ジョルジュ・ドルリュー初期45RPM集 LES PREMIERS 45 TOURS DE GEORGES DELERUE

作曲:
ジョルジュ・ドルリュー
Composed by GEORGES DELERUE

(仏Disques Cinemusique / DCM 132)

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<収録曲>

1. (未公開)LE BEL AGE (1959)
2. ひと夏の情事 UNE FILLE POUR L’ETE (1959)
3. やるか、くたばるか MARCHE OU CREVE (1959)
4. (未公開)LES JEUX DE L'AMOUR (1960)
5. (未公開)LE FARCEUR (1960)
6. かくも長き不在 UNE AUSSI LONGUE ABSENCE (1960)

フランスの作曲家ジョルジュ・ドルリュー(1925〜1992)がキャリア初期の1959〜1960年に手がけたフランス映画のスコアを集めたコンピレーションCD。フランスで公開当時に45回転(rpm)のシングル盤で出ていたタイトルを初CD化したもので、ファンにとっては貴重なリリース。

1. (未公開)LE BEL AGE

1960年製作のコメディ映画。監督は「(未公開)ポケットの恋」(1957)等のピエール・カスト。出演はロレー・ベロン、マルセル・パリエーロ、ウルスラ・クブレール、ボリス・ヴィアン、フランソワーズ・プレヴォ、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ、フランソワーズ・ブリオン、ジャン=クロード・ブリアリー、ジャンニ・エスポジト、アレクサンドラ・ステュワルト他。イタリアの作家アルベルト・モラヴィア(1907〜1990)の原作「Un vieil imbecile」を基にジャック・ドニオル=ヴァルクローズとピエール・カストが脚本を執筆。撮影はジスラン・クロケとサーシャ・ヴィエルニー。音楽はドルリューとジャズ作曲家のアラン・ゴラゲールが共同で作曲。 「Nous avions vingt ans」は、軽快なピアノジャズ。「Avenue Henri-Martin」「A Deauville」「Carla et Roger aux sports d'hiver / Final」も、クールなタッチのジャズ。 「Ursula」は、ギターとストリングスによるメランコリックなタッチの曲。

2. ひと夏の情事 UNE FILLE POUR L’ETE

1959年製作のフランス=イタリア合作映画(日本初公開は1960年4月)。監督は「プレステージ」(1976)「Mr.レディMr.マダム」(1978)「エレベーターを降りて左」(1988)「ボーマルシェ/フィガロの誕生」(1996)等のエドゥアール・モリナロ。出演はミシェル・オークレール、パスカル・プティ、ミシュリーヌ・プレール、ジョルジュ・プージュリー、アントワーヌ・バルペトル、エーム・クラリオン、アンリ・ヴィドン、クレール・モーリエール他。モーリス・クラヴェルの原作を基にクラヴェルとエドゥアール・モリナロが脚本を執筆。撮影はジャン・ブールゴワン。画商の妻ヴィヴィアンヌ(モーリエール)との暮しに飽きた画家のフィリップ(オークレール)は、友人の未亡人ポール(プレール)の別荘へ招かれ、その途中で出会った気まぐれな女の子マネット(プティ)を連れて行く。やがてフィリップはマネットを愛するようになるが……。ドルリューのスコアは「Suite Symphonique」が、いかにも彼らしいジェントルな曲。「La Ponche (mambo)」は、軽快なマンボ。「Saint-Tropez Blues」は、気だるいタッチのジャズ。

3. やるか、くたばるか MARCHE OU CREVE

1959年製作のフランス=ベルギー合作映画(日本初公開は1960年9月)。監督は「愛人関係」(1973)「チェイサー」(1978)「警部」(1978)「ソフィー・マルソー/恋にくちづけ」(1984)「ラ・メゾン/惨劇の館」(1988)等のジョルジュ・ロートネル。出演はジュリエット・メイニエル、ベルナール・ブリエ、ダニエル・ソラノ、ジャック・リベロール、ジゼル・サンドル、ジャック・シャバッソル、アンリ・コガン、マルセル・ベルトー、ロジェ・デュトワ、ミシェル・ナストール、モニーク・ドゥラノイ他。ジャック・マレイの原作『人質(Otages)』を基にピエール・ラロシュとジョルジュ・ロートネルが脚本を執筆。撮影はロジェ・フェルー。第二次大戦中に祖国のために秘密結社を作った男たち、レンツィ(ブリエ)、ミラン(ソラノ)、ステファン(リベロール)の裏切りのドラマを描くサスペンス。 「Generique」「Stephan」は、サスペンスフルなジャズ。 「Valse」は、ジェントルで素朴なワルツ。 「Edith」は、気だるいジャズ。

