(未公開/TV)LES ROIS MAUDITS
(未公開/TV)LANCELOT DU LAC

作曲・指揮:ジョルジュ・ドルリュー
Composed and Conducted by GEORGES DELERUE

(仏Music Box Records / MBR-200)

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フランスの作曲家ジョルジュ・ドルリュー(1925〜1992)が作曲したテレビシリーズ2作品のスコアをカップリングにしたCD。Music Boxレーベルがリリースしているフランスのテレビドラマ・スコアのシリーズ「Les Grandes Musiques du Petit Ècran/Great Television Soundtracks」の第5弾。いずれもフル・スコアの初リリースで、1000枚限定プレス。

「(未公開/TV)LES ROIS MAUDITS」は、1972年製作のフランスのテレビ・ミニシリーズ(英語題名は「THE ACCURSED KINGS」)。監督は「パリジェンヌ」(1961)「(TV)紅の館」(1963)「(TV)ベルフェゴールは誰だ!」(1965)等のクロード・バルマ(1918〜1992)。出演はジャン・ピア、エレーヌ・デュック、ルイ・セニエ、ジュヌヴィエーヴ・カシール、ジョルジュ・マルシャル、カトリーヌ・ルーヴェル、ジャン・デシャン、ミュリエル・バプティストゥ、ジャン=リュック・モロー、ジル・ベア、アンドレ・ルゲ、ジョルジュ・スタケ、ジャン・シュヴリエ、アン・クリー、ジャン・ドサイー他。「(未公開)大家族」(1958)「チスト みどりのおやゆび」(1990)等のモーリス・ドゥリュオンの原作を基に「大追跡」(1965)「大進撃」(1966)「大頭脳」(1969)「大乱戦」(1972)等のマルセル・ジュリアンが脚本を執筆。撮影はピエール・マレシャル。中世フランス王国のカペー朝の最後の5人の王と、続くヴァロワ朝の2人の王を描いた歴史ドラマ。フィリップ4世(マルシャル)によるテンプル騎士団の逮捕から、イングランド王国との百年戦争に至る顛末を描く10時間超の長編。

ジョルジュ・ドルリューのスコアは、冒頭の「Générique début」がバロック調の荘厳でクラシカルなタッチのメインタイトル。「Complot de Robert d'Artois」は、ファンファーレから抑制されたタッチへ。「Lormet, homme de confiance」は、ギターをフィーチャーしたメランコリックな主題。「Les frères d'Aunay」「Jugement」「Louis X le Hutin, le nouveau roi」「Chambre royale」「Remords de Mortimer」「Condamné à mort」は、ダークで重厚なタッチの曲。「Instants de bonheur」は、ドルリューらしいジェントルで美しい曲。「Le messager Guccio Baglioni」は、快活なタッチ。「Le banquier Spinello Tolomei」「Mariage secret」「Le couvent」は、静かにジェントルな曲。「Les amants de la tour de Nesle」「Noces de village」「Banquet」は、バロック調のクラシカルな曲。「Courrier du Pape」「Punition」は、抑制されたサスペンス音楽。「Douceur de vivre」は、ギターをフィーチャーしたメランコリックな主題。「Confessions」「Le pacte」「Convalescence douloureuse」も、メランコリックなタッチの曲。「Dragée empoisonnée」「Mouchoir empoisonné」「Derniers instants du Roi」「Cuisine pontificale」「La Reine Isabelle et Mortimer」「Les amants」「Mort de Robert d'Artois」は、ドラマティックな曲。「Messe solennelle」「Baptême」は、オルガンをフィーチャーした荘厳なタッチ。「Empoisonnement」は、ダークなタッチから後半サスペンス調へ。「Évasion de Mortimer」「Mahaut empoisonnée」は、不吉なサスペンス音楽。「Chasse au Roi」「Le Roi volé」「Tournoi」は、荘厳なファンファーレ。「Nouveau sacre」は、バグパイプをフィーチャーした荘厳なタッチの曲。「Le Lis et la sorcière」は、ダークなサスペンス音楽から後半ドラマティックなタッチへ。「La guerre éclate」は、ダークでダイナミックなサスペンス音楽。「Générique de fin」は、メインの主題のリプライズによるエンドタイトル。リュートやリコーダー、ヴィエール(中世フィドル)といった中世楽器や、イングリッシュ・ホルン、ツィターの演奏による、静かに抑制された真摯なタッチのスコア。

「(未公開/TV)LANCELOT DU LAC」は、1970年製作のフランスのテレビ映画(英語題名は「LANCELOT OF THE LAKE」)。監督はフランスのテレビ作品を多数手がけているクロード・サンテリ(1923〜2001)。出演はジェラール・ファルコネッティ、マリー=クリスティーヌ・バロー、アン・サン=モル、マリアニク・レヴィヨン、トニー・タファン、ロベール・ファヴァール、ジャク・ウェベール、アルレット・テファニー、ジャン・シュヴリエ、ジャン・ブーヴィエ、ポール・リジェ、ジャン=ピエール・ベルナール、パトリック・ヴェルド、ルネ・フォール、アガット・ナタンソン他。クレティアン・ドゥ・トロワの原作『ランスロまたは荷車の騎士(Lancelot, le Chevalier de la Charrette)』を基にクロード・サンテリが脚本を執筆。撮影はアンドレ・ルクーヴル。13世紀イギリスを舞台に、ヴィヴィアンヌ(サン=モル)に育てられ、円卓の騎士長となったランスロット(ファルコネッティ)が、アーサー王(タファン)の王妃グィネヴィア(バロー)と密かに愛し合う関係になるストーリーで、過去に何度も映像化されている物語。

ジョルジュ・ドルリューのスコアは、冒頭の「Générique」がコーラスをフィーチャーしたメランコリックでドラマティックなメインタイトル。「Viviane la Dame du Lac」は、荘厳なファンファーレからコーラス入りのジェントルなタッチへ。「Le pré aux arbrisseaux」「Fête de nuit」「Danse médiévale」は、バロック調のジェントルな曲。「Le château en flammes」は、ヒロイックなファンファーレに続いてサスペンス調に展開。「Me promenant sur la muraille」は、メランコリックなタッチの男声ヴォーカルによる挿入歌。「La Reine et Lancelot」「Lancelot et la Dame de Nohant」は、ジェントルかつメランコリックな曲。「La joute」は、ダイナミックなサスペンス音楽からヒロイックなファンファーレへ。「Confrontation」は、抑制されたサスペンス音楽から後半ヒロイックな主題へ。「Brandus des Îles」は、静かにメランコリックな主題から抑制されたサスペンス音楽へ。「L'écu du chevalier」は、メランコリックな主題からダイナミックなタッチへ。「La grotte」は、ヒロイックな主題から後半コーラスを織り込んだ抑制されたタッチへ。「La Table ronde」は、コーラスを織り込んだ静かにドラマティックな曲。「L'Ermitage」「Excalibur, la Flamme blanche (Final)」は、荘厳でドラマティックな曲。オーケストラにリコーダーや中世の打楽器、オンド・マルトノ(フランスの電子楽器)、ツィターを加えた演奏。
(2022年1月)

Georges Delerue

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