ハミー・マン
 Hummie Mann

Date of Birth:
Place of Birth: Montreal, Canada
Mini Biography:
Mann began studying music at the age of seven. He learned to play not only the piano, but also recorder, guitar, clarinet and oboe. He graduated magna cum laude in 1976 from Boston's prestigious Berklee College of Music and moved in 1980 to Los Angeles, where he began orchestrating and composing for such top-rated series as "Fame", "Moonlighting", "Knots Landing", "ALF" and "The Simpsons". In early 1998 Berklee Faculty member and world renown vibraphonist Gary Burton presented Mann with Berklee's Distinguished Alumnus Award. An established arranger, he has written charts for a variety of performers such as Debbie Reynolds, Aretha Franklin, John Denver and Placido Domingo. He was given his first big break when a replacement score was needed for Peter Yates' romantic adventure "Year of the Comet". In television, he composed the main title theme and underscore for Rob Reiner's cult series "Morton & Hayes". He received two Emmy nominations for his arrangements on the popular "Moonlighting" series, and received an Emmy Award for arranging Billy Crystal's opening number for the "1992 Academy Awards" telecast.

 


ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ  ROBIN HOOD: MEN IN TIGHTS

作曲・指揮:ハミー・マン
Composed and Conducted by HUMMIE MANN

(米Milan / 74321 17639-2) 1993

1993年製作のアメリカ映画。製作・監督は「プロデューサーズ」(1968)「ヤング・フランケンシュタイン」(1974)「ブレージングサドル」(1974)「サイレント・ムービー」(1976)「メル・ブルックス/新サイコ」(1977)「メル・ブルックスの大脱走」(1983)「スペースボール」(1987)等のスラプスティックなコメディで有名なメル・ブルックス。出演はケイリー・エルウィズ、リチャード・ルイス、ロジャー・リース、エイミー・ヤスベック、デヴィッド・チャペル、マーク・ブランクフィールド、トレイシー・ウルマン、エリック・アラン・クレイマー、ミーガン・キャヴァナー、メル・ブルックス、ドム・デルイーズ、ディック・ヴァン・パッテン、マシュー・ポーレッタ、アイザック・ヘイズ、ロバート・リッジリー、チャック・マッカーン、クライヴ・レヴィル、パトリック・ステュワート他。J・デヴィッド・シャピロとエヴァン・チャンドラーの原案を基にメル・ブルックスとチャンドラー、シャピロが脚本を執筆。撮影はマイケル・D・オシーア。ケヴィン・コスナー主演の「ロビン・フッド」(1991)のヒットを受けてブルックスが製作したパロディだが、結果は内容的にも興行的にも失敗に終わった。

メル・ブルックス作品の音楽はジョン・モリスが多数担当しているが、この作品はカナダ出身のハミー・マンが作曲している。冒頭の「Marian」はロマンティックな主題歌(作詞はメル・ブルックス)。続く「Main Title」はオーケストラによる勇壮なマーチ調のメインタイトル。このメインのヒロイックな主題を織り込んだ「Escape from Kahlil Prison」「The Great Hall Fight」等のダイナミックなアクション音楽や、「ルール・ブリタニア」等の既成曲をうまく組み込んだ「Robin's Pledge / The Great Voyage」、宮廷音楽風からメインの主題のファンファーレに展開する「Prince John's Party / Robin's Entrance」、勇壮なタッチのアンダースコア「Villager's Training Sequence」「Villagers to the Rescue」といった曲は、コメディ色は全くなく、ストレートな活劇音楽調になっている。一方で、「Sherwood Forest Rap」という題名通りの中身の曲(2パターン)や、ふざけた男声コーラスによるマーチ調の「Men in Tights」等、いかにも笑わせようとしている部分は(映画同様)全くおかしくない。キャリアの後半にアイヴァン・ライトマン等のコメディを多数手がけているエルマー・バーステインも指摘していたように、この手の映画にはシリアスすぎるほどストレートな劇伴音楽をつけるのが最も効果的で、下手に音楽で笑わせようとしないほうがよい。これが実に上手かったのがジョン・モリスで、特に「ヤング・フランケンシュタイン」「メル・ブルックス/新サイコ」のスコアは素晴らしい。この作品でブルックスと初めて組んだハミー・マンも、この定石にならい、活劇部分のアンダースコアは器用にこなしていると言える。
(2003年9月)

