パトリオット THE PATRIOT

作曲・指揮:ジョン・ウィリアムス
Composed and Conducted by JOHN WILLIAMS

演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 504)

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2000年製作のアメリカ=ドイツ合作映画。監督は「スターゲイト」(1994)「インデペンデンス・デイ」(1996)「GODZILLA」(1998)「デイ・アフター・トゥモロー」(2004)「紀元前1万年」(2008)「ホワイトハウス・ダウン」(2013)「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」(2016)「ミッドウェイ」(2019)等のローランド・エメリッヒ(1955〜)。出演はメル・ギブソン、ヒース・レジャー、ジョエリー・リチャードソン、ジェイソン・アイザックス、クリス・クーパー、チェッキー・カリョ、ルネ・オーベルジョノワ、リサ・ブレナー、トム・ウィルキンソン、ドナル・ローグ、レオン・リッピー、アダム・ボールドウィン、ジェイ・アーレン・ジョーンズ、ジョーイ・D・ヴィエイラ、グレゴリー・スミス他。脚本はロバート・ロダット。撮影はキャレブ・デシャネル。

1776年のサウス・カロライナ。新大陸の人々は独立をかけて英国軍との戦争を開始。かつては戦争のヒーローだったが、今や7人の子供の父親となったベンジャミン・マーティン(ギブソン)は、フレンチ・インディアン戦争(1754〜1763)で行った残虐行員を悔い、亡き妻の願い通り平穏な日々を送っていた。戦いを避けるためにかつての上司ハリー・バーウェル大佐(クーパー)からの参戦の要請も断ったベンジャミンは、愛国心に燃え、出兵を熱望する長男ガブリエル(レジャー)と次男トーマス(スミス)に苦い顔を見せる。しかし戦火が迫り、サディスティックなイギリス将校ウィリアム・タヴィントン大佐(アイザックス)がベンジャミンのプランテーションと家を焼き払い、トーマスを目の前で射殺したことで、彼の中で眠っていた戦士の本能が目覚め始める……。製作費は約1億1000万ドル。全世界興行収入は約2億1529万ドル。2000年度アカデミー賞の撮影賞、作曲賞、音響賞にノミネートされている。

音楽はジョン・ウィリアムス(1932〜)で、これは彼が「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」(1999)「アンジェラの灰」(1999)「A.I.」(2001)「ハリー・ポッターと賢者の石」(2001)といった様々なジャンルの映画を手がけていた頃のスコア。このスコアは、公開当時の2000年に米Hollywoodレーベルから全17曲/約72分半収録のサントラCD(Hollywood Records HWR 011244-2)が出ていたが、Intradaレーベルが2025年1月にリリースしたこの“25周年記念盤”CDは、3枚組となっており、全75曲/約221分を収録。CD1枚目と2枚目の途中までオリジナルスコアを、2枚目の後半にはエクストラトラックとソース曲を収録。3枚目にはリマスターされた2000年盤の内容を収録している。限定プレス。

CD1枚目の冒頭「The Family Farm (The Patriot Main Title)」は、ダークで重厚なイントロからジェントルで大らかな主題、ヒロイックなメインの主題へと展開するメインタイトル。「The North Star」「Addressing the Assembly」「Martin Leaves the Family」「Reading the War Map」「To Gullah Maroon」「The Wedding」は、ジェントルなタッチの曲。「To Charleston」は、明るくヒロイックなタッチの曲。「The Defeat at Charleston」「Burnt-Out House / Susan and Father」「Susan Speaks」「The Parish Church Aflame (Film Version)」「Mortally Wounded」は、静かにドラマティックな曲。「Walking Among the Fallen」は、ダークでドラマティックな曲。「Redcoats in the Cornfield」は、パーカッシヴなタッチの抑制されたサスペンス音楽。「The Death of Thomas」は、静かにドラマティックな主題から後半ダイナミックなサスペンス音楽へ。「The First Ambush」「Gabriel's Last Fight」は、ダイナミックで躍動的なサスペンスアクション音楽。「Colonel and Corporal」「Ann Recruits the Parishioners」「Martin to the Stockade」「The Parisians Return」は、メインの主題のバリエーション。「Rough Fighter Recruited」「Tavington Vs. Martin」「The Burnt-Out Church」は、抑制されたサスペンス音楽。「Villeneuve's Training」は、ダイナミックでパーカッシヴな曲。「Ann and Gabriel (Extended Version)」は、ピアノ、フルートをフィーチャーしたジェントルでリリカルなガブリエルとアン・ハワード(ブレナー)のラヴ・テーマで、後半大らかに盛り上がる。「Tavington's Ambush and Remembering the Wilderness」は、重厚でダイナミックな曲。「The Burning of the Plantation (Film Version)」は、抑制されたサスペンス調から後半ドラマティックに盛り上がる。

CD2枚目の冒頭「Death of Gabriel」は、メインの主題を織り込んだ静かにドラマティックな曲。「Martin Rejoins the Troops」「Preparing for Battle (Film Version)」「Martin Sets the Trap」は、メインの主題のバリエーション。「Tavington's Premature Charge」は、スネアドラムを加えたミリタリスティックなマーチ。「The British Counter-Attack」は、メインの主題を織り込んだミリタリスティックなアクション音楽。「Martin Vs. Tavington (Film Version)」は、ダイナミックなアクション音楽から後半ドラマティックなタッチへ。「Yorktown and the Return Home (Film Version)」は、メインの主題を織り込んだジェントルなタッチの曲。「The Patriot (End Titles)」は、マーク・オコナーのヴァイオリン・ソロによるラヴ・テーマから、マーチ調のメインの主題へと展開するエンドタイトル。この後にエクストラとして代替テイク11曲、ソース音楽を9曲収録。ジョン・ウィリアムスが、1984年のロス・アンジェルスオリンピックのために作曲した「オリンピック・ファンファーレとテーマ」等にも通ずるヒロイックな“アメリカーナ”スコア。
(2025年5月)

John Williams

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