THE BATMAN−ザ・バットマン− THE BATMAN

作曲:マイケル・ジアッキーノ
Composed by MICHAEL GIACCHINO

指揮:ルートヴィヒ・ヴィッキ、クリフ・マスターソン、ジェフ・クリカ
Conducted by LUDWIG WICKI, CLIFF MASTERSON, JEFF KRYKA

(米Watertower Music / WTM40831)

 ★TOWER.JPで購入

   ★AMAZON.CO.JPで購入 


2022年製作のアメリカ映画。監督は「クローバーフィールド/HAKAISHA」(2008)「モールス」(2010)「猿の惑星:新世紀」(2014)「猿の惑星:聖戦記」(2017)等のマット・リーヴス(1966〜)。出演はロバート・パティンソン、ゾーイ・クラヴィッツ、ジェフリー・ライト、コリン・ファレル、ポール・ダノ、ジョン・タートゥーロ、アンディ・サーキス、ピーター・サースガード、バリー・キオガン、ジェイミー・ローソン、ギル・ペレス=アブラハム、ピーター・マクドナルド、コン・オニール、アレックス・ファーンズ、ルパート・ペンリー=ジョーンズ他。脚本はマット・リーヴスとピーター・クレイグ。撮影はグレイグ・フレイザー。両親を殺された孤独な青年ブルース・ウェイン(パティンソン)は、2年前から腐敗したゴッサム・シティで悪を一掃すべく“バットマン”として自警活動に当たっていた。権力者を狙った連続殺人事件が発生し、バットマンはゴッサム・シティ警察のジェームズ・ゴードン警部補(ライト)に協力して捜査を進めていく。犯人のリドラー(ダノ)は、犯行現場に必ず謎めいたメッセージを残し、バットマンを繰り返し挑発する。やがて政府の陰謀と、ブルースにまつわる過去の悪事や父親の罪が暴かれ、彼は追い詰められていく……。全世界興行収入は約7億6720万ドル。

音楽はマット・リーヴス監督と「クローバーフィールド/HAKAISHA」(2008)「モールス」(2010)「猿の惑星:新世紀」(2014)「猿の惑星:聖戦記」(2017)でも組んでいるマイケル・ジアッキーノ(1967〜)。このサントラCDは2枚組で全29曲/約116分を収録。1枚目の冒頭「Can't Fight City Halloween」「It's Raining Vengeance」は、ダークで重厚なタッチの曲。「Mayoral Ducting」「Moving in for the Gil」は、ボーイズコーラスを織り込んだ抑制されたサスペンス音楽。「Don't Be Voyeur with Me」「Gannika Girl」は、静かにメランコリックなタッチの曲。「Crossing the Feline」「Collar Id」「Penguin of Guilt」「World's Worst Translator」は、ダークなサスペンス音楽。「Funeral and Far Between」は、ピアノとストリングスによるドラマティックなタッチの曲。「Escaped Crusader」は、ダイナミックで重厚なサスペンスアクション音楽。「Highway to the Anger Zone」は、パーカッシヴなアクション音楽。「Riddles, Riddles Everywhere」「For All Your Pennyworth」は、ダークでドラマティックな曲。「Meow and You and Everyone We Know」は、リズミックなサスペンス音楽から後半静かにメランコリックなタッチへ。「Are You a Kenzie or a Can't-Zie?」は、ダークなサスペンス音楽から後半ダイナミックなサスペンスアクション音楽へ。

2枚目の冒頭「An Im-Purr-Fect Murder」は、ダイナミックで重厚なサスペンスアクション音楽。「The Great Pumpkin Pie」は、ダークなサスペンス音楽。「Hoarding School」「A Flood of Terrors」は、ボーイズコーラスを織り込んだサスペンス音楽。「A Bat in the Rafters, Pt. 1」は、重厚でドラマティックな曲。「A Bat in the Rafters, Pt. 2」は、ダイナミックでパワフルなアクション音楽。「The Bat's True Calling」は、ドラマティックかつメランコリックな曲。「All's Well That Ends Farewell」は、荘厳でドラマティックなバットマンの主題。続く「The Batman」でも、バットマンの主題が感動的に盛り上がる。「Catwoman」は、ジャズ・ピアノからストリングスの演奏へと展開するメランコリックなキャットウーマンの主題。「The Riddler」は、幻想的なボーイズコーラスを織り込んだダークでミステリアスなリドラーの主題で、後半ドラマティックに盛り上がる。ラストの「Sonata in Darkness」は、ピアノによるバットマンの主題。

全体に映画のトーンに合わせたダークで重厚なスコアだが、特に荘厳なバットマンの主題が秀逸(マイケル・ジアッキーノは、監督のマット・リーヴスがまだ本作の脚本を書いていた段階で、この主題を作曲したという)。追加音楽はミック・ジアッキーノとポール・アペルグレン。オーケストレーションはジェフ・クリカ。ボーイズコーラスはティフィン・ボーイズコーラス。チェロはイアン・バージ、ダブルベースはクリス・ローレンス、ピアノとチェレスタはデイヴ・ハートリー、ピアノ・ソロはグロリア・チェンの演奏。
(2022年5月)

Michael Giacchino

Soundtrack Reviewに戻る


Copyright (C) 2022  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.