4. (未公開)LES JEUX DE L'AMOUR

1960年製作のコメディ映画(アメリカ公開題名は「The Lovers」)。監督は「カトマンズの男」(1965)「まぼろしの市街戦」(1967)「おかしなおかしな大冒険」(1973)「ベルモンドの怪盗二十面相」(1975)「(未公開)ソフィー・マルソーの愛、革命に生きて」(1988)「(未公開)愛と復讐の騎士」(1997)等のフィリップ・ド・ブロカ。出演はジャン=ピエール・カッセル、ジュヌヴィエーヴ・クルニー、ジャン=ルイ・モーリー、ロベール・ヴァティエール、クロード・セルヴァル、ピエール・レップ、マリア・パコーム、ジャンヌ・ペレーズ、ダニエル・ブーランジェ他。脚本はダニエル・ブーランジェとフィリップ・ド・ブロカ。製作に「ジャガーの眼」(1965)「いとこ同志」(1959)「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」(1995)「悪の華」(2003)「引き裂かれた女」(2007)等の監督クロード・シャブロルが参加している。撮影はジャン・パンゼール。監督のド・ブロカ、プロデューサーのシャブロルの他、ドルリューもピアニスト役で出演している。1960年度ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞。 「La Valse des roses」は、躍動的なワルツ。「Galop de l'oiseau-mouche」「Pique-nique a trois」「Java de l'oiseau-mouche」「Java tordue」は、明るく快活なタッチの曲。「Marche de Victor le magnifique」は、軽快なマーチ。

5. (未公開)LE FARCEUR

1960年製作のフランス映画(アメリカ公開題名は「The Joker」)。これもフィリップ・ド・ブロカ監督/クロード・シャブロル製作のコメディ作品。出演はアヌーク・エーメ、ジャン=ピエール・カッセル、パロー、ジュヌヴィエーヴ・クルニー、ジョルジュ・ウィルソン、アン・トニエッティ、フランソワ・メートル、ジャン=ピエール・ランバル、リリアンヌ・パトリック、ダニエル・ブーランジェ他。脚本はダニエル・ブーランジェとフィリップ・ド・ブロカ。撮影はジャン・パンゼール。プレイボーイのエドゥアール(カッセル)と人妻エレーヌ(エーメ)の駆け引きを描くロマンティック・コメディ。 「Generique」は、明るく躍動的なメインタイトル。「Le Jardin des plantes」は、ジェントルな曲。「El de Broca」「Helene」も、明るく快活なタッチ。

6. かくも長き不在 UNE AUSSI LONGUE ABSENCE

1960年製作のフランス=イタリア合作映画(アメリカ公開題名は「The Long Absence」/日本初公開は1964年8月)。監督は「ピカソ-天才の秘密」(1956)「ミステリー島探検/地底人間の謎」(1972)等のアンリ・コルピ。出演はアリダ・ヴァリ、ジョルジュ・ウィルソン、ジャック・アルダン、シャルル・ブラヴェット、アムディー、ポール・フェーヴル、ピエール・パレル、カトリーヌ・フォントニー、ディアーヌ・ルプヴリエ、ナーヌ・ジェルモン、ジョルジュ・ベレック、シャルル・ブーイヨー他。脚本はマルグリット・デュラスとジェラール・ジャルロ。撮影はマルセル・ウェイス。パリのセーヌ河岸近くで「古い教会のカフェ」を営むテレーズ(ヴァリ)は、朝と夕方店の前を通る浮浪者(ウィルソン)が、16年前にゲシュタポに捕えられたまま消息を絶った夫アルベールに似ていることに気づく。しかし浮浪者は過去の記憶を全て失っていた……。1961年度ルイ・デリュック賞と同年のカンヌ映画祭パルムドールを受賞。 「Generique」は、素朴でジェントルなメインタイトル。「Blues de l'absence」「Rock'n Roll」は、クールなジャズ。「Trois petites notes de musique」は、コーラ・ヴォーケールのヴォーカルによるメインの主題のシャンソン。ドルリュー作曲のシャンソンとしては有名な曲で、後にイヴ・モンタンやジュリエット・グレコがカヴァーしている。

(2012年2月)

Georges Delerue

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