太陽が目にしみる LES PIANOS MECANIQUES
作曲・指揮:ジョルジュ・ドルリュー
Composed and Conducted by GEORGES DELERUE
(スペインQuartet Records / QRSCE020)
1965年製作のスペイン=フランス=イタリア=西ドイツ合作映画(スペイン語題名は「LOS PIANOS MECANICOS」/日本公開は1966年6月)。監督は「恐怖の逢びき」(1955)「(未公開)大通り」(1956)「(未公開)最後の戦塵」(1969)「ミステリー島探検/地底人間の謎」(1972)等のフアン・アントニオ・バルデム(俳優のハビエル・バルデムは彼の甥)。出演はジェームズ・メイソン、メリナ・メルクーリ、ハーディ・クリューガー、ディディエ・オードゥパン、ルノー・ヴェルレー、マルティーヌ・ジゲル(ソフィー・ダレ)、岸 恵子、モーリス・テイナック、カリン・モスバーグ、ホセ・マリア・モンピン、ルイス・インデュニ、サビーヌ・スン他。「悪の決算」(1955)「広場」(1960)「明日なき夜」(1961)等のアンリ=フランソワ・レイの原作を基にフアン・アントニオ・バルデムが脚本を執筆。撮影はガボール・ポガニー。スペインのカルデヤにある小さな漁村でジェニー(メルクーリ)が経営するレストラン“ラ・エストレラ”では、自堕落な小説家パスカル・レニエ(メイソン)や、一生かけて理想の岩を追い求めている画家トム(モンピン)、億万長者でジェニーにこの店を与えたブライアント(インデュニ)たちがたむろしていた。ある夏、若い画家のヴァンサン(クリューガー)が療養のためにパリからやって来る。彼はレニエの息子ダニエル(オードゥパン)や、ジェニーを取りまく仲間たちとも仲良くなるが、やがてジェニーの魅力の虜になっていく……。スペインの漁村を舞台にさまざまな悲恋を描いたヒューマン・ドラマで、岸 恵子がレニエの愛人ノラを演じている。
音楽は、フアン・アントニオ・バルデム監督の「(未公開)NUNCA
PASA NADA」(1963)も手がけているジョルジュ・ドルリューが作曲。「Arrivee
Caldeya (Generique)」は、クールなビッグバンドジャズ。「Les pianos mecaniques」は、メランコリックなピアノによるワルツの主題で、このメインの主題は「Daniel
et les pianos mecaniques」等でも登場する。「Le suicide (Jenny et Vincent)」「Theme de
Jenny et de Vincent」は、ノワール調のジャズによるジェニーとヴァンサンの主題。「C'est mon grand jour (Regnier
et Tom)」「Ou est Jenny?」「Matins d'ete」「Brunch de la mer」「Toujours Caldeya」等も、ビッグバンドジャズ。「Theme
de Nadine et de Serge」は、若い恋人セルジュ(ヴェルレー)とナディーヌ(ジゲル)の主題で、ギターをフィーチャーしたメランコリックで美しい曲。「Bar
de la estrella (la chouette)」「Nora」「L'amour des adolescents」「Nuits d'ete」は、クールなジャズ。「Caldeya」は、ジェントルな主題からメランコリックな主題へ展開。「Barcelona
la nuit」は、アコーディオンによる快活なソース曲。「L'incendie」は、サスペンス調から後半メランコリックな主題へ。「Les
pianos mecaniques (Generique fin)」は、メインのワルツの主題によるエンドタイトル。ドルリューらしいメランコリックなラヴ・テーマとジャズを組み合わせたスコア。500枚限定プレス。
(2011年2月)
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