Date of Birth: 1960/2/18
Place of Birth: Ghent, Belgium
Mini Biography:
Brosse studied trumpet and double bass at the Royal Music Conservatory of Ghent and counterpoint and fugue at the Royal Conservatory of Brussels. As a trumpet player, he was selected for the European Union Youth Orchestra and the Jeunesses Musicales World Orchestra. This enabled him to start his professional career under conductors such as Yehudi Menuhin, Hiroyuki Iwaki, Antonio Ros-Marba, Walter Weller and others. As a conductor he studied with Lucas Vis and Anton Kersjes in Maastricht (the Netherlands) and specialized in Vienna under Professor Julius Kalmar. He graduated at the Musikhochschule in Cologne under Professor Volker Wangenheim and in 1990 he made it to the final 8 of Iwaki's International Master Class of the Dutch Television (NOS) in Hilversum. On the occasion of the World-Expo '92 in Seville, he composed, in collaboration with Gabriel Garcia Marquez, the symphonic poem, "La Soledad de America Latina". In 1996, he wrote the celebration-overture "Principals", commissioned by the National Orchestra of Belgium and the musical "Sacco and Vanzetti" for the Royal Ballet of Flanders. In 1994 and 1995, he received the title of "Cultural Ambassador of Flanders".
Official website of Dirk Brosse: http://www.dirkbrosse.be/
作曲・指揮:ディルク・ブロッセ
Composed and Conducted by DIRK BROSSE
演奏:新ベルギー室内管弦楽団
Performed by the New Belgian Chamber Orchestra
(ベルギーINDISC / dicd 3803) 1992
1992年製作のベルギー=フランス=オランダ合作映画。監督はスティジン・コニンクス。出演はヤン・デクレール、ジェラール・ドサルト、アンジェ・ド・ボエック、マイケル・パス、ヨハン・レイゼン、ヤッペ・クレース、イドウィッグ・ステファン、カレル・ベーテンズ、ブリット・アレン、ヴィム・ミューヴィッセン、ブレンダ・バーティン他。ルイス・ポール・ブーンの小説「Pieter Daens」を基にフランソワ・シェヴァリエと監督のコニンクスが脚本を執筆。撮影はウォルター・ヴァン・デン・エンデ。19世紀、フランダース地方の繊維工業の町アールストを舞台に、中流階級の権力者たちに虐待され、過酷な労働を強いられている貧民労働者たちを救うために立ち上がった神父アドルフ・デーンズの闘いを描く実話に基づくドラマ。この映画は1993年度アカデミー賞の最優秀外国映画賞にノミネートされている。
音楽を担当したベルギー出身の作曲家ディルク・ブロッセは、映画音楽の他に交響曲やオペラ、室内楽等を手がけているベテラン。ここでも非常にドラマティックで内容の濃いアンダースコアを提供している。冒頭の「Nini」はオーケストラによる重めのイントロからピアノによる美しい主題へと展開する。続く「Daens Main Theme」はピアノソロによるトラジックなタッチのメインテーマ。この美しく力強い主題は「Despair」「Another Death Child」でも登場し、最後の「Generique Daens」ではフルオーケストラによりエモーショナルに演奏される。「Hopeful Words」は牧歌的でジェントルなタッチ。「March for Justice」はストイックなマーチ。「Hymne of Praise (part 1)」は荘厳で優雅な曲で、スコア全体の中でも特に感動的な曲。この主題は「Unanswered Prayer」で女声のソロを交え、そして「Hymne of Praise (part 2)」ではコーラスと共に格調高く演奏されるが、この女声バージョンはモリコーネのベストスコアに匹敵する雰囲気を持った印象的な曲。「Daens Elected」は明るく快活なマーチ。「Nette's Theme」「Nette's True Love Theme」は美しく繊細なラブテーマ。全体として、映画の内容にふさわしい重厚かつパワフルなスコアである。
ディルク・ブロッセは1999年、2000年、2002年の東京国際音楽祭におけるスーパーワールドオーケストラの指揮者として日本に招聘されている。
(2001年8月)
(2002年12月)
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作曲・指揮:ディルク・ブロッセ
Composed and Conducted by
