ジョニー・キーティング
  Johnny Keating

Date of Birth: 1927/9/10
Place of Birth: Edinburgh, Scotland, UK
Mini Biography:
Keating's career as a composer, conductor, arranger and educator started in the big band era as a trombone player and arranger for Ted Heath. His friend Shani Wallis was living and working in America as a singer and she called him and asked if he would come and conduct for her. Around the same time one of his records found its way into the hands of director Richard Quine and he jumped on him to write the score for "Hotel". He found working inside the Hollywood studio system to be "heaven", citing organization as a top priority for Warner Bros. He discovered that every American jazz player he had idolized, and whose records he had worn thin, was available to perform on the score. He returned to the UK to score his second film "Robbery" (1967, also for Warner Bros.), but not before re-recording the "Hotel" soundtrack album for Warner Bros. Records, with whom he signed as a recording artist. He subsequently scored the 1972 spy thriller "Innocent Bystanders" but otherwise returned to records and performing in the 1970s. He is the founder and principal of the Johnny Keating School of Music in Edinburgh, and in recent years has written a large-scale academic reference book on songwriting.

 


ホテル HOTEL

作曲・指揮:ジョニー・キーティング
Composed and Conducted by JOHNNY KEATING

(米Film Score Monthly / Vol.10 No.12)

cover
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1967年製作のアメリカ映画。監督は「媚薬」(1958)「スージー・ウォンの世界」(1960)「逢う時はいつも他人」(1960)「パリで一緒に」(1963)「(TV)刑事コロンボ/ロンドンの傘」(1972)「(TV)刑事コロンボ/偶像のレクイエム」(1972)「(TV)刑事コロンボ/意識の下の映像」(1973)等のリチャード・クワイン。出演はロッド・テイラー、カトリーヌ・スパーク、カール・マルデン、メルヴィン・ダグラス、マール・オベロン、リチャード・コンテ、マイケル・レニー、ケヴィン・マッカーシー、カーメン・マックレー、アルフレッド・ライダー、ロイ・ロバーツ、アル・チェッコ、シーラ・ブロムリー他。「大空港」(1970)「(TV)マネー・チェンジャース/銀行王国」(1976)「(TV)自動車」(1978)「(TV)ストロング・メディスン」(1986)等のアーサー・ヘイリーの原作を基に「翼よ!あれが巴里の灯だ」(1957)「眼下の敵」(1957)「追撃機」(1958)「野望の系列」(1961)「脱走特急」(1965)「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)「狼よさらば」(1974)等のウェンデル・メイズが脚本を執筆。撮影はチャールズ・ラング。ニューオリンズの伝統的な名門ホテルの経営を建て直すべく雇われた支配人ピート・マクダーモット(テイラー)、彼と対立するオーナーのウォーレン・トレント(ダグラス)、そしてホテルに集う様々な人々のエピソードを描いた“グランドホテル形式”のドラマ。同じ原作が後に「(TV)アーサー・ヘイリーのホテル」(1983)としてTV映画化された。

音楽はスコットランド出身のジャズ・ミュージシャン、ジョニー・キーティングが手がけており、ジャズ・バンドと小規模のオーケストラの組み合わせによるメロディックなスコアを提供している。「Theme From Hotel (Main Title)」は、ややメランコリックなタッチのメインの主題。「Airport」は、明るく躍動的な曲。「Love Theme」は、ピートとジャンヌ(スパーク)のロマンスを描写した、気だるいタッチのラヴ・テーマ。「Key Case」は、刑事映画のようなハードボイルドなタッチのジャズ。「This Year」は、この映画にクリスティーン役で出演もしているジャズ歌手カーメン・マックレーによるラヴ・テーマのヴォーカル版。「Bourbon Street」は、ビッグ・バンド・ジャズ。「Hotel Lobby」は、明るく快活なタッチのジャズ。「Duke and Duchess」は、メインの主題のマイナーなバリエーション。「Hotel (Carmen McRae)」は、メインの主題のカーメン・マックレーによるヴォーカル版。「Elevator」は、故障したエレベーターに閉じ込められたホテル客たちを救出しようとするシーンのサスペンス音楽。「Jeanne and Pete」は、ロマンティックな曲。「End Title」は、ビッグ・バンド・ジャズからメイン・テーマのリプライズへと展開するエンド・タイトル。このレコーディングは、作曲家のジョニー・キーティングがアルバム用に再録音したもので、当時米Warner Bros.レーベルよりLPがリリースされていた。この米Film Score MonthlyレーベルのCDは、同じ素材を新たにリミックスしてCD化したもので、同じく1960年代にWarner Bros.レーベルよりLPが出ていたイギリスの作曲家スタンリー・マイヤーズによる「カレードマン大胆不敵(Kaleidoscope)」(1966)のスコアとのカップリングになっている。

ジョニー・キーティングは、ハリウッドでこの「ホテル」の再録音を手がけた後、イギリスに戻ってピーター・イエーツ監督/スタンリー・ベイカー、ジョアンナ・プティット、ジェームズ・ブース出演の犯罪アクション映画「大列車強盗団(Robbery)」(1967)のスコアを担当。こちらは一転してハードボイルドなタッチのジャズだった(サントラLPが英Londonレーベルよりリリースされていた)。その後、ピーター・コリンソン監督/スタンリー・ベイカー、ジェラルディン・チャップリン、ダナ・アンドリュース出演のスパイ映画「国際殺人局K/ナンバーのない男(Innocent Bystanders)」(1972)のスコアを担当しているが、映画音楽を仕事はこの3作品のみで、その後はジャズの演奏とレコーディングを手がける他、出身地のエジンバラに音楽学校「Johnny Keating School of Music」を設立したり、作曲に関する学術本を出版したりしている。
(2007年10月)

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