アンドレ・プレヴィン
 André Previn

Date of Birth: 1929/4/6
Place of Birth: Berlin, Germany
Date of Death: 2019/2/28
Mini Biography:
André George Previn (Andreas Ludwig Priwin) was born in Berlin and moved to Paris where he briefly studied music before his family decided to relocate to Los Angeles, California, where, as a teenager, he began his musical career arranging and composing scores for MGM Studios. He also worked professionally as a jazz pianist and recorded his first jazz record at the age of 16. As a conductor, in the past 25 years, he has held the chief artistic posts with such orchestras as the Los Angeles Philharmonic Orchestra (1985-89); Pittsburgh Symphony Orchestra (1976-84); Royal Philharmonic Orchestra (Music Director: 1985-88; Principal Conductor: 1988-91); London Symphony Orchestra (Music Director: 1969-79; Conductor Laureate: since 1993); and Houston Symphony Orchestra (1967-70), and has toured with all of them worldwide. In the 2002-03 season, he will begin a 4-year term as Music Director of the Oslo Philharmonic. In 1996, he was awarded a Knighthood (KBE) by Her Majesty Queen Elizabeth II.

 

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黙示録の四騎士   THE FOUR HORSEMAN OF THE APOCALYPSE

作曲・指揮:アンドレ・プレヴィン
Composed and Conducted by ANDRE PREVIN

演奏:MGMスタジオ管弦楽団
Performed by the M-G-M Studio Orchestra

(米Rhino / RHM2 7764)

1961年製作のアメリカ映画。監督は「ボヴァリー夫人」(1949)「巴里のアメリカ人」(1951)「炎の人ゴッホ」(1956)「恋の手ほどき」(1958)等のヴィンセント・ミネリ。出演はグレン・フォード、イングリッド・チューリン、シャルル・ボワイエ、リー・J・コッブ、イヴェット・ミミュー、カール・ベーム、ポール・ヘンリード、ポール・ルーカス他。ヴィセンテ・ブラスコ・イバニェスのベストセラー小説を基にロバート・アードリーが脚本を執筆。撮影はミルトン・クラスナー。戦争中に敵味方に分かれて闘うことになった家族の悲劇を描くイバニェスの原作は、1921年にもルドルフ・ヴァレンティノ主演で映画化されているが、ここでは物語の舞台を第一次大戦から第二次大戦に変更してリメイクされている。第二次大戦中のパリ。アルゼンチンの大地主の孫が妹の遺志を継いでレジスタンスに身を投じるが、彼の前にドイツ軍将校になった従兄が現われる・・。ヒロインを演じるスウェーデン女優イングリッド・チューリンは英語が苦手だったため、彼女の声はアンジェラ・ランズベリーによって吹替えられたという。名匠ヴィンセント・ミネリによる精緻な演出により映画は3時間6分の大作となったが、スタジオ側が公開時にこれを2時間32分にまで切りつめたため、結果としてミネリが意図したものとは異なる作品となり、興行的にも失敗に終わった。

音楽は、過去に「恋のてほどき」等のミュージカル映画でもミネリ監督と組んでいるサー・アンドレ・プレヴィンがアンダースコアを作曲しているが、これは彼自身がハリウッドでのキャリアにおいて最も誇りに思えるスコアだという。オーケストラによる極めてシリアスでオーソドックスなアンダースコアで、ミュージカルやジャズで有名なプレヴィンとしては珍しいタッチの作品。「Overture (Entr'acte)」は実際には映画で使われなかった間奏曲だが、サスペンスフルでダイナミックなイントロからヴァイオリン・ソロをフィーチャーしたロマンティックな主題へと続く。「Main Title」はトラジックなタッチの重厚なオーケストラによるメインタイトル。「I'm Neutral」「Quai d'Orleans」等での優雅でロマンティックな音楽や、「A Toast / The Old One」「The Key」「Occupation」「Germans in Paris」等でのドラマティックなタッチが印象的。このスコアには公開当時にサントラLPが出ていたが、今回RhinoレーベルからリリースされたCDは40分以上の未発表曲を含む完全盤で、全33曲/約77分が収録されている。

アンドレ・プレヴィンは映画音楽、ジャズ、クラシックの作曲家として知られる他、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団、ピッツバーグ交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ヒューストン交響楽団、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団といった著名なオーケストラの指揮者としても有名な音楽家である。

アンドレ・プレヴィンが手がけたその他の映画音楽には、「山荘物語」(1948)「幌馬車隊」(1950)「土曜は貴方に」(1950)「印度の放浪児」(1950)「キス・ミー・ケイト」(1953)「日本人の勲章」(1955)「いつも上天気」(1955)「必殺の一弾」(1956)「バラの肌着」(1957)「0(ゼロ)番号の家」(1957)「絹の靴下」(1957)「ゴーストタウンの決斗」(1958)「恋の手ほどき」(1958)「ポギーとベス」(1959)「それはキッスで始った」(1959)「奥様ごめんなさい」(1959)「ペペ」(1960)「地下街の住人」(1960)「凡ては夜に始まる」(1960)「エルマー・ガントリー/魅せられた男」(1960)「ワン・ツー・スリー/ラブハント作戦」(1961)「夜への長い旅路」(1962)「すれちがいの街角」(1962)「あなただけ今晩は」(1963)「マイ・フェア・レディ」(1964)「ねえ!キスしてよ」(1964)「誰が私を殺したか?」(1964)「さよならチャーリー」(1964)「サンセット物語」(1965)「モダン・ミリー」(1966)「スインガー」(1966)「恋人よ帰れ!わが胸に」(1966)「ペンチャー・ワゴン」(1969)「恋人たちの曲/悲愴」(1970)「ジーザス・クライスト・スーパースター」(1973)「ローラーボール」(1975)等がある。

プレヴィンは、「土曜は貴方に」「キス・ミー・ケイト」「いつも上天気」「恋の手ほどき」「ポギーとベス」「(未公開)BELLS ARE RINGING」「ジーザス・クライスト・スーパースター」でアカデミー賞のミュージカル映画音楽賞、「あなただけ今晩は」「モダン・ミリー」「マイ・フェア・レディ」で同・音楽(編曲賞) 、「ペペ」「(未公開)すれちがいの街角」で同・歌曲賞、「エルマー・ガントリー/魅せられた男」で同・劇/喜劇映画音楽賞にノミネートされ、この内、「恋の手ほどき」「ポギーとベス」「あなただけ今晩は」「マイ・フェア・レディ」で4回受賞している。
(2002年4月)

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