ロマーノ・ムスマッラ
  Romano Musumarra

Date of Birth: 1956/7/21
Place of Birth: Rome, Italy

 


流血の絆 LE GRAND PARDON II (DAY OF ATONEMENT)

作曲:ロマーノ・ムスマッラ
Composed by ROMANO MUSUMARRA

指揮:ハリー・ラビノウィッツ
Conducted by HARRY RABINOWITZ

(仏EMI / 7811922) 1992

1992年製作のフランス=アメリカ合作映画。製作・監督はアレクサンドル・アルカディ。出演はロジェ・アナン、リシャール・ベリ、ジェラール・ダルモン、クリストファー・ウォーケン、ジェニファー・ビールス、ジル・クレイバーグ、アンナ・バーガー、ラウル・ダヴィラ他。脚本はダニエル・サンタモン、マルク・アンジェロと監督のアルカディ、撮影はウィリー・クランが担当。マイアミを舞台に、麻薬カルテルとフランスの犯罪組織との抗争を描いたバイオレンス・アクション。

ロマーノ・ムスマッラの音楽は、重厚なオーケストラによりじっくりと聴かせる正統派ドラマティック・アンダースコア。冒頭の「Le grand pardon」は、文芸作品の音楽のように荘厳で情感豊かなシンフォニーで、とても犯罪アクション映画の幕開けとは思えない。続く「Little Havana」は、冒頭と終盤に重厚でダイナミックな盛り上がりをみせる約15分に及ぶサスペンス音楽。「Alton Road」では激しいアクション・スコアを展開する。この作曲家はラブストーリー等の流麗な音楽を得意としており、この作品のような犯罪ドラマは珍しいが、ここでも「Viviane」等では繊細で美しいスコアを提供している。このサントラアルバムは全体で1時間を超す長編だが、既製の挿入歌が3曲含まれている。尚、同じアレクサンドル・アルカディ監督による前作「(未公開)流血の絆/野望篇 (Le grand pardon)」(1981)の音楽はセルジュ・フランクリンが担当しており、こちらのスコアも抜群に良かった。

= 2023年12月追加 =

2023年11月にフランスのMusic Boxレーベルがセルジュ・フランクリン作曲の「(未公開)流血の絆/野望篇(LE GRAND PARDON)」と、ロマーノ・ムスマッラ作曲の「流血の絆(LE GRAND PARDON II)」をカップリングにした2枚組、全36曲/約123分収録のCDをリリース(Music Box Records MBR-228)。350枚限定プレス。

いずれのスコアもリマスターされており、CD1枚目収録の「(未公開)流血の絆/野望篇」は、2011年に同じMusic Boxレーベルがリリースしたエクスパンデッド盤CDの内容にイラン・ザウーイ作曲の挿入歌2曲を追加したもの。CD2枚目収録の「流血の絆」は、1992年リリースのEMIレーベルによるサントラCDの内容にソース音楽2曲を追加したもの。

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ロマーノ・ムスマッラ
「悲しみのヴァイオリン(La femme de ma vie)」(1986)という映画の主題歌に書いた「哀しみのアダージョ(T'em va pas)」が、日本でジーンズのCMに流用されたことから、この曲のみよく知られているが、その他にも「わが美しき愛と哀しみ(Mon bel amour, ma dechirure)」(1987)「フェイスレス(Faceless)」(1987)「恋の病い(Maladie d'amour)」(1987)「風の中のリセエンヌ(Les nouveaux tricheurs)」(1987)「(未公開)Jaune revolver」(1988)「(未公開)Blanc de Chine」(1988)「(未公開)L'enfance de l'art」(1988)「ボワ・ノワール/魅惑の館(Les bois noirs)」(1989)「(未公開)Jean Galmot, aventurier」(1990)「(未公開/TV)Lola et quelques autres」(1991)「流血の絆(Le Grand Pardon II, aka Day of Atonement)」(1992)「(未公開)Delit mineur」(1994)「(未公開)L'ours en peluche」(1994)「(未公開)L'eleve」(1996)「(未公開)Abbiamo solo fatto l'amore」(1998)等のスコアを手がけているフランスのベテラン。非常に洗練された美しいスコアを書く作曲家で、個人的にはフランシス・ジロー監督の「(未公開)L'enfance de l'art」という映画に提供した音楽が今のところ彼のベストだと思うが、これはジョルジュ・ドルリューやフィリップ・サルドの傑作に匹敵する情感豊かでドラマティックなスコアだった。

サントラCDとしては、「悲しみのヴァイオリン」(King Record / KICP406)、「L'enfance de l'art」(仏Ariola / 259362)、「Jean Galmot, aventurier」(仏CBS / 467622 2)「Delit mineur」(仏GM / 74321194242)といったアルバムが出ている他、主要な作品を集めた以下のコンピレーションCDがある。

「CINE MUSIC STORY / Romano Musumarra」(仏Ariola / 353 313)
・恋の病い
・悲しみのヴァイオリン
・フェイスレス
・風の中のリセエンヌ
・わが美しき愛と哀しみ
・L'enfance de l'art
・Blanc de Chine
・Jaune revolver
・Les uns et les autres (TV)

(2000年5月)
(2011年10月)

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