アイラン・エシュケリ
 Ilan Eshkeri

Date of Birth:
Place of Birth: London, UK
Mini Biography:
Born in London into a musical family, Ilan Eshkeri grew up playing violin and later took up playing guitar in bands. He studied music and English literature at Leeds University, during which time he also worked with film composer Ed Shearmur learning first-hand the technique of film composition. After graduating, he went on to work with other film composers such as Michael Kamen and Hans Zimmer. At this time he began scoring his own projects, and his talent for creating cinematic music on a limited budget soon gained him recognition within the film industry. When Kamen passed away in 2001, Ilan played a major role in completing the final score for the feature animation "Back to Gaya". As a result, he was asked to score "Layer Cake" directed by Matthew Vaughn, which became a box office hit and got Ilan a nomination for 'Discovery of the Year' at the world soundtrack awards. This marked the beginning of his working relationship with Vaughn, and in 2007, he composed his award-winning score for "Stardust". Their collaboration continues in 2009 with the adaptation of the "Kick Ass" comic series. Other scores include "Hannibal Rising" directed by Peter Webber, "The Young Victoria" by Jean-Marc Vallee, "Telstar" by Nick Moran and "Ninja Assassin" by James McTiegue. He has also collaborated with Annie Lennox re-arranging some of her best known songs to critical acclaim, such as "Sweet Dreams" and "Here Comes the Rain Again" for orchestra and band. He has been on tour supporting David Gilmour and programmed strings on Gilmour's hit solo album "On An Island".

Official website of Ilan Eshkeri: http://ilaneshkeri.com/

 


スターダスト STARDUST

作曲:アイラン・エシュケリ
Composed by ILAN ESHKERI

指揮:アンディ・ブラウン
Conducted by ANDY BROWN

演奏:ロンドン・メトロポリタン管弦楽団、メトロ・ヴォイシーズ
Performed by the London Metropolitan Orchestra, Metro Voices

(米Decca / B00009821-02)

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2007年製作のイギリス=アメリカ合作映画。監督は「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(1998)「スナッチ」(2000)「スウェプト・アウェイ」(2002)といったガイ・リッチー監督作品の製作や「レイヤー・ケーキ」(2004)の監督を手がけたマシュー・ヴォーン。出演はクレア・デインズ、チャーリー・コックス、シエナ・ミラー、ベン・バーンズ、リッキー・ジャーヴェイス、ジェイソン・フレミング、ルパート・エヴェレット、ピーター・オトゥール、ミシェル・ファイファー、ロバート・デ・ニーロ、ナサニエル・パーカー、ケイト・マゴーワン、デヴィッド・ケリー、メラニー・ヒル、ヘンリー・カヴィル、マーク・ストロング、ストルアン・ロジャー、デヴィッド・ウォリアムズ、ジュリアン・リンド=タット、サラ・アレクサンダー、ジョアンナ・スキャンラン、ジョージ・イネス、マーク・ウィリアムズ、デクスター・フレッチャー、ジェフ・ベル、マーク・バーンズ他。ナレーションはイアン・マッケラン。ニール・ゲイマンの原作『スターダスト』を基にマシュー・ヴォーンとジェーン・ゴールドマンが脚本を執筆。撮影はベン・デイヴィス。イングランドのウォール村の端には決して越えてはならない壁があり、一ヶ所だけ開いた穴は、昼夜をたがわず門番に見張られていた。18歳の青年トリスタン(コックス)は、片想いのヴィクトリア(ミラー)の気持ちを勝ち取るため、壁の向こうに落ちた流れ星を愛の証としてプレゼントすると彼女に誓い、ついに魔法の国“ストームホールド”へと足を踏み入れる……。子供向けの内容だが、豪華キャストの共演が楽しいファンタジー。ヒロインのクレア・デインズに華がないのが残念(アメリカ人の彼女がイギリス訛りで話しているのがちょっと不自然)。

