェローム・ハードレィ他。脚本はディディエール・ドゥコワン、撮影はウィリー・スタッセンが担当。

音楽は「ふたりの教師」等のフランスのベテラン、ジャン=クロード・プティ。この「レ・ミゼラブル」では、題材にふさわしい悲劇的でシリアスなオーケストラル・スコアを提供しているが、何といっても1曲1曲にこめられた深いドラマ性がいかにもプティらしく見事である。随所に組込まれたギター、ピアノ、ヴァイオリンのソロも効果的。冒頭の「Les miserables」とラストの「Generique fin」でのストイックなタッチの重厚なメインテーマや、「La poursuite / La nuit」「Les barricades」での激しくサスペンスフルなタッチ、「Le tourment de Valjean」でのエモーショナルな盛り上がり等、いつもながら良質のドラマティック・スコアを展開している。

ジャン=クロード・プティは、過去にも「(未公開)新・三銃士/華麗なる勇者の冒険」(1989)「シラノ・ド・ベルジュラック」(1990)「プロヴァンスの恋 」(1995)「ボーマルシェ フィガロの誕生」(1996)といったコスチューム・プレイの音楽を手がけており、この「レ・ミゼラブル」も題材としては得意なジャンルだと思うが、ドラマの悲劇性という点では、むしろ初期の傑作である「愛と宿命の泉」(1986)での美しいスコアに近いものがある。
(2000年10月)

Jean-Claude Petit

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