動物たち LES ANIMAUX
作曲・指揮:モーリス・ジャール
Composed and Conducted by MAURICE JARRE
(仏Music Box Records / MBR-253)
1963年製作のフランスのドキュメンタリー映画(日本公開は1964年3月)。監督は「ワルソー・ゲットー」(1961)等のフレデリック・ロジフ(1922〜1990)。ナレーションをマルティーヌ・サルセイ、マルセル・ランソン=エルヴェ、ジャン=ピエール・マリエール、ジャン=マルク・ボリー、モーリス・エスカンド、ラモント・ジョンソン、ベセル・レスリーが担当。撮影はジョルジュ・バルスキー。フランスで初めて製作された野生動物に関するドキュメンタリーの1つとしてフレデリック・ロジフが製作・監督したテレビ番組「(未公開/TV)La
vie des animaux」(1952〜1966)の劇場版。野生の動物をとらえた30万メートル分のフィルムを、世界の創造から地上の楽園の再発見に至る9つのパートに編集したドキュメンタリー。
音楽はフレデリック・ロジフ監督と「ワルソー・ゲットー」(1961)「(未公開)Mourir
à Madrid」(1963)でも組んでいるモーリス・ジャール(1924〜2009)。このスコアは、公開当時の1965年にイタリアのPhilipsレーベルから全6曲入りのEPアルバム(Philips
Medium 434.822 BE)が出ていたが、Music
Boxレーベルが2025年2月にリリースしたこのCDは、全28曲/約49分半を収録したエクスパンデッド版で、500枚限定プレス。
「Les Animaux (Générique début)」は、ダイナミックなティンパニのイントロから、ハープシコード、アコーディオンをフィーチャーしたジャールらしい大らかでジェントルなワルツ調のメイン主題へと展開するメインタイトル。「La
naissance des êtres vivants」「La grande évolution」「Les hiboux」は、抑制されたタッチのサスペンス音楽。「Les
premiers vertébrés」「Le rhynchite」「La fourmi parasol」「Les plantes carnivores」「Les
deux bouquetins」「Les félins」は、不吉なサスペンス音楽。「Les reptiles」は、パーカッシヴでダイナミックなタッチの曲。「Ballet
des éphémères」は、ストリングスによるスリリングなタッチからメインの主題へ。「L'araignée」は、ハモンドオルガンによる不吉なタッチの曲。「La
larve de fourmilion」「Les aigles」は、ドラマティックで躍動的な曲。「Le scarabée」は、不吉なサスペンス調から後半パーカッシヴで躍動的なタッチへ。「Les
cigognes」は、ピアノをフィーチャーしたジェントルなタッチの曲。「Le faucon affamé」は、ヴァイオリン・ソロを織り込んだビジーでスリリングなタッチの曲。「Les
chevaux」は、ピアノをフィーチャーしたややミステリアスかつジェントルなタッチからメインの主題へ。「Les animaux
se guettent」は、幻想的でミステリアスなタッチからハープシコードによるメインの主題へ。「La chasse」は、パーカッシヴなサスペンス音楽。「Les
flamants roses」は、幻想的でミステリアスなタッチからメインの主題へ。「Pavane des flamants
roses」は、オンドマルトノをフィーチャーしたジェントルなワルツ調の曲。「L'éclosion」は、ジェントルで快活なタッチの曲。「La
fête」は、大らかで躍動的なタッチからメインの主題へ。「Surf des loutres」「Surf des loutres
(version alternative)」は、ライトなロック曲。「Le paradis terrestre」は、ジェントルな主題から後半快活なタッチのマーチへ。モーリス・ジャールがドキュメンタリーを題材に実験音楽的なスコアを展開。オーケストラにハモンドオルガン、ハープ、チェレスタ、ベル、エレクトリック・ベース・ギター等を加えた編成による演奏。
(2025年6月)
Maurice Jarre
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