(未公開)事件を追え THE HOUSE ON CARROLL STREET
作曲・指揮:ジョルジュ・ドルリュー
Composed and
Conducted by GEORGES DELERUE
(仏Music Box Records / MBR-019)
1988年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売・TV放映済/TV放映時の邦題は「危険な女」)。製作・監督は「大列車強盗団」(1967)「ブリット」(1968)「ホット・ロック」(1971)「ザ・ディープ」(1977)「容疑者」(1987)「(TV)ドン・キホーテ
〜ラ・マンチャの男〜」(2000)等のピーター・イエーツ(1929〜2011)。出演はケリー・マクギリス、ジェフ・ダニエルズ、マンディ・パティンキン、ジェシカ・タンディ、ジョナサン・ホーガン、レマク・ラムゼイ、ケネス・ウェルッシュ、クリストファー・ロード、チャールズ・マッコーアン、ランドル・メル、マイケル・フラナガン、ポール・スパーラー、ブライアン・デイヴィーズ、メアリー・ディヴェニー、ビル・ムーア他。脚本は「荒野の七人」(1960)「未知への飛行」(1964)「男の闘い」(1969)等のウォルター・バーンスタイン。撮影はミヒャエル・バルハウス。「ボニーとクライド/俺たちに明日はない」(1967)等の脚本や「クレイマー、クレイマー」(1979)「殺意の香り」(1983)「ビリー・バスゲイト」(1991)等の監督で知られるロバート・ベントンが製作総指揮に参加している。第二次世界大戦終結から6年後の1951年。共産主義者としてブラックリストに載せられ雑誌社を解雇されてしまったエミリー・クレイン(マクギリス)は、ナチス・ドイツの戦犯を密かに米国に入国させようとする陰謀を偶然知り、FBI捜査官コクラン(ダニエルス)の助けを得てその計画を暴こうとするが……。脚本を手がけたウォルター・バーンスタイン自身、ブラックリストに載せられた不遇な時期があった。
音楽はジョルジュ・ドルリューが作曲。「Main
Title」は、ダークなイントロからトラジックなタッチのメインの主題へ展開するメインタイトル。「The
Cemetery」は、メインの主題を含む抑制されたサスペンス音楽。「The
Bookstore」「Elevators」は、ダイナミックなサスペンス音楽。「Emily and
Cochran」は、メランコリックで美しいドルリュー節。「Hide and Seek」「Break-In」「Salwen's
Downfall」等も、サスペンス音楽。「The Bath」「Comforting
Emily」は、ダークでメランコリックな曲。「You're
Tender」は、ピアノとストリングスによる情感豊かで美しい曲。「End
Titles」は、メランコリックで美しいエンドタイトル。最後にジェントルなピアノジャズ「21
Club」とピアノ曲「Piano
Practise」を収録。アメリカ製のロマンティック・スリラー映画だが、いかにもドルリューらしいヨーロッパ映画的な情感を持ったダークでサスペンスフルなスコア。このスコアの初CD化で1000枚限定プレス。
(2013年1月)
Georges Delerue
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