DIRK BROSSE
演奏:ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団
Performed by members of
the Brussels Philharmonic
(独Varese Sarabande/Colosseum / VSD-7170)
★TOWER.JPで購入2012年製作のイギリスのテレビ・シリーズ(全5話/日本では2013年4月にWOWOWで放送済)。監督は「(TV)ブリーク・ハウス」(2005)「(TV)ジェイン・エア」(2006)「(TV)ジェネレーション・キル
兵士たちのイラク戦争」(2008)「ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ」(2010)等のスザンナ・ホワイト。出演はベネディクト・カンバーバッチ、レベッカ・ホール、ロジャー・アラム、アデレード・クレメンス、ルパート・エヴェレット、ミランダ・リチャードソン、サーシャ・ワッデル、ジャネット・マクティアー、クレア・ヒギンズ、トム・マイソン、スティーヴン・グレアム、マルコム・シンクレア、アン=マリー・ダフ、ネッド・デネヒー、ルーファス・シーウェル他。フォード・マドックス・フォード(1873〜1939)の原作を基に「未来世紀ブラジル」(1985)「太陽の帝国」(1987)「ロシア・ハウス」(1990)「ビリー・バスゲイト」(1991)「恋におちたシェイクスピア」(1998)「エニグマ」(2001)等のトム・ストッパードが脚本を執筆。撮影はマイク・エリー。第一次大戦中のイギリスを舞台に、戦闘の後遺症で部分的な記憶喪失に悩まされる裕福な役人クリストファー・タイジャンズ(カンバーバッチ)の、妻シルヴィア(ホール)との愛のない結婚生活と、愛人ヴァレンティーン(クレメンス)との関係を描くドラマ。
音楽はベルギーのゲント出身の作曲家ディルク・ブロッセ(1960〜)が担当。「Parade's End Main
Title」は、繊細かつドラマティックでややメランコリックなメインの主題。「New Year's
Eve」「Christopher & Sylvia」「Sylvia」「Young
Valentine」は、ピアノとストリングスによるメランコリックなタッチの曲。「Sylvia's
Mischief」「Duchemin Smells
Brimstone」は、快活で少しおどけたタッチの曲。「Suffragettes
Attack」は、明るく繊細で躍動的な曲。「Mrs. Wannop」「Macmaster and Mrs.
Duchemin」は、快活でジェントルな曲。「Reverend Duchemin」「Lost in the Fog」「The
Funeral」「Michael's Future」は、ややメランコリックなタッチの曲。「Impending
War」「Christopher Is Ruined」「The Battle」は、静かにドラマティックな曲。「Potty's
Waltz」は、ややおどけたタッチのワルツ。「There Was a
Lady」は、荘厳なトランペット・ソロによるジェントルな曲。「Christopher
Reflects」「Reunited」も、明るくジェントルなタッチ。「Parade's End
Waltz」は、繊細でやや影のあるワルツ。「Song for
Peace」は、エミリー・デ・ヴォートのソプラノをフィーチャーしたドラマティックな曲。独特の暗さと繊細さを持った上質でクラシカルなオーケストラル・スコア。
ディルク・ブロッセが手がけた作品には
「(未公開)Marc &
Nathalie」(1986)
「(未公開)Springen」(1986)
「(未公開)Het geheim dat bloed
zag」(1987)
「(未公開)Het mysterie van het
lam」(1987)
「(未公開)Boerenpsalm」(1989)
「(未公開)Bacob Saving
Bank」(1990)
「(未公開)Koko
Flanel」(1990)
「(未公開)Daens」(1992)
「(未公開)Oost-Vlaanderen, een schat van een
provincie」(1993)
「(未公開)Als het leven een nieuwe wending
neemt」(1993)
「(未公開)Marie」(1993)
「(未公開)When the Light
Comes」(1998)
「(未公開)Mijn eerste
Sjeekspier」(2000)
「(未公開)Romance」(2004)
「(未公開/TV)De
kavijaks」(2005)
「(未公開)Knetter」(2005)
「(未公開)Brod
ludaka」(2006)
「(未公開)Selected Shorts #6: The Best Flemish Shorts of
2006」(2007)
「(未公開/V)Musical
daens」(2008)
「(未公開)Samaritan」(2008)
「(TV)パレーズ・エンド(Parade's
End)」(2012)
「(未公開)Brosse」(2013)
「(未公開)The Lovers」(2015)
「(未公開)A War of
Their
Own」(2016)
等がある。
またエリオット・ゴールデンタール作曲の「ファイナルファンタジー(FINAL
FANTASY: THE SPIRITS
WITHIN)」のスコアの指揮等も担当している。
サントラ盤はベルギーから「Daens」(ベルギーINDISC
/ dicd 3803)、「Boerenpsalm」(ベルギーINDISC、LPのみ)、「Koko Flanel」(ベルギーAriola /
260.467)、「Marie」(ベルギーINDISC /
2100038)等がリリースされており、いずれも非常にドラマティックで美しいスコア。
(2012年11月)
(2015年10月)
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