Date of Birth:
Place of Birth: Ellenville, New York, USA
Mini Biography:
Miller received a degree in composition from Boston's Berklee College of Music where he studied piano with Madame Chaloff. During that time he orchestrated and conducted music for several theater companies. His desire to compose music for film led him to Florida where he was offered local film and television work. Shortly thereafter, graduate studies led him to the University of Southern California in Los Angeles. He won Best Film Score honors at the Hong Kong and Taiwan Film Awards for his work on The Soong Sisters (co-written with Kitaro). He has written arrangements for country stars Trisha Yearwood and Vince Gill, hip-hop artist Michael Franti and dance-electronica performer BT.
Official website of Randy Miller: http://www.randymiller.com/
作曲・指揮：ランディ・ミラー
Composed and Conducted by RANDY MILLER
（Promotioanl）
1999年製作のアメリカ映画だが、現地でも殆ど劇場公開されなかった作品。こういう主役級のスターが出ていないオールドファッションな冒険活劇というのは、いかに作品が良くできていても非常に売りにくいものである。監督・脚本はジョン・R・チェリー三世。出演はティム・カリー、セス・アドキンズ、チャールズ・ネピアー、ディー・ウォーレス＝ストーン、バート・ファウシュ、ロナルド・フランス、ウォーリック・グリアー、ショーン・ヒッグス、スコット・ゴンザレス、ダニー・コーフ、ジェローン・クラネンバーグ、ターティアス・マインティス、ジョナサン・パイナー、ジェフリー・ピラーズ、リック・ロジャース、ビリー・セコンド、モーリーン・タイソン他。撮影はジェームズ・ロッブ。昔の海賊が現代にタイムスリップしてきてアメリカの農園に住む空想好きの少年とともに宝捜しをする、というファンタジー冒険もの。
音楽はアメリカの若手作曲家ランディ・ミラーが担当しているが、スケールの大きい豪快なスワッシュバックリング・スコアで、これが正規盤で出ていないというのは何とももったいない。「Sneak Up」は重厚なオーケストラによるアンダースコアで始まり、中盤からマーチ調の主題が登場し、後半はアクション音楽へと展開する。「Windstorm」も勇壮なマーチによる主題。「X Marks the Spot」「The Bank Villain」は少しコミカルなタッチ。「Mom and Bobby」は素朴でジェントルな音楽。「Picture of Dad」はしみじみと美しい主題。「It's a Noreaster」「Captain Jack」「Sword Play」等はダイナミックでパワフルなアクションスコア。エンディングの「Back in Nebraska」も壮大で力強い。全体に極めてカラフルなオーケストラル・スコアで、ベテランの風格さえ感じさせる。
ランディ・ミラーが担当したその他の作品には「（未公開）デビル・バウンド／悪魔の受胎（Witchery）」(1988)「（未公開）Doctor Hackenstein」(1988)「（未公開）The Boy From Hell」(1988)「（TV）魔性の血族（Black Magic Woman）」(1990)「（未公開）ナイトメアン／子供たちの百物語（The Willies）」(1990)「ニューマン（And You Thought Your Parents Were Weird）」(1991)「（未公開）メタルウィング（Into the Sun）」(1992)「（未公開）ヘルレイザー３（Hellraiser III: Hell on Earth）」(1992)「（TV）偽装殺人（A Case for Murder）」(1993)「（未公開）Indecent Behavior」(1993)「（未公開）Dreamrider」(1993)「（未公開/TV）M.A.N.T.I.S.」(1994)「ダークマン２（Darkman II: The Return of Durant）」(1994)「（未公開/TV）The Outer Limits」(1995)「（未公開）スペース・マリーンズ（Space Marines）」(1996)「（TV）クライム・タイム（The Right to Remain Silent）」(1996)「（TV）ダークマン３（Darkman III: Die Darkman Die）」(1996)「宋家の三姉妹（宋家皇朝／The Soong Sisters）」(1997)「（未公開）ストーカー／狂気の罠（Living in Peril）」(1997)「（未公開）Byzantine: The Betrayal」(1997)「（未公開）Ground Control」(1998)「（TV）ラスト・リミッツ 栄光なきアスリート（Without Limits）」(1998)「（未公開）Family Tree」(1999)「（未公開）Amargosa」(2000)「（未公開）Go Tigers!」