三銃士 THE THREE MUSKETEERS
作曲・指揮:マイケル・ケイメン
Composed and Conducted by MICHAEL KAMEN
演奏:グレーター・ロス・アンジェルス・オールスター・オーケストラ
Performed by the Greater Los Angeles All Star Orchestra
(米Intrada /
Intrada Special Collection Volume 519)
1993年製作のアメリカ=イギリス=オーストリア合作映画(日本公開は1994年3月)。監督は「ビルとテッドの大冒険」(1989)「飛べないアヒル」(1992)「陽のあたる教室」(1995)「101」(1996)「ロック・スター」(2001)等のスティーヴン・ヘレク(1958〜)。出演はチャーリー・シーン、キーファー・サザーランド、クリス・オドネル、オリヴァー・プラット、ティム・カリー、レベッカ・デモーネイ、ガブリエル・アンウォー、マイケル・ウィンコット、ポール・マッギャン、ジュリー・デルピー、ヒュー・オコナー、クリストファー・アダムソン、フィリップ・タン、アーウィン・レダー、アクセル・アンセルム他。『モンテ・クリスト伯(Le
Comte de Monte-Cristo)』(1845)『王妃マルゴ(La Reine Margot)』(1845)等のフランスの小説家アレクサンドル・デュマ(1802〜1870)の原作『三銃士(Les
Trois Mousquetaires)』(1844)を基にデヴィッド・ラフリーが脚本を執筆。撮影はディーン・セムラー。
17世紀、向こう見ずな若き冒険家ダルタニアン(オドネル)は、国王に仕える近衛銃士隊に入ろうとパリに向かったが、銃士隊はリシュリュー枢機卿(カリー)によって公式に解散させられており、思慮深いアトス(サザーランド)、雄弁なアラミス(シーン)、快活なポルトス(プラット)の3人だけになっていた。城内では、狡猾な枢機卿とロッシュフォール伯爵(ウィンコット)が、若き国王ルイ13世(オコナー)とアン王妃(アンウォー)の失脚を企んでいた。ダルタニアンは三銃士と意気投合し、不穏な陰謀を阻止することを誓う。枢機卿は国王失脚の重要な材料となる条約締結のため、使者として美しき悪女ミラディ・ド・ウィンター(デモーネイ)を派遣するが……。製作費は約3000万ドル。全世界興行収入は約5390万ドル。
アレクサンドル・デュマの有名な原作は、「三銃士(THE
THREE MUSKETEERS)」(1921/監督:フレッド・ニブロ、出演:ダグラス・フェアバンクス、マーガレット・ド・ラ・モット)、「三銃士(THE
THREE MUSKETEERS)」(1948/監督:ジョージ・シドニー、出演:ジーン・ケリー、ラナ・ターナー、ヴィンセント・プライス、アンジェラ・ランズベリー)、「三銃士(THE
THREE MUSKETEERS)」(1973/監督:リチャード・レスター、出演:オリヴァー・リード、リチャード・チェンバレン、フランク・フィンレイ、マイケル・ヨーク)、「ヤング・ブラッド(THE
MUSKETEER)」(2001/監督:ピーター・ハイアムズ、出演:ジャスティン・チェンバース、カトリーヌ・ドヌーヴ、ティム・ロス)、「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船(THE
THREE MUSKETEERS)」(2011/監督:ポール・W・S・アンダーソン、出演:ローガン・ラーマン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、クリストフ・ヴァルツ、マッツ・ミケルセン)等、これまでに何度も映画化されている。
音楽は「デッドゾーン」(1983)「リーサル・ウェポン」(1987)「ダイ・ハード」(1988)「ロビン・フッド」(1991)「陽のあたる教室」(1995)等のマイケル・ケイメン(1948〜2003)。このスコアは公開当時の1993年に米Hollywoodレーベルから全10曲/約42分収録のサントラCD(Hollywood
Records
HR-61581-2)が出ていたが、Intradaレーベルが2025年5月にリリースしたこの2枚組のCDは、全48曲/約147分収録のエクスパンデッド盤で、限定プレス。CD1枚目と2枚目の前半にコンプリートスコア、2枚目後半にエクストラ・トラックと1993年盤のリマスターされた内容を収録。
CD1枚目の冒頭「The Cavern of Cardinal Richelieu (Film Version)」は、重厚なイントロからコーラスを加えた荘厳でドラマティックな主題、後半ダイナミックなアクション音楽へ展開。「My
Sister's Honor」は、大らかなタッチからヒロイックなメインの主題へ。「D'Artagnan (Intended
Film Version)」は、躍動的でヒロイックなメインの主題。「Musketeers Disbanded」は、ダークでドラマティックなタッチの曲。「Enter
the Cardinal」「D'Artagnan Discovered / Now We'll Never Know」「Into the
Sunset」「Athos and Milady」は、抑制されたタッチのサスペンス音楽。「Windmill」「Musketeers
Ride」「Ship Fight」は、躍動的でヒロイックな曲。「D'Artagnan Meets Constance」は、メインの主題から後半躍動的でドラマティックなタッチへ。「God's
Often Busy」は、ピアノをフィーチャーしたジェントルな主題から後半ヒロイックなタッチへ。「Palace Gate /
For Me and for France」「Last Rites」「Cardinal and Milady」「Rumors」「Milady in Jail」は、静かにドラマティックなタッチの曲。「Chandelier」「The
Dungeon」は、ダイナミックなサスペンス音楽。「D'Artagnan Meets the Musketeers / The
Ruins Fight」は、宮廷音楽風の主題を含む躍動的でヒロイックな曲。「Beheading」「Affairs of
State / Athos Cornered」は、ダークなサスペンス音楽。「Carriage Chase」は、明るく躍動的でヒロイックなアクション音楽。「Athos's
Story」「Talk of Love」は、ジェントルなタッチの曲。「Cannonballs (Film Version)」は、メインの主題を含むヒロイックでダイナミックなタッチの曲。「D'Artagnan
and Milady」は、静かにドラマティックなタッチから後半ダイナミックなサスペンス音楽へ。
CD2枚目の冒頭「Musketeer
Montage / Spotting the Gun」は、メインの主題からドラマティックなタッチへ。「Brass
Fanfare」は、荘厳なタッチのファンファーレ。「Race to the Gun / Courtyard
Battle」「The Musketeers Search for the King」「Porthos and Ugly / D'Artagnan
Defeats Rochefort」は、ダイナミックなアクション音楽。「Saving the King / Throne
Room Battle」は、抑制されたサスペンス調から後半コーラスを織り込んだダイナミックなアクション音楽へ。「The
Fourth Musketeer (Choir Version)」は、ヒロイックで躍動的なメインの主題により締めくくる。この後、エクストラとして代替テイク「My
Sister's Honor (Alternate)」「D'Artagnan* (Alternate)」とソース曲「Tavern
Source」を収録。映画の背景となるバロック期の楽器であるハープシコード、リコーダー、クルムホルン等を織り込んだオーケストラによる演奏。
リマスターされた1993年盤サントラの内容には、エンドクレジットで流れる、ブライアン・アダムス、ロッド・ステュアート、スティングの3人のベテランアーティストたちのヴォーカルによる主題歌「オール・フォー・ラヴ(All
For Love, performed by Bryan Adams, Rod Stewart and Sting)」も収録。
(2025年10月)
Michael Kamen
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