(未公開)QUESTA SPECIE D'AMORE
作曲・指揮:エンニオ・モリコーネ
Composed and Conducted by ENNIO MORRICONE
(スペインQuartet Records / QR596)
1972年製作のイタリア映画(英語題名は「THIS KIND OF LOVE」)。監督・原作・脚本は「怪談生娘吸血魔」(1960)「(未公開)ブラック・サバス/恐怖!三つの顔」(1963)」「(未公開)バンパイアの惑星」(1965)等の脚本や「ラ・カリファ」(1970)等の監督を手がけているアルベルト・ベヴィラクア(1934〜2013)。出演はウーゴ・トニャッツィ、ジーン・セバーグ、エワ・オーリン、アンジェロ・インファンティ、エヴィ・マルタリアティ、マリサ・ベリ、アンナ・オルソ、ジャンフランコ・ロルフィ、アンドレア・サルヴィーニ、ビアンカ・カスタネッタ、サラ・シモーニ、エツィオ・マラーノ、フェルナンド・チェルリ、ジウリオ・ドンニーニ、フェルナンド・レイ他。撮影はロベルト・ジェラルディ。
フェデリコ・フェラーリ(トニャッツィ)は40歳。パルマの質素な家庭に生まれ、現在はローマで富裕層の妻ジョヴァンナ(セバーグ)の父親が所有する豪奢なヴィラに、寄生するような形で暮らしている。結婚5年目を迎えた夫婦関係は危機に陥っており、気まぐれで虚栄心の強いジョヴァンナは、フェデリコの生き方をなじり、絶えず彼を侮辱するのだった。さらに彼女はヴィラに出入りする男たちの1人、ベルナルド(インファンティ)と不倫関係にあった。フェデリコの居心地の悪さは、彼の父親ジュゼッペ(トニャッツィ、二役)の訪問によってさらに強まった。父の存在は、彼にパルマで過ごした子ども時代の記憶を呼び起こす――ファシズムの時代、父は体制に対する断固たる反対者であった。フェデリコは父を義父(レイ)の家に連れて行き、常連客たちの好奇の目にさらすことになる。やがてフェデリコは、幼少期を過ごしたパルマの質素な環境へ戻る決意をする……。
音楽は「ラ・カリファ」(1970)等でもアルベルト・ベヴィラクア監督と組んでいるエンニオ・モリコーネ(1928〜2020)。「Questa
Specie d'Amore」は、ピアノ、ストリングスによるしっとりと美しいメインタイトル。「ラ・カリファ」の主題と並び、モリコーネが作曲した数多くの美しい主題の中でもベストの領域に入る名曲で、この主題は「Giovanna
e Federico」「Questa Specie d'Amore (#2)」「Giovanna e Federico (#2)」「Questa Specie
d'Amore (#3)」「Questa Specie d'Amore (#4)」でも繰り返される。「Federico e
la Sua Solitudine」「Federico e la Sua Solitudine (#2)」は、ピアノ、クラリネット、ストリングスによる美しくドラマティックな第二主題。「Roma
Baldracca」「Roma Baldracca (#2)」は、バロック調の躍動的で美しい曲。「La Terra del
Padre」「La Terra del Padre (#2)」「La Terra del Padre (#4)」は、しっとりと美しいタッチの曲。「Al
Popolo di Parma」は、躍動的で美しく荘厳なタッチの曲。「La Madre」は、ピアノ、ストリングス、フルートをフィーチャーした繊細で美しい曲。「Ouverture
del Mattino」は、ジェントルで快活なタッチの曲。「La Terra del Padre (#3)」は、全編を通して唯一サスペンス調の曲。
このスコアは1972年にイタリアのGeneral Musicレーベルから全9曲/約32分収録のサントラLP(General Music ZSLGE
55077)が出ており、その後1994年にイタリアのGDMレーベルがモリコーネ作曲の「MADDALENA」とカップリングにしたCD(GDM Music
2001)を、2000年にイタリアのScreen Traxレーベルが全16曲/約41分収録のCD(Screen Trax CDST
328)を、2007年に日本のVerita Noteレーベルが全17曲/約46分のコンプリートスコア収録のCD(Verita Note
VQCD-10046)を出しているが、2025年8月にQuartetレーベルがリリースしたこのCDは、Verita
NoteレーベルのCDと同内容で、全編がレストア/リマスターされている。500枚限定プレス。
(2026年2月)
Ennio Morricone
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