(未公開)LE BON PLAISIR

作曲・指揮:ジョルジュ・ドルリュー
Composed and Conducted by GEORGES DELERUE

(仏Music Box / MBR-003)

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1984年製作のフランス映画。監督は「地獄の貴婦人」(1974)「(未公開)シルビア・クリステルのピンク泥棒」(1977)「華麗なる女銀行家」(1980)「デサント・オ・ザンファー/地獄に堕ちて」(1986)「見憶えのある他人」(1996)等のフランシス・ジロー(1944〜2006)。出演はカトリーヌ・ドヌーヴ、ミシェル・セロー、ジャン=ルイ・トランティニヤン、ミシェル・オークレール、イッポリト・ジラルド、クロード・ウィンテール、マチュー・ピルスビュリー、アレクサンドラ・ステュワルト、ジャニーヌ・ダルシー、ジャック・スレイ、ミシェル・ボワロン、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ、イヴェット・エティヴァン他。フランソワーズ・ジローの原作『Editions Mazarine』を基にフランシス・ジローとフランソワーズ・ジローが脚本を執筆。撮影はジャン・パンゼール。インテリアデザイナーのクレール・デプレ(ドヌーヴ)は、現職のフランス大統領(トランティニヤン)と過去に不倫関係にあり、彼の息子を密かに産んでアメリカの学校に行かせていた。ある夜強盗に襲われたクレールは、不倫の事実の証拠となる手紙の入ったハンドバッグを盗まれ、その手紙が反政府派のジャーナリストの手に渡ってしまう。それを知った大統領はあらゆる手段を使って隠し子の存在を隠蔽しようとするが……。本作品の公開当時フランス大統領だったフランソワ・ミッテラン(1916〜1996)に隠し子のマザリーヌがいたことは、1994年に週刊誌によってはじめて報道されたが、その事実は1980年代から政治記者たちの間でも知られていた公然の秘密で、フランシス・ジロー監督や原作者のフランソワーズがそれを踏まえてこの映画を製作したことは、原作のタイトルからも明らか。

音楽は、この作品の後に「デサント・オ・ザンファー/地獄に堕ちて」でもフランシス・ジロー監督と組んでいるジョルジュ・ドルリューが作曲。「Theme du President」は、荘厳なマーチによるフランス大統領の主題で、「La lettre du President」「Arrivee au chateau」「Hymne a l'americaine」でも繰り返される。「Generique debut」は、フルート・ソロをフィーチャーしたメランコリックなメインタイトルで、後半ミステリアスなタッチに展開。このメインの主題は「Pollux chez Claire」「Claire et le President」等でも登場する。「Theme de Mike」は、アメリカで暮らすクレールの息子マイク(ピルスビュリー)の主題で、ハーモニカとストリングスによるジェントルで牧歌的なタッチの曲。この主題は「Ballade americaine」でも繰り返される。「Voyage en Syldavie」「Marche funebre」は、ドラマティクでストイックなタッチの曲。「Chantage / Pierre interroge Claire」「Le portefeuille」「Mort de Pierre」「Pierre et Herbert」等は、サスペンス調。「Partie d'echecs」は、ドルリューらしいジェントルな曲。「Le complot (1re version)」「Le complot (2e version)」は、ミステリアスなタッチ。「La bibliotheque de la residence」「Suicide d'Herbert」は、メランコリックな曲。「Generique fin」は、メインの主題のリプライズによるエンドタイトル。
このスコアは公開当時にフランスのMKレーベルよりサントラLPが出ていたが、今回Music BoxレーベルがリリースしたCDは、約15分の未発表音楽を含む拡張盤で、初CD化。1000枚限定プレス。
(2011年7月)

Georges Delerue

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