音楽は、「レイヤー・ケーキ」マシュー・ヴォーン監督と組んだイギリスの作曲家アイラン・エシュケリ「Prologue (Through the Wall)」は、幻想的なイントロから躍動的なタッチへと展開するプロローグ。「Snowdrop」も、ファンタジー調から後半は躍動的な主題に。「Tristan」は、イノセントなトリスタンの主題。「Shooting Star」は、ビジーなアクション音楽。「Three Witches」は、3人の魔女たちのダークな主題。「Yvaine」は、幻想的なコーラスによるイヴェイン(デインズ)の主題。「Septimus」は、ダイナミックでヒロイックなアクション音楽。「Creating the Inn」は、ミステリアスなタッチ。「Lamia's Inn」は、ダークかつダイナミックなラミア(ファイファー)の主題(バッハ作曲の「平均律クラヴィーア曲集」の引用を含む)。「Cap'n Shakespeare」は、サスペンスフルなキャプテン・シェイクスピア(デ・ニーロ)の主題。「Flying Vessel」は、壮大でダイナミックなタッチ(ドヴォルザーク作曲の「スラヴ舞曲」の引用を含む)。「Cap'n's at the Helm」は、ヒロイックな曲。「Tristan & Yvaine」は、リリカルなトリスタンとイヴェインのラヴテーマ。「Pirate Fight」は、オッフェンバック作曲の喜歌劇「天国と地獄」の引用。「The Mouse」は、ジェントルなタッチ。「Lamia's Lair」はダイナミック、「Lamia's Doll」はミステリアスな曲。「Zombie Fight」は、パーカッシヴなアクション音楽。「The Star Shines」は、後半壮大に盛り上がる。「Coronation」は、ヒロイックな曲。ラストの「Epilogue」はTake That作曲のエピローグ。クラシック音楽の使い方がやや安易な気がするが、オーケストラを派手に鳴らしたファンタジー調のシンフォニック・スコアで好感が持てる。
(2008年1月)

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ヴィクトリア女王 世紀の愛 THE YOUNG VICTORIA

作曲:アイラン・エシュケリ
Composed by ILAN ESHKERI

指揮:アンディ・ブラウン
Conducted by ANDY BROWN

演奏:ロンドン・メトロポリタン管弦楽団
Performed by the London Metropolitan Orchestra

(英EMI / 5099969676222)

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2009年製作のイギリス=アメリカ合作映画(日本公開は2009年12月)。監督はジャン=マルク・ヴァレ。出演はエミリー・ブラント、ルパート・フレンド、ポール・ベタニー、ミランダ・リチャードソン、ジム・ブロードベント、トーマス・クレッチマン、マーク・ストロング、ジェスパー・クリステンセン、ハリエット・ウォルター、ジャネット・ヘイン、ジュリアン・グローヴァー、マイケル・マロニー、ミキエル・ヒュイスマン、ジュヌヴィエーヴ・オライリー、レイチェル・スターリング他。脚本はジュリアン・フェロウズ、撮影はヘイゲン・ボグダンスキ。“ヴィクトリア朝”と呼ばれるイギリスで最も輝かしい時代を治世したヴィクトリア女王(1819〜1901)の若き日(ブラントが演じる)と、アルバート王子(フレンド)とのロマンスを描くドラマ。プロデューサーとしてマーティン・スコセッシセーラ・ファーガソン(イギリス王子ヨーク公アンドルー元夫人)が参加しており、セーラの娘であるヨーク公爵嬢ベアトリス王女が脇で出演している。

音楽はイギリスの作曲家アイラン・エシュケリが担当しており、ヘンデル、ヨハン・シュトラウス、シューベルト、ドヴォルザーク等のクラシック音楽を織り込んだ上質なオーケストラ音楽を提供。「Childhood」は、ジェントルで抑制されたタッチから荘厳なコーラスへ展開する曲で、ヘンデル作曲の戴冠式アンセム第1番「司祭ザドク」を含む。「Go to England, Make Her Smile (Alfred's Theme)」は、ストイックなタッチの曲。「Down the Stairs (Victoria's Theme)」は、ピアノとストリングスによるジェントルで繊細なヴィクトリアの主題。「The King's Birthday」は、ヨハン・シュトラウス1世作曲の「パガニーニ風ワルツ」のエシュケリによるアレンジメント。「Swan Song」は、シューベルト作曲の有名な「白鳥の歌:セレナード」のアレンジメント。「The King Is Dead」は、同じくシューベルトのセレナードを含むメランコリックな曲。「Buckingham Palace」は、ヨハン・シュトラウス作曲の「コントルダンス」のアレンジメント。「Lord Melbourne」は、アントニーン・ドヴォルザーク作曲の「弦楽セレナーデ 作品22」のアレンジメント。「Albert Returns」も、シューベルトのセレナードを含むメランコリックな曲。「Archery」「Rainy Gazebo」は、ジェントルなタッチの曲。「The First Waltz」は、ガエターノ・ドニゼッティ作曲の「愛の妙薬 第1幕:無情なイゾルデを」のアレンジメント。「Constitutional Crisis」は、ヘンリー・パーセル作曲の「アーサー王:コールドソング」のアレンジメント。「Letters from Victoria」「Marriage Proposal」「Victoria and Albert」は、ドラマティックな曲。「Riot」は、躍動的でダイナミック。「Letters from Albert」は、繊細で美しい曲。「Honeymoon」は、美しくジェントルな曲。「Assassin」は、トラジックなタッチから後半はジェントルな主題に。ラストの「Only You (Love Theme from 'The Young Victoria') 」は、アイルランド出身の歌手シネイド・オコナーのヴォーカルによる主題歌。
(2009年7月)

