花咲ける騎士道

Fanfan la tulipe


■ストーリー:

王たちは気晴らしのため“団体競技(スポーツ)”をはじめた。18世紀真っ只中。時は乱世。ヨーロッパの名だたる国王たちは名声と余興のために、持て余す権力や富を惜しみなく投じていた。
フランスのルイ15世もまた“スポーツ観戦”を楽しんでいた。フランス革命の足音が刻一刻と近づく中で・・。

ファンファンもまた楽しんでいた。勿論“スポーツ”のことは気にせず、甘い言葉を振りまきながら、美女たちのハートに火を灯しては、相手が求婚してきた途端、自らの恋心を吹き消し、軽やかに走り去っていく。

ある昼下がり。覚えたての恋にときめく娘と一緒に、金色に輝く稲穂の中で愛し合っているところを、娘を探しにきた父親に見つかり、強制結婚を言い渡される。強靭な男たちに羽交い絞めにされ、連れ去られるファンファン。自由奔放な者にとって、結婚は“苦役”以外の何ものでもなかった。

 

窮地に追い込まれたファンファンの前に、黒い瞳をもつアドリーヌが現れた。彼女は、彼の手相に目をやり、つぶやく。「貴方は王女と結ばれる運命にある」 ハッとするファンファン。「このチャンスは逃せない!」とばかりに、逃げ出した。そして、広場で募兵をしていた士官の元へすべり込む。入隊と同時に、“苦役”からまんまと逃れたのだ。

思わぬ恋の予言。叶うその瞬間まで待ちきれないファンファン。しかしアドリーヌの本当の正体は募兵官の娘で、占いは単に入隊させるための口実。彼女は“戯れの占い師”。自分がまんまと騙せたことを悟った時、新兵を乗せた馬車は戦いの最前線を目指し、険しい山道をひた走っていた。

 

 

やがて峠に差し掛かった頃、絹を裂くような女性の声があたりに響く。ほんの一瞬、誰もが動きを止めた。ただ事ではない・・。声の主の危機を感じた瞬間、一気に突き進むファンファン。そこには賊に襲われた女性たちが逃げ惑い、怯えていた。彼は、なにも躊躇せず飛び込み、まるで舞うかのような見事な剣さばきで、次から次へと賊を切り倒していく。

たった一人で華麗な救出劇を演じたファンファンは、救い出した女性たちの中に、優雅で高貴なユリの紋章をあしらったドレスを纏う絶世の美女、アンリエット王女を見つける。その横では、王室の実権を握るポンパドゥール夫人が妖艶な眼差しを向けている。時間が止まり、鼓動は高鳴る。偽りだった予言が自分の未来と絡み始める。“この王女こそが、やはり我が妻なのか” あまりの運命の出会いに、期待で胸が高鳴るファンファン。

 

その様子を伺う黒い仮面の男。その顔が不敵な笑みを浮かべていた。
ある陰謀が動き出す。ポンパドゥール夫人、王の娘アンリエット、王の命を狙う謎のスパイ、さらわれるアドリーヌ・・・。ついには時の王ルイ15世が起こす騒乱に巻き込まれるファンファン。
果たして彼の運命は? 嘘の予言は本当? 王女は未来の妻?
恋が成就する瞬間のファンファーレは、いつ鳴り響くのか?

      


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