(未公開)L'AFRICAIN

作曲・指揮:ジョルジュ・ドルリュー
Composed and Conducted by GEORGES DELERUE

(仏Universal/EmArcy / 370 479 0)

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1983年製作のフランス映画。監督は「大盗賊」(1961)「リオの男」(1963)「カトマンズの男」(1965)「まぼろしの市街戦」(1967)「おかしなおかしな大冒険」(1973)「ベルモンドの怪盗二十面相」(1975)「(未公開)愛と復讐の騎士」(1997)等のフィリップ・ド・ブロカ。出演はカトリーヌ・ドヌーヴ、フィリップ・ノワレ、ジャン=フランソワ・バルメ、ジャック・フランソワ、ジャン・ベンギギ、ジョセフ・モモ、ヴィヴィアン・リード、ピエール・ミシャエル、ゴードン・ヒース、レイモン・アキロン、ジゼル・シャルパンティエ、マキシム・ドゥフー。脚本はジェラール・ブラッシュとフィリップ・ド・ブロカ。撮影はジャン・パンゼール。製作はクロード・ベリ。ピグミー族の住むウィリアムス湖のそばに旅行センターを建設しようとザイールにやってきたシャルロット(ドヌーヴ)は、3年前に彼女の元を去りアフリカに移住した夫のヴィクトール(ノワレ)に再会する……。フィリップ・ド・ブロカ監督が得意とするコメディ・タッチのアドヴェンチャー映画で、彼はヴィクトール役にジェラール・ドパルデューかジャン=ポール・ベルモンドを希望したが2人とも断ったため、フィリップ・ノワレが演じることになったという。

音楽はフィリップ・ド・ブロカ監督と「大盗賊」(1961)「リオの男」(1963)「ピストン野郎」(1964)「カトマンズの男」(1965)「まぼろしの市街戦」(1967)「君に愛の月影を」(1969)「ベルモンドの怪盗二十面相」(1975)「(未公開)ソフィー・マルソーの愛、革命に生きて」(1988)等でも組んでいるジョルジュ・ドルリュー「Face to face」は、メランコリックなラヴ・テーマの、英語の歌詞による主題歌(ヴォーカルはこの映画に出演もしているヴィヴィアン・リード)。「L'Africain (ouverture)」は、オーケストラによる大らかで雄大なタッチの序曲。監督のド・ブロカによる「アフリカの大河のように流れる序曲」という希望通りの曲。「Nostalgie de Victor」は、メランコリックで美しいラヴ・テーマで、この主題は「Victor et Charlotte」「L'espoir」「Le bar de l'hotel」「A bientot, Charlotte」等でも繰り返される。「Soiree chez Patterson」は、優雅でジェントルな曲。「Poulakis et sa bande」は、ダークでメランコリックなタッチから後半はサスペンス調へ。「Valse Boston」「Voltige aerienne」は、ドルリューらしい優雅なワルツ。「Charlotte abandonnee」は、アレッサンドリーニ・レイモンのピアノ・ソロによるラヴ・テーマ。「Sur la piste des elephants」は、サスペンス音楽からダイナミックで重厚なタッチへと展開する曲で、象の咆哮を表現したブラスがアクセントになっている。「Marche militaire」は、軽快で勇壮なマーチ。「Victor sauve les elephants」は、重厚でダイナミックなサスペンス音楽。「L'adieu a l'Afrique」は、メインの主題のバリエーション。「Face to face」は、アレッサンドリーニ・レイモンのピアノ・ソロにサックス、ストリングスを加えたラヴ・テーマのリプライズ。最後にボーナス・トラックとしてドルリュー作曲によるド・ブロカ監督作品の交響組曲「Suite symphonique de Broca」を収録(編曲:アレッサンドリーニ・レイモン/演奏:デヴィッド・ハーマンド・リコ指揮ブラティスラヴァ交響楽団)。この17分の組曲は「大盗賊」「(未公開)Chere Louise」「(未公開)悪党」「(未公開)ソフィー・マルソーの愛、革命に生きて」のメドレーとなっている。ジョルジュ・ドルリューがロスアンジェルスに移住した後に手がけたフランス映画のスコアで、そのせいか彼にしてはハリウッド的な手法のアンダースコアとなっている。このスコアは公開当時に仏WEAレーベルよりサントラLPが出ており、その後一部がコンピレーションCDに収録されていたが、マルチトラックのマスターテープが新たに発見されたことで、コンプリートスコアが初めてステレオによりCD化されたもの。音質も改善されている。
(2012年6月)

Georges Delerue

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