デヴィッド・ラクシン
 David Raksin

Date of Birth: 1912/8/4
Place of Birth: Philadelphia, Pennsylvania, USA
Date of Death: 2004/8/9
Mini Biography:
Originally a pianist, Raksin was later instructed in woodwinds and led his own dance band at age 12. He taught himself orchestration while still in high school and put himself through the University of Pennsylvania by playing in society orchestras and jazz bands. Upon graduation he went to New York where he became the arranger for a notable radio orchestra, whose pianist, Oscar Levant, alerted George Gershwin to a broadcast of David's remarkable arrangement of "I've Got Rhythm." In 1935 he went to Hollywood to join Charlie Chaplin, and when they had finished the score of "Modern Times", he and Eddie Powell orchestrated it. The following year he served as assistant to Leopold Stokowski, who premiered his brief Montage with the Philadelphia Orchestra. Many of his songs have been recorded; there are more than 400 versions of "Laura". Elected to the ASCAP Board in 1995, he was appointed by the Librarian of Congress to the National Film Preservation Board; he also served for eight terms as President of the Composers and Lyricists Guild and is on the Board of the Society of Composers and Lyricists and that of the Film Music Society. He has taught Composition for Films since 1956 at USC, where he is an Adjunct Professor; for 21 years he also taught in the USC School of Public Administration.

 


ローラ殺人事件   LAURA

作曲:デヴィッド・ラクシン
Composed by DAVID RAKSIN

指揮:アルフレッド・ニューマン
Conducted by ALFRED NEWMAN

(米Fox / 07822-11006-2) 1993

1944年製作のアメリカ映画(日本での初公開は1947年7月)。製作・監督は「帰らざる河」(1954)「黄金の腕」(1955)「栄光への脱出」(1960)「野望の系列」(1961)等のオットー・プレミンジャー。出演はジーン・ティアニー、ダナ・アンドリュース、ヴィンセント・プライス、クリフトン・ウェッブ、ジュディス・アンダーソン、ドロシー・アダムス、テリー・アダムス、レイン・チャンドラー、ドロシー・クリスティ、ケイ・コナーズ、ジョン・デクスター、ラルフ・ダン、ネスター・エリストフ、ジーン・フェンウィック、クライド・フィルモア、ジェームズ・フラヴィン、ウィリアム・フォレスト他。「三人の妻への手紙」(1949)等のヴェラ・キャスパリーの原作を基に、サム・ホッフェンスタイン、ジェイ・ドラットラーとベティ・ラインハートが脚本を執筆。撮影はジョセフ・ラシェル。有名な女性デザイナー、ローラ・ハント(ティアニー)射殺事件の裏に隠された陰謀を捜査する刑事(アンドリュース)を主人公にしたミステリ。ホラー映画でのマッドサイエンティスト役等で有名なヴィンセント・プライスが、ここではヒロインのフィアンセ役を普通に(?)演じている。監督は当初ルーベン・マムーリアンが担当していたが、プロデューサーだったプレミンジャーは、マムーリアンが撮ったフッテージ(撮影監督はルシアン・バラード)をNGにして別の撮影監督をアサインし、一から全て撮り直したという。この映画は、1944年度アカデミー賞の監督賞、脚色賞、助演男優賞(クリフトン・ウェッブ)、室内装置賞にノミネートされ、撮影賞(白黒)を受賞した。

音楽はデヴィッド・ラクシンが担当しているが、140本を超える彼の映画音楽作品中でもこの「ローラ殺人事件」の主題曲「Laura」は特に有名であり、後にジョニー・マーサーによって歌詞がつけられたこの曲には400種類以上のカヴァー演奏があるという。ジョージ・ガーシュウィンやデューク・エリントンの既製曲をメインテーマに使おうとしていた監督のプレミンジャーにラクシンは反対し、オリジナルの主題曲を週末の2日間で作曲してくると約束したが、日曜日の夜になっても曲が頭に思い浮かばなかった。彼は無意識にポケットに入っていた手紙を取り出して読みはじめたが、それはニューヨークで仕事をしている妻からの手紙で、そこには遠回しな表現で「私たちの結婚生活は終わりにしましょう」と書いてあったという。この現実に強烈なショックを受けたラクシンは、その瞬間にこの曲を思い付いた。彼自身にとっても忘れられない曲に違いない。

このCDにはアルフレッド・ニューマン作曲の20世紀フォックスのファンファーレに続いて、27分16秒の組曲「The Laura Suite: Theme and Variations」が収録されている(1944年9月にフォックスのスコアリング・ステージで録音されたもの)。組曲の全体を通して「Laura」のロマンティックでミステリアスな主題が様々なアレンジにより何度も顔を出す。単なるラブテーマではなく、フィルムノワール的な陰りがあるところが絶妙。ジェントルでリリカルなワルツによる第二主題も美しい。中盤にはサスペンス・タッチのアンダースコアも展開。このスコアは当初エミール・ニューマンが指揮を担当することになっており、彼の名前は「音楽監督」としてクレジットされているが、実際にオーケストラを指揮したのはエミールの兄のアルフレッド・ニューマンである。尚、このFox RecordのCDはバーナード・ハーマン作曲の「ジェーン・エア」のスコアとのカップリングになっている。

デヴィッド・ラクシンが手がけたその他の作品には、「民衆の為に」(1937)「ホノルル航空隊」(1937)「大高原」(1937)「札つき女」(1937)「モダン・タイムス」(1938/編曲)「スタンレー探検記」(1939)「嘆きの白薔薇」(1941)「虹を掴む男」(1947)「哀しみの恋」(1947)「永遠のアムバア」(1947)「苦い報酬」(1948)「猛獣と令嬢」(1950)「ミズーリ横断」(1951)「黄昏」(1951)「パットとマイク」(1952)「悪人と美女」(1952)「三人の狙撃者」(1954)「アパッチ」(1954)「暴力団」(1955)「去り行く男」(1955)「世界の七不思議」(1956)「激情の女」(1956)「黒の報酬」(1956)「葡萄の季節」(1957)「旅路」(1958)「暗黒の大統領カポネ」(1959)「警部物語」(1960)「(TV)ベン・ケーシー」(1961〜1966)「明日になれば他人」(1962)「底抜けいいカモ」(1964)「ガンファイトへの招待」(1964)「テキサスの五人の仲間」(1965)「シルビア」(1965)「アカプルコの出来事」(1965)「ウィル・ペニー」(1967)「ヘレンに何が起こったのか?」(1971)「ザ・デイ・アフター」(1983)等がある。ラクシンは、1947年の「永遠のアムバア」と1958年の「旅路」でアカデミー賞の劇・喜劇映画音楽賞にノミネートされている。
(2002年8月)

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