(未公開)マキシー/素敵な幽霊 MAXIE

作曲・指揮:ジョルジュ・ドルリュー
Composed and Conducted by GEORGES DELERUE

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 137)


1985年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「(未公開)フォース・オブ・ワン」(1979)「奇跡の人」(1979)「(TV)シン・アイス」(1981)「(未公開)デッドリー・コップ・クーパー」(1983)「(未公開)ジョン・クライヤーのホーム・フロント」(1987)「(TV)MIA/戦闘後行方不明」(1987)等のポール・アーロン。出演はグレン・クローズ、マンディ・パティンキン、ルース・ゴードン、バーナード・ヒューズ、ヴァレリー・カーティン、グーギー・グレス、マイケル・エンサイン、マイケル・ラスキン、ルー・キューテル、ネルソン・ウェルチ、リーザ・ギボンズ、エヴァン・ホワイト、ハリー・ウォン、チャールズ・ダグラス・レアード、ハリー・ハムリン他。「(未公開)ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(1956)「0番号の家」(1957)「ちょっとご主人貸して」(1964)「クィーン・メリー号襲撃」(1966)「SF/ボディ・スナッチャー」(1978)「インベージョン」(2007)等の原作で知られるアメリカのSF/ファンタジー作家ジャック・フィニイ(1911〜1995)の小説『マリオンの壁(Marions Wall)』を基にパトリシア・レズニックが脚本を執筆。撮影はフレッド・シュラー。司書のニック(パティンキン)とその妻ジャン(クローズ)はサンフランシスコのアパートに引っ越してくるが、そこには1920年代に死んだサイレント映画の女優マキシー・マローン(クローズ/二役)の幽霊が棲みついていた。彼女はある朝、映画のオーディションに出かける前に交通事故で命を落としていた。マキシーの霊はジャンにとり憑き、オーディションを受けるまではジャンの身体から出ていかないという……。グレン・クローズがこの作品で1985年度ゴールデン・グローブの女優賞(コメディ/ミュージカル)にノミネートされている。

音楽はフランスの作曲家ジョルジュ・ドルリュー(1925〜1992)が作曲しており、これは彼が晩年にカリフォルニアに移住した後に手がけたハリウッド映画のスコアの1つ。「Main Title」は、サックスをフィーチャーした明るく爽やかなメインの主題。「Some Fun, Huh?」は、ややコミカルなサスペンス調。「Trudy Remembers I」「Nick the Adult」「She Won't Be Back」等は、メインの主題のバリエーション。「Free Spirit」は、ジェントルなジャズ・ピアノ。「Party Source I」は、パーティのシーンでの軽快なソース音楽。「Trudy's Realization I」「Big Time Pictures」は、明るく躍動的な曲。「Trudy's Realization II」は、ラグタイム・ピアノ風のダンス曲。「As Good as Maxie」「Fun In Bed」「Cleopatra」は、ジェントルで美しい曲。「Maxie's Realization」「Would Be Star」は、ジェントルかつややメランコリックなタッチ。「Gerobicize」は、陽気なホンキートンク・ピアノ。「Seducing Jerome」は、サックスとストリングスによるジェントルでややセンシュアルなタッチの曲。「Chinese Movie」は、オリエンタルなタッチ。「Chase」「Asking for a Gift」は、メインの主題の躍動的で軽快なバリエーション。「Shooting Commercial」は、コミカルな曲。ラストの「End Titles」では、メインの主題が明確に演奏されるが、これはドルリュー自作自演の新録音コンピレーションにも収録されていた名曲。サントラではフィニッシュの部分が新録音版よりスローテンポになる。最後にボーナストラックとして11曲の短いつなぎの音楽を収録。長らく紛失したと考えられていた音源がMGMから提供されて初CD化されたもので、1200枚限定プレス。
(2010年8月)

Georges Delerue

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