動く標的 HARPER
作曲・指揮:ジョニー・マンデル
Composed and Conducted by JOHNNY MANDEL
(米Intrada / Intrada Special
Collection Vol.406)
1966年製作のアメリカ映画。監督は「いれずみの男」(1968)「(TV)真説フランケンシュタイン/北極に消えた怪奇人間!」(1973)「エアポート'75」(1974)「ミッドウェイ」(1976)「世界が燃えつきる日」(1977)等のジャック・スマイト(1925〜2003)。出演はポール・ニューマン、ローレン・バコール、ジュリー・ハリス、アーサー・ヒル、ジャネット・リー、パメラ・ティフィン、ロバート・ワグナー、ロバート・ウェバー、シェリー・ウィンタース、ハロルド・グールド、ロイ・ジェンソン、ストローザー・マーティン、マーティン・ウエスト、ジャクリーン・デウィット、ユージーン・イグレシアス他。アメリカのミステリ(ハードボイルド)作家ロス・マクドナルド(1915〜1983)による“私立探偵リュウ・アーチャー”シリーズの第1作『動く標的』を基に、「明日に向って撃て!」(1969)「ホット・ロック」(1971)「大統領の陰謀」(1976)「マラソン
マン」(1976)「マジック」(1978)「プリンセス・ブライド・ストーリー」(1987)「ワイルドカード」(2014)等のウィリアム・ゴールドマン(1931〜)が脚本を執筆。撮影は「暴力脱獄」(1967)「明日に向って撃て!」(1969)「マラソン
マン」(1976)「ブラック・ウィドー」(1986)「ロード・トゥ・パーディション」(2002)等のコンラッド・L・ホール(1926〜2003)。製作は「荒鷲の要塞」(1968)「八点鐘が鳴るとき」(1971)「ロング・グッドバイ」(1973)「さらば愛しき女よ」(1975)「(未公開)大いなる眠り」(1978)「北海ハイジャック」(1980)「エンゼル・ハート」(1987)等のエリオット・カストナー(1930〜2010)とジェリー・ガーシュウィン。ロス・アンジェルスの私立探偵のリュウ・ハーパー(ニューマン/原作ではリュウ・アーチャー)は、友人の弁護士アルバート・グレイヴス(ヒル)の紹介で、失踪した大富豪ラルフ・サンプスンの捜索を請け負う。ハーパーはサンプスンの周囲を調べるうちに、事件の背後で犯罪組織が暗躍していることを確信する。そんな時、サンプスン夫人のイレイン(バコール)のもとに身代金50万ドルを要求する脅迫状が届く。ハーパーはアルバートに金を用意させ、保安官とともに指定の場所に向かうが……。製作費は約350万ドルで、米国での興行収入は約1200万ドル。同じポール・ニューマン主演で1975年に「ハーパー探偵シリーズ/新・動く標的(The
Drowning Pool)」が製作されている(原作は『魔のプール』)。
音楽は「いそしぎ」(1965)「殺しの分け前/ポイント・ブランク」(1967)「M★A★S★H
マッシュ」(1970)「アガサ/愛の失踪事件」(1979)「デストラップ・死の罠」(1982)等のアメリカの作曲家ジョニー・マンデル(1925〜)。「HARPER
- Main Title」は、いかにも1960年代のタッチのダイナミックなビッグバンドジャズによるメインタイトル。「Quietly
There」は、アメリカのジャズ・シンガー、ルース・プライス(1938〜)のヴォーカルによるジェントルな主題歌(作曲:ジョニー・マンデル、作詞:モーガン・エイムズ)。「Magnus
Cum Louder」「Harper Does It Better」も、ダイナミックでカラフルなビッグバンドジャズ。「Livin'
Alone」は、アンドレ&ドリー・プレヴィンの作曲によるクールなピアノ・ジャズ(劇中ではジュリー・ハリス演じる歌手が唄った曲)。「Mexican
Breakfast」は、明るく軽快なタッチ。「Sure As You're Born」は、アメリカの歌手サム・フレッチャー(1933〜)のヴォーカルによる挿入歌(作曲:ジョニー・マンデル、作詞マリリン&アラン・バーグマン)。「Harper's
Ferry」は、クールなタッチのジャズ。「Temple of the Clouds」は、サスペンスフルなタッチの曲。「Bel
Air」は、ジェントルなジャズ。「Finale (Susan)」は、サスペンス調からメインの主題へと展開するフィナーレ(サブタイトルのスーザンは、ジャネット・リー演じる主人公ハーパーの妻)。この時代のハードボイルド・アクション犯罪映画の定石的なジャズ・ベースのスコア。
このスコアは公開当時に米MainstreamレーベルからサントラLPが出ていたが、このIntradaレーベルのCDは同じ内容の初CD化で、限定プレス。
(2018年7月)
Johnny Mandel
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