(未公開)疑惑に抱かれて UNDER SUSPICION

作曲・指揮:クリストファー・ガニング
Composed and Conducted by CHRISTOPHER GUNNING 

(独Caldera Records / C6015)


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1991年製作のイギリス=アメリカ合作映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督・脚本は「(TV)トラフィック!ザ・シリーズ」(1989)「クイック&デッド」(1995)「(TV)ラストキングダム 10番目の王国」(2000)「(TV)ダイノトピア」(2002)「(TV)スノークイーン 〜雪の女王〜」(2002)等の脚本を手がけているサイモン・ムーア(1958〜)。出演はリーアム・ニーソン、ケネス・クラナム、マギー・オニール、アラン・タルボット、マルコム・ストーリー、マーティン・グレース、ケヴィン・ムーア、スティーヴン・オックスリー、コリン・ダドリー、リチャード・グレアム、アリソン・ルッフェル、マイケル・アルマッズ、ヴィクトリア・アルクック、トニー・ヒューズ、ローラ・サン・ジャコモ他。撮影はヴァーノン・レイトン。1959年のブライトン。刑事のトニー・アーロン(ニーソン)は、同僚のフランク(クラナム)と富豪の留守宅を警備する仕事を担当中に、その富豪の妻ヘイゼル(オニール)と不貞を働いているところを見つかってしまい、解雇される。私立探偵になったトニーは、依頼人の離婚事由をでっち上げるために、今は彼の妻となったヘイゼルを架空の不倫相手に仕立て上げ、その不倫現場を偽装する仕事を引き受けるようになったが、ある仕事の最中、現場写真を撮ろうと踏み込んだホテルの部屋で対象の男性である画家とヘイゼルが射殺されているのを発見する。トニーは殺人事件の容疑者となるが、かつての同僚フランクが事件を捜査を進めるうち、画家の愛人アンジェリーヌ(ジャコモ)にも嫌疑がかかる……。

音楽はこの映画のプロデューサーであるブライアン・イーストマン「(TV)名探偵ポワロ」でも組んでいるクリストファー・ガニング(1944〜)。「Opening Title」は、ダークでサスペンスフルなオープニング。「Murder」「Murder Part 2」「Another Murder」は、不吉でダイナミックなサスペンス音楽。「Tony in Danger」は、ダークでパーカッシヴなサスペンス音楽。「Under Suspicion」は、ドラマティックでストイックなタッチの曲。「Meeting After Dark」「Growing Suspicion…」「Love - but did he do it?」「Knotty Questions」は、抑制されたサスペンス音楽。「Suspicion and Romance」は、ダークでサスペンスフルなタッチから、後半メランコリックでドラマティックな主題へ。「A Difficult Liaison」は、ダークでメランコリックな曲。「Important New Evidence」「Frank Racing to the Hanging」は、重厚でダイナミックなサスペンス音楽。「Tony and Angeline」「Tony and Angeline's Doubts」「Closing Title」は、メランコリックでドラマティックな曲。最後にボーナストラックとしてメランコリックでリズミックな「Brighton」と、クリストファー・ガニングによるオーディオ・コメンタリーを収録。このコメンタリーによると、ガニングはこのスコアの作曲に当りミシェル・ルグラン、ジョン・バリーや、ペンデレツキ等ポーランドの現代音楽作曲家の影響を受けたという。クリストファー・ガニングは本作で1991年度アイヴァー・ノヴェロ賞を受賞している。
(2016年10月)

Christopher Gunning

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