トータル・フィアーズ THE SUM OF ALL FEARS

作曲・指揮:ジェリー・ゴールドスミス
Composed and Conducted by JERRY GOLDSMITH

演奏:ハリウッド・スタジオ交響楽団
Performed by the Hollywood Studio Symphony

(米La-La Land Records / LLLCD1672)

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2002年製作のアメリカ=カナダ=ドイツ合作映画。監督は「フィールド・オブ・ドリームス」(1989)「スニーカーズ」(1992)「(TV)バンド・オブ・ブラザース」(2001)「余命90分の男」(2014)「(TV)グッド・ワイフ」(2015〜2016)等のフィル・アルデン・ロビンソン(1950〜)。出演はベン・アフレック、モーガン・フリーマン、ジェームズ・クロムウェル、リーヴ・シュレイバー、マイケル・バーン、キアラン・ハインズ、アラン・ベイツ、フィリップ・ベイカー・ホール、ブルース・マッギル、ジェイミー・ハロルド、ブリジット・モイナハン、ジョン・ビーズリー、ジョセフ・ソマー、ジョエル・ビソネット、プラグナ・デサイ、ロン・リフキン、ナビル・エルーアハビ他。「(TV)オプ・センター」(1995)「(TV)ネットフォース」(1999)等のトム・クランシー(1947〜2013)の原作『恐怖の総和』を基にポール・アタナシオとダニエル・パインが脚本を執筆。撮影はジョン・リンドレー。

トム・クランシー原作の“CIA情報分析官ジャック・ライアン”シリーズの第4弾。ロシアの大統領が急死し、アメリカ政府にとって無名同然のネメロフ(ハインズ)が新大統領になった。どんな人物なのか模索する中、唯一彼が次期大統領であると進言していたCIAアナリストのジャック・ライアン(アフレック)は、CIAのウィリアム・キャボット長官(フリーマン)の助手としてロシアへ飛ぶ。その後キャボットたちはロシアの核工場を視察するが、そこで研究者の3人が行方不明であることを知り、調査の結果アメリカに核爆弾が持ち込まれていることを突き止める。しかし時は既に遅く、全米最大のイベントであるスーパーボウルが開催中のボルチモアのスタジアムでそれが爆発。一瞬にして何十万の命が奪われてしまう。アメリカ史上最悪の想像を絶する大惨事に政府は最高レベルの緊急警戒態勢に突入。しかし今度は米空母がロシア戦闘機によって攻撃を受け、事態を掌握できないアメリカ政府はロシアへ向けた核攻撃のカウントダウンを始めてしまう……。製作費は約6800万ドル。全世界興行収入は約1億9392万ドル。

トム・クランシー原作の“ジャック・ライアン”シリーズは、アレック・ボールドウィン主演の「レッド・オクトーバーを追え!」(1990)、ハリソン・フォード主演の「パトリオット・ゲーム」(1992)「今そこにある危機」(1994)、クリス・パイン主演の「エージェント:ライアン」(2014)、ジョン・クラシンスキー主演の「(TV)トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン」(2018〜2023)が映像化されている。

音楽はジェリー・ゴールドスミス(1930〜2004)。このスコアは、公開当時の2002年に米Elektraレーベルから全16曲/約49分半収録のサントラCD(Elektra 62786-2)が出ており、その後、2014年に米La-La Landレーベルから全25曲/約77分半収録のエクスパンデッド盤CD(La-La Land Records LLLCD 1295)が出ていたが、同じLa-La Landレーベルが2025年7月にリリースした全50曲/約126収録のこのCDは2枚組となっており、1枚目にスコア(29曲)と追加音楽(5曲)、2枚目にリマスターされた2002年盤CDの内容を収録。3000枚限定ぷれす。

CD1枚目の冒頭「The Mission (Includes “If We Could Remember”)」は、ソプラノ歌手シャナ・ブレイク・ヒルのラテン語のヴォーカルによる荘厳な主題歌『If We Could Remember』(作曲:ジェリー・ゴールドスミス、作詞:ポール・ウィリアムス)から、ダークで重厚なたち、コーラスを加えた荘厳でドラマティックな主題、ダイナミックでサスペンスフルなタッチへと展開。「Do It! / I'll Go」は、シンセサイザーを加えたダークでサスペンスフルなタッチの曲。「The Bomb」は、コーラスを加えたダークで不吉なタッチの曲。「14 Months」「Further Aggression」「Maximum Readiness / Get a Doctor」は、荘厳なタッチのブラスを加えたダークで重厚なサスペンス音楽。「The Deal」「Nice Going」「The Docks」「Deserted Lab」「Changes」「State of War」「Cabot Is Dead」「His Name Is Olson」「Snap Count」は、抑制されたサスペンス音楽。「Thanks a Lot」は、ロシア風のストイックなマーチ調の曲。「That Went Well (Film Version)」は、コーラスと荘厳なブラスを加えた重厚なサスペンス音楽。「The Shipment / Moscow Time」は、抑制されたタッチから、ダークで重厚なサスペンス音楽へ。「Mrs. Spassky / The Lab」は、荘厳なブラスを加えた静かにドラマティックなタッチから抑制されたサスペンス音楽へ。「The Reservoir / Night Landing」「Real Time」は、ダークで重厚なサスペンス音楽。「Shoot Him」は、不吉なタッチのサスペンス音楽。「Clear the Stadium (Film Version)」「Supplies」は、ゴールドスミスの個性が強く出たダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Not the Russians / Man Your Aircraft」は、荘厳なブラスを加えた重厚でダイナミックなタッチから後半ストイックでドラマティックなマーチ調の主題へ。「To the Docks」は、抑制さたタッチからダイナミックなサスペンスアクション音楽へ。「How Close?」は、ヒロイックな主題から重厚なサスペンス音楽、静かにドラマティックな主題へ。「The Same Air (Extended Version)」は、荘厳でドラマティックなメインの主題。「If We Could Remember」は、ギターのイントロからアメリカのゴスペルシンガー、ヨランダ・アダムス(1961〜)のドラマティックな英語のヴォーカルによる主題歌で締めくくる。
最後に追加音楽としてシンセサイザーによるデモ等5曲を収録。オーケストレーションはマーク・マッケンジー。合唱の指揮はポール・サラムノヴィッチ
(2025年12月)

Jerry Goldsmith

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