(未公開)UN SAC DE BILLES

作曲:アルマンド・アマール
Composed by ARMAND AMAR

指揮:ウーゴ・ゴンザレス=ピオリ
Conducted by HUGO GONZALEZ-PIOLI

演奏:
プラハ市フィルハーモニー管弦楽団
Performed by the City of Prague Philharmonic Orchestra

(仏Milan / 399 894-2)

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2017年製作のフランス=カナダ=チェコ合作映画(英語題名は「A BAG OF MARBLES」)。監督は「スキャナーズ2」(1990)「スキャナーズ3」(1991)「スクリーマーズ」(1996)「アート オブ ウォー」(2000)「ココ・シャネル」(2008)「(TV)シンデレラ」(2011)「(未公開)ベル&セバスチャン 新たな旅立ち」(2015)等のカナダ人クリスチャン・デュゲイ(1957〜)。出演はドリアン・ル・クレシュ、バティスト・フルーリアル、パトリック・ブリュール、エルサ・ジルベルスタイン、ベルナール・カンパン、ケヴ・アダムス、クリスチャン・クラヴィエ、セザール・ドムボイ、イリアン・ベルガラ、エミール・ベルリング、ジョスリン・デヴェルシェール、コリーヌ・ルクレール、オルジェ・デムジャン、ジョセフ・ジョフォ、モーリス・ジョフォ他。ジョセフ・ジョフォの原作を基にクリスチャン・デュゲイとブノワ・ギシャールが脚本を執筆。撮影はクリストフ・グライヨ。第二次大戦中、ナチス占領下のフランスを舞台にしたユダヤ人兄弟の実話の映画化。ヴィシーで床屋を営むユダヤ人のロマン・ジョフォ(ブリュール)と妻のアンナ(ジルベルスタイン)は、ドイツ軍の侵攻に備え、まず12歳のモーリス(フルーリアル)と10歳のジョセフ(ル・クレシュ)の息子たちを先に旅立たせ、非占領地域の南仏に住む親戚のアンリ(ドムボイ)とアルベール(ベルガラ)のもとへと向かわせる。2人の少年たちは旅の途中で何度もドイツ軍に捕らえられそうになりながらも、なんとか南仏ニースにたどり着くが……。主役の少年2人の演技が見事で、ラストは感動的。最後にパリに住むジョセフとモーリス本人の映像が紹介される。同じ原作が「小さな赤いビー玉(UN SAC DE BILLES)」(1975/監督:ジャック・ドワイヨン、出演:リシャール・コンスタンティーニ、ポール=エリック・シュルマン、音楽:フィリップ・サルド)として映画化されている。

音楽は「(未公開)ベル&セバスチャン 新たな旅立ち」でもクリスチャン・デュゲイ監督と組んでいるイスラエル出身の作曲家アルマンド・アマール(1953〜)。「Un sac de billes」は、ピアノとストリングスによるジェントルで繊細なタッチのメインタイトル。「Le départ」「Je suis juif」は、メランコリックなピアノをフィーチャーした美しい曲。「Premier voyage」「La traversée」「Il faut repartir」は、ドラマティックな曲。「Fouille du train」「Passage en zone libre」「l'excelsior」「Fouille de la milice」は、サスペンスフルでスリリングな曲。「Arrivée à Nice」は、ジェントルかつ快活な曲で、この曲はウーゴ・ゴンザレス=ピオリが作曲している。「Retrouvailles」は、美しくリリカルな曲。「Arrivée à moissons nouvelles」「Juif et résistant」「Nicht religios」「Le certificat de bapteme」「Confidences du medecin」は、メランコリックなタッチの曲。「Sortie de l'excelsior」は、ギターをフィーチャーしたメランコリックでドラマティックな曲。「Un début d'aveu」は、ジェントルかつ躍動的な曲で、この曲はアンヌ=ソフィー・ヴェルスネヤンとアルマンド・アマールが作曲。「Paris est libéré」は、荘厳で美しい曲。「Retour à Paris」は、ドラマティックで深遠なタッチ。アルマンド・アマール自身がピアノとパーカッションを演奏。
(2017年7月)

Armand Amar

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