(2001)「（未公開）Prancer Returns」(2001)「（未公開/TV）Hitched」(2001)等がある。また、ミラーはロバート・フォーク作曲の「トレマーズ」「トイ・ソルジャー」等や、デヴィッド・ニューマン作曲の「アイ・ラブ・トラブル」「ホッファ」「MR.デスティニー」等のオーケストレーションも担当している。
彼は実力の割にはあまりサントラ盤のリリースに恵まれていない作曲家で、この「PIRATES OF THE PLAIN」のCDも彼自身のプロモーション用にプレスされたものである。過去に何枚か正規盤がリリースされているが、中でも「ニューマン」（米Bay Cities / BCD 3020）はコメディ・タッチのオーケストラル・スコア（ゴールドスミス風）、「ヘルレイザー３」（米GNP Crescendo / GNPD 8033）はロシアのモスフィルム・ステート交響楽団の演奏によるパワフルで重厚なホラー音楽で面白かった。また、1994年に以下の作品を集めたプロモーションCDがリリースされているが、この中ではスケールの大きいドラマティック・スコアの「Dreamrider」と、ダイナミックなアクション・スコア「メタルウィング」が良い。
「MUSIC FOR FILMS: RANDY MILLER」
Composed and Conducted by RANDY MILLER
Dreamrider (6)
And You Thought Your Parents Were Weird (3) ニューマン
Into the Sun (1) （未公開）メタルウィング
Black Magic Woman (1) 魔性の血族
Extreme (1)
The Willies (1) （未公開）ナイトメアン／子供たちの百物語
（2001年10月）
作曲・指揮：ランディ・ミラー
Composed and Conducted by RANDY MILLER
演奏：スロヴァク放送交響楽団
Performed by Slovak Radio Symphony Orchestra
（米Intrada / ISE1004）
2004年製作のアメリカのTV映画（日本ではDVDがリリース済）。監督はルーマニア出身で「バラの刻印」(1981)「チキンハート・ブルース」(1989)「ザ・ブレイク」(1996)「（TV）アンネ・フランク」(2001)「（TV）RFK／もうひとりのケネディ」(2002)「（TV）ルーディー ジュリアーニNY市長9月11日真実の物語」(2003)等のロバート・ドーンヘルム。出演はゴラン・ヴィシュニック、アラン・ベイツ、アンガス・マクファーデン、ローナ・ミトラ、イアン・マクニース、ジェームズ・フレイン、ヘンリー・シモンズ、ロス・ケンプ、ベン・クロス、ポール・キンマン、ポーツ・テルファー、クリス・ジャーマン、ジョージナ・ライランス、ステュアート・バンス、フリスト・シャポフ他。ハワード・ファーストの原作『Spartacus』を基にロバート・シェンカンが脚本を執筆。撮影はキース・ヴァン・オーストラム。ローマ皇帝の専制に立ち向かった奴隷剣闘士たちの自由への戦いを描くスペクタクル史劇で、同じ原作を1960年にスタンリー・キューブリック監督がカーク・ダグラス、ローレンス・オリヴィエ、チャールズ・ロートン他の出演により映画化している。
音楽はランディ・ミラーが作曲。シンフォニー・オーケストラに一部民族楽器やペルシャ語によるヴォーカルを加えた、エモーショナルでパワフルなスコアを展開している。「Rome
Intro」は、静かにストイックなイントロからダイナミックでバーバリックなフレーズへと展開。「Second Thought」は、パンフルートをフィーチャーした躍動的なタッチ。「Varinia」は、ジェントルでリリカルなヴァリニア（ミトラ）とスパルタカス（ヴィシュニック）のラヴテーマ。「Revolt」は、重厚なスペクタクル音楽で、ダイナミックかつヒロイック。「Choosing
Fighters」は、女声をフィーチャーした静かな主題から後半はドラマティックに盛り上がる。「Draba」「Plunder」「Maximus
Battle」等はパワフルでヒロイックなアクション・スコア。「Crixxus Goodbye」「Crassus Battle」でのドラマティックなタッチも良い。「All
the Rest」は、女声とオーケストラによるジェントルな主題で締めくくる。このCDのライナーノーツに書かれたランディ・ミラーのコメントによると、2004年1月に作曲の依頼を受けた際に、彼の母親は白血病を患っており、「Crassus
Battle」でスパルタカスが死ぬシーンのストリングスとヴォーカルによる主題を作曲した時の思いが、差し迫った母親の死と結びつき、忘れることができないという。スコアを3月中旬に完成したミラーは、急遽母親のもとへと飛び、傍らでその最期を看取った。このIntradaレーベルによる限定盤CDは、彼の母親（プロの歌手だった）に捧げられている。
（2005年7月）
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