エリザベス・リュティエンス
 Elisabeth Lutyens

Date of Birth: 1906
Place of Birth: UK
Date of Death: 1983
Mini Biography:
Lutyens' upbringing was more privileged than encouraging, with a famous father, Sir Edwin Lutyens, preoccupied by his architectural projects and her mother with her Theosophy. After conventional training in Paris and at the Royal College of Music in London, she threw herself into the new music scene, co-founding a contemporary concert series. Yet only with the pioneering of an idiosyncratic serialism first deployed in her Chamber Concerto No.1(1940) did she begin to realize her radical vision. This hardly endeared her to a conservative British musical establishment; over the next couple of decades she had to earn most of her income from scores for radio features and films, while raising four children. Meanwhile, her uncompromising stance, together with the purity and professionalism of her scores, had begun to influence a younger generation of composers, including Alexander Goehr and Richard Rodney Bennett.

 


がい骨 THE SKULL

作曲:エリザベス・リュティエンス
Composed by ELISABETH LUTYENS

指揮:ジャック・ヴァン・スティーン
Conducted by JAC VAN STEEN

演奏:BBC交響楽団
Performed by BBC Symphony Orchestra

(英NMC / D073)

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1965製作のイギリス映画。監督は「人類SOS!」(1962)「フランケンシュタインの怒り」(1964)「テラー博士の恐怖」(1964)「残酷の沼」(1967)「帰って来たドラキュラ」(1968)「(未公開)魔界からの招待状」(1972)等のフレディ・フランシス「回転」(1961)「エレファント・マン」(1980)「フランス軍中尉の女」(1981)「砂の惑星」(1984)「グローリー」(1989)「ケープ・フィアー」(1991)「ストレイト・ストーリー」(1999)等の撮影監督としても知られる)。出演はピーター・クッシング、パトリック・ワイマーク、ジル・ベネット、ナイジェル・グリーン、パトリック・マギー、ピーター・ウッドソープ、マイケル・ゴーフ、ジョージ・クールーリス、エイプリル・オルリッチ、モーリス・グッド、アンナ・ポーク、フランク・フォーサイス、ポール・ストックマン、ジェフリー・チェシャイア、ジョージ・ヒルズドン、ジャック・シルク、クリストファー・リー他。アルフレッド・ヒッチコック監督の「サイコ」(1960)の原作者として知られる恐怖小説の名手ロバート・ブロックの短編小説「The Skull of the Marquis de Sade」を基にミルトン・サボツキーが脚本を執筆。撮影はジョン・ウィルコックス。ハマー・フィルムと並ぶイギリスのホラー映画専門スタジオだったアミカス・プロダクションズが製作したホラー映画。マルキ・ド・サド侯爵の頭蓋骨を商人のマルコ(ワイマーク)から入手したクリストファー・メイトランド博士(クッシング)は、その骸骨の呪いによって徐々に破滅へと追いやられていく・・。クリストファー・リーがメイトランドの友人サー・マシューズ・フィリップス役でゲスト出演している。ロバート・ブロックの短編小説をベースにしたアミカス・プロダクションズ製オムニバス・ホラー映画には「残酷の沼」(1967)「(未公開)ブラッド・ゾーン」(1971)「(未公開)アサイラム・狂人病棟」(1972)がある(詳細は「オムニバス・ホラーの愉しみ」をご参照)。また、ブロックは「怪人カリガリ博士」(1961)「血だらけの惨劇」(1963)「(未公開)恐怖の昆虫殺人」(1967)「アトランチスの謎」(1978)等の脚本も手がけている。

音楽は、アミカス・プロ製作の「テラー博士の恐怖」「(未公開)The Psychopath」「(未公開)The Terrornauts」(1967)等のスコアも手がけているイギリスの作曲家エリザベス・リュティエンスが担当。このCDには7曲から成る組曲が収録されているが、冒頭の短い不吉なフレーズの積み重ねにより恐怖を表現したメインタイトル(「Title Music」)や、ドラマティックで暴力的なエンドタイトル(「End Titles」)が印象的。全体に抑制されたタッチのアンダースコアだが、シンバロン(Cimbalom)によるアクセントや、バス・クラリネット、オルガン等の使用、ヴァイオリンを除いたオーケストラの編成等が興味深い。エリザベス・リュティエンスはクラシック音楽の作曲家だが、生涯に90作品ほどの映画音楽を作曲しており、そのキャリアの初期には、デビュー作の「(未公開)Jungle Mariners」(1944)をはじめとしたニュース映画やドキュメンタリーを多数手がけている。アミカス・プロ製作の一連のホラー映画の仕事は、これら作品の頻繁なTV深夜放送により、まとまった額の印税収入を彼女にもたらしたという。「オリエント急行殺人事件」等で知られるイギリスの作曲家リチャード・ロドニー・ベネットは、学生の頃にリュティエンスと知り合い、非公式な弟子として多大な音楽的・個人的影響を彼女から受けている。

エリザベス・リュティエンスが手がけた映画音楽には「(未公開)Penny and the Pownall Case」(1948)「(未公開)To Be a Woman」(1951)「(未公開)This Little Ship」(1953)「(未公開)Never Take Sweets from a Stranger」(1960)「(未公開)The Malpas Mystery」(1960)「(未公開)Don't Bother to Knock」(1961)「(未公開)Paranoiac」(1963)「テラー博士の恐怖(Dr. Terror's House of Horrors)」(1965)「がい骨(The Skull)」(1965)「(未公開)The Earth Dies Screaming」(1965)「(未公開)Spaceflight IC-1」(1965)「(未公開)パリの連続殺人(Theatre of Death)」(1966)「(未公開)The Psychopath」(1966)「(未公開)The Terrornauts」(1967)「(未公開)Mijn Nachten met Susan, Olga, Albert, Julie, Piet & Sandra」(1975)等がある。

尚、このCDは「LOVE FROM A STRANGER: FOUR BRITISH FILM SCORES」というコンピレーション(全て新録音)となっており、上記「がい骨」の他に以下のイギリス映画3作品のスコアも収録されている。

血に笑ふ男 LOVE FROM A STRANGER (1937) (6曲)
作曲:ベンジャミン・ブリテン
Composed by BENJAMIN BRITTEN
(監督:ローランド・V・リー、出演:バシル・ラスボーン、アン・ハーディング、ジョーン・ヒックソン、原作:アガサ・クリスティ)

孤独の報酬 THIS SPORTING LIFE (1963) (8曲)
作曲:ロベルト・ゲルハルト
Composed by ROBERTO GERHARD
(監督:リンゼイ・アンダーソン、出演:リチャード・ハリス、レイチェル・ロバーツ、アラン・バデル、コリン・ブレイクリー、ジャック・ワトソン、グレンダ・ジャクソン)

(未公開)戦場の罠 THE RETURN OF THE SOLDIER (1982) (8曲)
作曲:リチャード・ロドニー・ベネット
Composed by RICHARD RODNEY BENNETT
(監督:アラン・ブリッジス、出演:ジュリー・クリスティ、グレンダ・ジャクソン、アン=マーグレット、アラン・ベイツ、イアン・ホルム、フランク・フィンレイ、ジェレミー・ケンプ)

指揮:ジャック・ヴァン・スティーン
Conducted by JAC VAN STEEN
演奏:BBC交響楽団
Performed by BBC Symphony Orchestra

(2005年3月)

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