Top


レスリー・ニールセンのドラキュラ  DRACULA: DEAD AND LOVING IT

作曲・指揮:ハミー・マン
Composed and Conducted by HUMMIE MANN

(Promotional / HMCD001) 1996

1995年製作のアメリカ映画(日本公開は1996年10月)。「(TV)フライング・コップ」シリーズや、その映画版「裸の銃を持つ男」シリーズで突然コメディ俳優になったレスリー・ニールセン(かつては普通の二枚目役者だった)と、スラプスティック・コメディの監督で知られるメル・ブルックスが組んだ作品。共演はピーター・マクニコル、スティーヴン・ウェバー、エイミー・ヤスベック、リセット・アンソニー、ハーヴェイ・コーマン、メル・ブルックス、ジェニファー・クリスタル、マーク・ブランクフィールド、ミーガン・キャヴァナー、クライヴ・レヴィル、チャック・マッカーン、エイヴリー・シュライバー、チャーリー・キャラス他。メル・ブルックス夫人のアン・バンクロフトが実に奇妙な役でカメオ出演している。脚本はメル・ブルックス、ルディ・デルカとスティーヴ・ハバーマン。撮影はマイケル・D・オシーア。ストーリーは一応かの有名なブラム・ストーカーの原作を下敷きにしたもので、ニールセンがドラキュラ伯爵、ブルックスがヴァン・ヘルシング博士を怪演している。因みに日本でリリースされた日本語吹替版ビデオではニールセンを中村 正(はまり役)、ブルックスを八奈見乗二、ピーター・マクニコルを富山 敬が吹替えていた。

音楽は「ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ」(1993)でメル・ブルックスに抜擢され、この作品が2度目のコラボレーションとなるハミー・マン。彼は過去に作曲されたドラキュラ映画の音楽(ハマー・フィルムのジェームズ・バーナードのスコアや、ジョン・バダム版のジョン・ウィリアムス、コッポラ版のヴォイチェフ・キラールのスコア等)を聴いてリサーチした上で自らのバージョンを作曲したという。監督のブルックスからはスケールの大きいゴシック風のスコアを要求されており、87人編成のオーケストラと16人編成のコーラスにより録音した。「Main Title」は、いかにもゴシック・ホラー的なダークなタッチのメイン・タイトル。単なるホラー調ではなく、ややトラジックな雰囲気を加えているところが上手い。全体にこのトラジックな主題をフィーチャーした暗く不吉なアンダースコアが連続する。「"Vampires?"」ではむせぶようなヴァイオリン・ソロ、「Dracula's Women」では幻想的な女声コーラスがアクセントになっている。ドラキュラがヒロインのルーシーを襲うシーンの「Dracula Attacks Lucy」や、クライマックスの「Escape / In Pursuite of Reinfield / Fight! / Jonathan on the Floor / Attempted Escape」ではダイナミックなアクション音楽を展開。ドラキュラとミナ(ヤスベック)がタンゴを踊るシーンではA・G・ヴィロルド作曲の「El Choclo」がパイプオルガンとオーケストラにより演奏される。「The Kaminsky Two-Step」も陽気な舞踏音楽。ハミー・マンはここでも「ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ」と同様、コメディ映画に全くシリアスでストレートな劇伴音楽を作曲しており、効果的。

ハミー・マンが手がけたその他の作品には、「(未公開)Stoogemania」(1985)「(未公開/TV)Funny, You Don't Look 200: A Constitutional Vaudeville」(1987)「(未公開)Box-Office Bunny」(1990)「(未公開/TV)Morton & Hayes」(1991)「バトルストーム(In Gold We Trust)」(1991)「(未公開)Year of the Comet」(1992)「(未公開)Benefit of the Doubt」(1993)「ロビン・フッド/キング・オブ・タイツ(Robin Hood: Men in Tights)」(1993)「(未公開)The Red Coat」(1993)「(TV)ルームメイツ(Confessions of a Sorority Girl)」(1994)「(未公開/TV)Motorcycle Gang」(1994)「(未公開/TV)Runaway Daughters」(1994)「(TV)ガールズ・プリズン(Girls in Prison)」(1994)「(未公開/TV)Dragstrip Girl」(1994)「(TV)ゲッタウェイ!エンジェル(Jailbreakers)」(1994)「(未公開/TV)Cool and the Crazy」(1994)「(未公開)A Test of Will」(1994)「(未公開/TV)Reform School Girl」(1994)「(未公開)Fall Time」(1995)「レスリー・ニールセンのドラキュラ(Dracula: Dead and Loving It)」(1995)「(未公開/TV)Picture Windows」(1995)「(TV)冷血(In Cold Blood)」(1996)「スタンド・バイ・ミー リベンジャーズ/僕たちが銃を握った日(Sticks and Stones)」(1996)「(TV)セカンドインパクト(The Second Civil War)」(1997)「(未公開/TV)I Am Your Child」(1997)「(未公開/TV)Rescuers: Stories of Courage: Two Women」(1997)「(未公開/TV)ネイキッド・シティ2/新・裸の町(Naked City: A Killer Christmas)」(1998)「(未公開)After the Rain」(1999)「(未公開/TV)P.T. Barnum」(1999)「(未公開)The Engagement Party」(1999)「きかんしゃトーマス劇場版 魔法の線路(Thomas and the Magic Railroad)」(2000)「(TV)ミート・ローフ 地獄のロック・ライダー(Meat Loaf: To Hell and Back)」(2000)「(未公開)CyberWorld」(2000)「(未公開)Milk」(2001)「(未公開)Wooly Boys」(2001)「(未公開)Last Call」(2001)「(未公開/TV)Captain Sturdy」(2001)等がある。
(2003年9月)

Top


Film Music Composersへ戻る


Copyright (C) 2003  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.