マジック・ボーイ THE ESCAPE ARTIST

作曲・指揮:ジョルジュ・ドルリュー
Composed and Conducted by GEORGES DELERUE

(米Percepto Records / Percepto 016)


1982年製作のアメリカ映画。監督は「ライトスタッフ」(1983)「ナチュラル」(1984)「あなたに降る夢」(1994)「パトリオット」(2000)「タイムライン」(2003)「ナショナル・トレジャー」(2004)「パッション」(2004)等の撮影監督として知られるカレブ・デシャネル。出演はグリフィン・オニール、ラウル・ジュリア、テリー・ガー、ジョーン・ハケット、ガブリエル・デル、エリザベス・デイリー、デジ・アーナズ、ハンツ・ホール、ジャッキー・クーガン、M・エメット・ウォルシュ、デヴィッド・クレノン、ハリー・アンダーソン、カーリン・グリン、マーガレット・ラッド、イライジャ・クック・Jr.他。デヴィッド・ワグナーの原作を基にメリッサ・マシスンとスティーブン・ジトーが脚本を執筆。撮影はスティーヴン・H・ブラム。製作総指揮はフランシス・フォード・コッポラ。父譲りの奇術の神童ダニー(オニール)は、マジック用品店で横暴な振る舞いをする市長の息子をからかい、彼のポケットから財布をくすねるが、それは市長本人のもので、中の金はぜんぶ賄賂だった……。主演のグリフィン・オニールはテイタム・オニールの弟で、これは彼の主演デビュー作だが、華やかな映画出演の陰で彼らが過ごした幼少時代の悲惨な日々は、2004年に出版されたテイタム・オニールの自叙伝「A Paper Life」に詳しく記されている。

音楽は監督のカレブ・デシャネルの強い希望によりフランス人のジョルジュ・ドルリューが担当している。「Main Titles」は、ジェントルなメインの主題のオルゴール風アレンジメント。「Getting Ready for the Big Time」は、ダークなイントロからピアノとストリングスによるセンチメンタルな主題に展開。「Danny's Arrival」「The Bridal Shop」「Drowning」「Fritz Threatens Danny」「Danny's Escape」「Opening the Safe」等はサスペンス調。「Burke & Sybil's Act」はダンスミュージック風の軽いタッチ。「Harry Masters」はトラジックなタッチ。「Leaving the Apartment」は、ドラマティックな“ドルリュー節”の第二主題。「Picking Up Sandra」は、メインの主題の静かなアレンジメント。「Ted's Rancho」はピアノのソース曲。「The Secret Revealed / Levitation」は、センチメンタルな第二主題からドラマティックな主題、メインの主題へと展開。「Stu Chases Danny」もドラマティックな第二主題。「The Mailbox / End Credits」は、ジェントルなワルツによるエンドクレジットで、これまた感動的なドルリュー節。これはドルリューの過去のスコア中でもサントラ盤リリースの要望が多かった作品の1つで、2005年に米Perceptoレーベルがリリースしたもの(1500枚限定プレス)。ボーナス・トラック9曲収録。
(2005年12月)

Georges Delerue

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