(未公開)ゴースト・イン・京都 THE HOUSE WHERE EVIL DWELLS

作曲:ケン・ソーン
Composed by KEN THORNE

指揮:ケン・ソーン、リチャード・S・コーフマン
Conducted by KEN THORNE, RICHARD S. KAUFMAN

(米Dragon's Domain Records / DDR790)

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1982年製作のアメリカ=日本合作映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「恐竜の島」(1974)「地底王国」(1976)「アトランティス/7つの海底都市」(1978)「地獄のモーテル」(1980)「(TV)ミストラルの娘」(1984)「(TV)ゲームの達人」(1984)「(TV)帰ってきたシャーロック・ホームズ」(1987)「(TV)フランケンシュタイン」(2004)等のケヴィン・コナー(1937〜)。出演はエドワード・アルバート、スーザン・ジョージ、ダグ・マクルーア、エイミー・バレット、服部まこ、笹木俊志、丸山俊也、岡島艶子、ヘンリ・ミトワ、白井滋郎、森源太郎、他。ジェームズ・ハーディマンの原作を基にロバート・スホスキーが脚本を執筆。撮影はジャック・ヘイトキン。東映が製作に参加している。

1840年の京都、越畑(英語では「Kushiata」になっている)の武家屋敷。妻おたみ(服部)が自分の弟子の男(丸山)と抱き合っている現場に踏み込んだ武士(笹木)は、2人を刀で斬り捨てて、自らも切腹して果てる。それから140年ほど後の現代。日本に駐在するアメリカ人外交官のアレックス・カーティス(マクルーア)は、空港で友人である作家のテッド・フレッチャー(アルバート)とその妻ローラ(ジョージ)、娘エイミー(バレット)を出迎える。日本文化を研究するために京都に滞在することになったテッドに、アレックスは過去に惨劇のあった築200年の武家屋敷を紹介し、テッドたち家族はそこで暮らし始めるが、その屋敷にはおたみとその夫、そして愛人の男の怨霊が棲みついていた。やがて彼らの周りで怪現象が起こり始め、おたみの霊がローラに何度も憑依するようになる。テッドが仕事で外出中に、ローラはアレックスに電話して呼び出し、2人は密かに愛し合うが……。日本での撮影は東映京都撮影所が担当している。

音楽はケヴィン・コナー監督と「(未公開)Arabian Adventure」(1979)「(TV)帰ってきたシャーロック・ホームズ」(1987)「(TV)大いなる遺産)」(1991)「(未公開)ハードラック」(1993)「(未公開/TV)Return to Lonesome Dove」(1993)「(未公開/TV)リーサル・プロット/謎の暗殺命令」(1993)「(未公開/TV)Age of Treason」(1993)「(未公開/TV)Liz: The Elizabeth Taylor Story」(1995)「(TV)アポカリプス・ウォッチ/陰謀の黙示録)」(1997)「(TV)聖母マリア」(1999)「(TV)イン・ザ・ビギニング」(2000)「(未公開/TV)Santa, Jr.」(2002)「(TV)マルコ・ポーロ/東方見聞録」(2007)と多数の作品で組んでいるイギリスの作曲家ケン・ソーン(1924〜2014)。このスコアの初リリースで500枚限定プレス。

「Kyoto Prologue / Otami's Lover / Watched」は、冒頭の京都のシーンでの笛、琴をフィーチャーした和風でミステリアスなタッチのプロローグだが、ベテランのソーンらしく、欧米の作曲家が日本を表現したときにありがちな奇妙な違和感はあまりなく、和楽器の使い方も自然。「Opening Titles / Drive to, and Tour the House」は、尺八を加えたオリエンタルでアブストラクトな主題によるオープニングタイトルから、オーケストラによるジェントルでややオリエンタルなタッチの主題、フルートとピアノによるリリカルな主題へと展開する曲。「First Night / The Ghosts Appear / Ted and Laura Make Love」は、尺八、琴を加えた不吉なタッチから、ピアノとストリングスによるリリカルな主題へ。「Ted Sees Otami / Looking at the Sides / Otami Meets the Witch」は、ピアノとストリングスによる不吉な主題に琴が加わり、ダークなサスペンス音楽へ展開。「Apologizing / Face in the Soup / Ted Attacked」は、ピアノとストリングスによるリリカルな主題から、琴、太鼓が加わり不吉なサスペンス音楽、ジェントルな主題へと展開。「Otami Pulls Ted's Underwear / The Crabs Attack Amy」は、シンセサイザーによる不吉でアブストラクトなタッチの曲。「The Tengu Mask / Breaking the Mask / You Must Go」は、ダークで不吉なタッチに琴が加わり、アブストラクトなサスペンス音楽へ。「Alex and Ted Swordfight」は、パーカッシヴでアブストラクトなサスペンス音楽。「Ghosts Leave / End Credits」は、笛をフィーチャーしたオリエンタルな主題から、ピアノとストリングスによるリリカルなエンドクレジットへ。最後に「Opening Titles / Drive to, and Tour the House (Alternate)」「First Night / The Ghosts Appear / Ted and Laura Make Love (Alternate)」の代替テイクを収録。
(2024年2月)

Ken Thorne

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