太陽の下の10万ドル CENT-MILLE DOLLARS AU SOLEIL
(未公開)LES
MORFALOUS
作曲・指揮:ジョルジュ・ドルリュー
Composed and
Conducted by GEORGES DELERUE
(仏Universal / 372 086 1)
「地下室のメロディー」(1963)「ダンケルク」(1964)「25時」(1967)「サン・セバスチャンの攻防」(1968)「シシリアン」(1969)「華麗なる大泥棒」(1971)「エスピオナージ」(1973)等のアンリ・ヴェルヌイユ(1920〜2002)が監督し、ジャン=ポール・ベルモンドが主演した2作品にジョルジュ・ドルリューが作曲したスコアをカップリングにしたCD。いずれも砂漠を舞台にしたアクション映画で、いつものドルリューのジェントルなタッチとは異なる豪快なアクション・スコアを展開。
「太陽の下の10万ドル(CENT-MILLE
DOLLARS AU SOLEIL)」は、1964年製作のフランス=イタリア合作映画(英語題名は「GREED
IN THE
SUN」)。出演はジャン=ポール・ベルモンド、リノ・ヴァンチュラ、レジナルド・ケルナン、ベルナール・ブリエ、アンドレア・パリジー、ゲルト・フレーベ、アン=マリー・コフィネ、ドゥードゥー・バベ、ピエール・ミラ、アンリ・ランベール、ピエール・コレ他。クロード・ヴェイヨーの原作『Nous
n'irons pas au
Nigeria』を基にマルセル・ジュリアン、ミシェル・オーディアールとアンリ・ヴェルヌイユが脚本を執筆。撮影はマルセル・グリニヨン。北アフリカの町ブリマ。トラック運転手のロッコ(ベルモンド)は、同僚の積荷である10万ドルの武器を横取りして逃げた。運送会社の社長はエルベ・マレック(ヴァンチュラ)に命じてロッコを追わせるが……。北アフリカの砂漠を舞台にしたアクション・コメディ。
ジョルジュ・ドルリューのスコアは、冒頭の「Cent mille dollars au
soleil」が、大らかでダイナミックなマーチ風のメインタイトルで、このメインの主題が「L'enlisement」「Dans
la poussiere des camions」「Tombee de la nuit」「Arrivee a l'oasis」「Une nuit
marocaine」と様々なバリエーションで何度も繰り返される。「Mitch-mitch」は、快活でコミカルな曲。「Quartier
arabe」は、アラビックなタッチの舞踏音楽。「L'appel du desert
(final)」は、メインの主題のリプライズによるフィナーレ。
「(未公開)LES
MORFALOUS」は、1984年製作のフランス映画。出演はジャン=ポール・ベルモンド、ジャック・ヴィルレ、ミシェル・コンスタンタン、ミシェル・クルトン、マシアス・アビシュ、フランソワ・ペロー、モーリス・オーゼル、ジェラール・ビュアー、ロベール・ロンバール、ピエール・セムレール、カロリーヌ・シオール、マリー・ラフォレ、ミシェル・ボーヌ他。ピエール・シニアックの原作を基にミシェル・オーディアール、ピエール・シニアックとアンリ・ヴェルヌイユが脚本を執筆。撮影はエドモン・セシャン。1943年のチュニジア。銀行に保管された黄金の輸送を命じられたフランス軍部隊はドイツ軍の待ち伏せに合うが、ピエール・オーガニュール軍曹(ベルモンド)の活躍により敵を撃退する。オーガニュールは仲間と組んで黄金を横取りしようと企むが……。
ドルリューのスコアは、「Les
morfalous
(generique)」が、豪快でヒロイックなマーチによるメインタイトルで、これは彼の作品中でも最も明快にヒロイックな主題の1つ。「Nocturne
apres la bataille」「Piege au
cimetiere」は、メランコリックなバンドネオンをフィーチャーした曲。「Objectif g.m.c.」「Le
mariage de l'or」は、抑制されたサスペンス音楽。「C'est
l'aventure」は、メインの主題のバリエーション。「Helene」は、ダークなイントロからサックスをフィーチャーしたジェントルなエレーヌ(ラフォレ)の主題へ。「Augagneur
fait sa cour」は、ドルリューらしい美しく繊細な主題。「Les morfalous」は、メインの主題のリプライズ。
(2013年2月)
Geroges Delerue
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