(未公開/TV)LOVE THY NEIGHBOR
(未公開/TV)SIN OF INNOCENCE
作曲・指揮:ジョルジュ・ドルリュー
Composed and Conducted by GEORGES DELERUE
(米Intrada / Intrada
Special Collection Volume 418)
フランスの作曲家ジョルジュ・ドルリュー(1925〜1992)が、1984〜86年に「(TV)新80日間世界一周」(1989)「(TV)たった一度のクリスマス/ある逃亡者との物語」(1992)等のプロデューサー、ルネ・ヴァレント製作のテレビ映画2本に作曲したスコアをカップリングにしたCD。これら作品はドルリューがハリウッドで「シルクウッド」(1983)「アグネス」(1985)「サルバドル/遥かなる日々」(1986)「ロンリー・ハート」(1986)「プラトーン」(1986)等を手がけていた頃のスコアで、いずれも初アルバム化となる貴重なリリース。
「(未公開/TV)LOVE THY NEIGHBOR」は、1984年製作のアメリカのテレビ映画。監督は「雨の中の兵隊」(1963)「北極の基地/潜航大作戦」(1968)「シャンプー」(1975)等に出演した俳優で、「スティング」(1973)「ブールバード・ナイト」(1979)等の製作や「マイ・ボディガード」(1980)「(TV)オリバー・ツイスト」(1997)「(TV)名探偵モンク2」(2003〜2005)「フライボーイズ」(2006)等の監督を手がけているトニー・ビル(1940〜)。出演はジョン・リッター、ペニー・マーシャル、キャシー・イエーツ、バート・コンヴィ、コンスタンス・マッカーシン、ロジャー・ペリー、トーマス・バード、セス・ウェイジャーマン、ルーカス・ハース、ロバート・ジェイン、ジェリー・サピラン、バーバラ・クランプトン、パター・スミス、キャロル・キャリントン、ジャニス・デイヴィス他。脚本はクリス・コンラッド。撮影はローランド・スミス。郊外に住むダニー・ローブ(リッター)の妻サリー(マッカーシン)と、隣人のリンダ・ウィルソン(マーシャル)の夫マイク(コンヴィ)が駆け落ちしてしまい、残されたダニーとリンダの2人は、互いを慰め合ううちに、徐々に親密な関係になっていく……。
ジョルジュ・ドルリューのスコアは、冒頭の「Love
Thy Neighbor Main Title」が明るく快活で美しいメインタイトル。「The Party」「Ready for
a Photograph」「Carol and Dan」は、軽快なロックによるソース曲。「Anniversary」は、ロニー・ラングのサックスをフィーチャーしたアップビートなソース曲。「Linda
and Sally」は、リリカルで美しいピアノ曲。「In the Evening」は、フルートとストリングスによるジェントルな主題から後半不吉なタッチへ。「Mike
and Linda」は、ややとぼけたタッチの主題からフルートとストリングスによるメランコリックな主題へ。「Linda and
Danny」も、フルートとストリングスによるメランコリックな主題。「The Staircase / In the
Bed」「Surprise / Basketball」は、サスペンス調から後半ジェントルなタッチへ。「In the
Car」「Jogging」は、明るく快活で美しい曲。「The Service」は、オルガンによる荘厳な曲。「Linda
No. 1」は、リリカルで美しい曲で、続く「Linda No. 2」は、同じ主題のジャズ・アレンジメント。「The
Lover」は、ギターによるメランコリックな曲。「Linda Comes Up to Danny」も、メランコリックなタッチ。「I'll
Just Move / Judy」は、静かにドラマティックなタッチから後半サスペンス調へ。「Don't Be a
Stranger」は、リリカルで美しい曲。「Love Thy Neighbor End Credits」は、メインの主題のリプライズによるエンドクレジット。
「(未公開/TV)SIN OF INNOCENCE」は、1986年製作のアメリカのテレビ映画。監督は「(未公開)アーノルド・シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス」(1970)「(未公開)湖畔殺人事件」(1988)「(TV)愛は死の香り」(1993)「(TV)クリスマスキャロル」(2004)等のアーサー・アラン・シーデルマン。出演はビル・ビクスビー、ディー・ウォーレス=ストーン、ミーガン・フォローズ、ダーモット・マローニー、ジェームズ・ノートン、ローレン・ピール、ダーレーン・ホィートリー、ジョン・モロー、ケアリー・シルヴァー、ジェリー・マクニーリー、スティーヴン・コールマン、ジェーン・バーンズ、ジョン・アーチー、サンドラ・パットン、バリー・ホーバー他。ウォルター・M・ダルトン、H・シャイアソンとジェリー・マクニーリーの原案を基にジェリー・マクニーリーが脚本を執筆。撮影はロバート・C・ジェサップ。妻と死別したデヴィッド・マッギャリー(ビクスビー)と、夫と離婚したヴィッキー(ウォーレス=ストーン)が恋に落ちて結婚する。デヴィッドの息子ティム(マローニー)は、母の死のショックから立ち直れず、受験勉強に集中できないでいた。ヴィッキーの娘ジェニー(フォローズ)は、離婚後に対人関係に苦慮する父アンディ(ノートン)の機嫌を良くしようと努めていた。互いの親が結婚したことで同じ家に住むことになったティムとジェニーは、やがて愛し合うようになるが……。
ジョルジュ・ドルリューのスコアは、冒頭の「Sin
of Innocence Main Title」がジェントルで美しいメインタイトル。「Moving into House」は、ジェントルで快活な曲。「Wake
Up No. 1」「Wake Up No. 2」「Rockin' Jenny」は、軽快なロックによるソース曲。「Big
Brother / At House」「Jenny Swims Off / Goodnight / To the Beach」「Falling in
Love」「Jenny by Candle」「To Be Proud」は、ジェントルで美しい曲。「Boat
Montage」「Jenny Smiles」は、明るく快活な曲。「Tim at Stairs」「Car Down Road」は、静かにドラマティックな曲。「The
Empty Bed」は、メランコリックな曲。「Sin of Innocence End Credits」は、メインの主題によるエンドクレジット。最後に「Tim
at Stairs (Alternate)」の代替テイクと様々なバンバー「Bumpers」を収録。
1984〜86年はドルリューが年間8〜10作品のペースでスコアを手がけていた非常にアクティヴな時期で、いずれのスコアも安定感のある出来。限定プレス。
(2018年12月)
Georges Delerue
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