銀のエンゼル

Angel in the Box


■ストーリー:

明け方−−− 北の大地の国道をひた走る一台の配送トラック。運転しているのは、配送係の六木こと“ロッキー”。周囲の家並みは、あるところでは眠りに就こうと、また、あるところでは目を覚まそうとしていた。トラックが到着したのは、国道沿いのとあるコンビニエンスストア。ロッキーを迎えたのは、店長の北島佐和子だった。ロッキーは、手際よく搬入作業を進めていく。

 

朝−−− 町の人々に頼まれて、そのコンビニを始めたオーナーの北島昇一は、妻の佐和子に店を任せて、今日もまた朝寝坊。気ままな毎日を送っていた。昇一の寝起きのだらしない姿に呆れながらも、学校へ向かう娘の由希。昇一は店をさぼり、友人の杉山登の経営するガソリンスタンドの屋上で、お茶を飲みながらとりとめない話に興じている。

昼−−− バナナを温めてくれ、と頼む不思議なお客がコンビニに来店する。不審に思いながらも客の要求に従う店員・木下。一方、佐和子は由希の高校の進学相談へ向おうと、車を発進させた途端、あろうことか霊柩車と衝突し、入院するはめに。その頃、由希はひとりで面談を受けていた。面談が終わり、出てくると、外には同級生の中川親子が順番を待っていた。母親の中川昭子は、しきりと由希が東京の大学へ進学することを褒めてくる。由希は盗み聞きされていたことを知り、同級生の武をなじった。病院では、突然の妻の入院で、コンビニの人手が見つからず、途方に暮れている昇一の姿があった。結局、佐和子の怪我は全治三ヶ月かかることがわかり、昇一がその代わりを勤めることになったのだが・・。

    

夕方−−− 学校から帰宅した由希は、佐和子が入院したことを聞かされた。母親の入院のことを教えてくれなかった昇一を非難する由希。

夜−−− 佐和子の病院に駆け付ける由希。一方、夜のコンビニは昇一にとって未知の世界だった。様々な人々が訪れては去っていく。頼りになるがどこか空気の違う店員・佐藤耕輔と共に店番をする昇一。その目の前には携帯電話でやかましく電話をしている女がいる。やがて、コンビニの灯りを頼りにダンスの練習に励む高校生・中川武たちがやってくる。
そして、あのロッキーも・・。ロッキーは由希に恋しているのだが、全く相手にされない。一方、毎晩チョコボールを一箱買って帰る明美の姿も。明美は、由希が幼い頃の面倒を見てくれた近所の女の子だった。昇一には思いがけない再会だったが、すっかり大人の女性になった明美の姿に昇一は狼狽するばかり。だが、その明美の口から、由希が東京の美大への進学を志望しているという噂を初めて耳にし、昇一は愕然とする・・・。

    


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