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(未公開)センチュリオン CENTURION

作曲:アイラン・エシュケリ
Composed by ILAN ESHKERI

指揮:アンディ・ブラウン
Conducted by ANDY BROWN

演奏:ロンドン・メトロポリタン管弦楽団
Performed by the London Metropolitan Orchestra

(スウェーデンMoviescore Media / MMS-10009)

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2010年製作のイギリス映画(日本では劇場未公開でDVD発売)。監督・脚本は「ドッグ・ソルジャー」(2002)「ディセント」(2005)「ドゥームズデイ」(2008)等のニール・マーシャル。出演はマイケル・ファスベンダー、ドミニク・ウエスト、オルガ・キュリレンコ、ノエル・クラーク、デヴィッド・モリッセイ、JJ・フィールド、アクセル・キャロリン、リズ・アーメッド、デイヴ・レジェノ、ウルリッチ・トムセン、ジェームズ・カリー、ダファー・ラビディン、ハミッシュ・モワール、イモジェン・プーツ、レイチェル・スターリング他。撮影はサム・マッカーディ。紀元117年。エジプトやスペインを支配したローマ帝国は、ブリテン島北部で野蛮なピクト人たちのゲリラ的な抵抗に苦戦していた。ピクト軍の攻撃から唯一生き延びたローマ軍の戦士クインタス・ディアス(ファスベンダー)は、ヴィリアス将軍(ウエスト)率いる第9軍と共にピクト軍を殲滅し、リーダーのゴルラコン(トムセン)を倒すべく北上するが……。「007/慰めの報酬」でボンド・ガールだったオルガ・キュリレンコがピクト軍の女戦士エテインを演じる。 cover
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イギリスの作曲家アイラン・エシュケリによるスコアは、ケルト音楽の古い民謡の主題を取り込み、スコットランドの楽器「Carnyx」「Bodhran」をフィーチャーした音楽。冒頭の「Centurion」は、幻想的なヴォーカルを織り込んだイントロからストイックでヒロイックな主題へ展開。「Fort Attack」は、バーバリックなアクション音楽。「The Ninth Ride Out」は、パーカッシヴなサスペンス音楽。「Quintus Escapes」も、ダイナミックなアクション音楽。「Arianne」「Necromancer」は、メランコリックで美しい主題。「The Ninth March On」は、バーバリックなマーチ。「The General Falls」は、ストイックでドラマティックな曲。「On the Run」は、躍動的な曲。「The Village」は、抑制されたサスペンス音楽。「Funeral」は、幻想的な女声ヴォーカルをフィーチャーした曲。「She Wolf (Etain)」は、女戦士エテインを描写したバーバリックなアクション音楽。「A Sacred Rite」は、幻想的でミステリアスな曲。「We Are the Prey」「Wolves」は、パーカッシヴでストイックな曲。「Waterfall」は、ダイナミックなサスペンスアクション音楽。「Battle at the Fort」は、ミリタリスティックでストイックな曲。「Quintus Returns」は、ジェントルなタッチ。「Fate of the Ninth」は、ドラマティックなフィナーレ。非常にパワフルでドラマティックなスコアで、今のところエシュケリのベスト・スコアの1つだろう。

アイラン・エシュケリが手がけた作品には
「(未公開)The Quarry Men」(2000)
「(未公開)Trinity」(2001)
「(未公開/TV)Colosseum: Rome's Arena of Death」(2003)
「(未公開/TV)Colosseum: A Gladiator's Story」(2004)
「レイヤー・ケーキ(Layer Cake)」(2004)
「(TV)ニーベルングの指環(Ring of the Nibelungs, aka Dark Kingdom: The Dragon King)」(2004)
「(未公開)The Banker」(2004)
「(未公開/V)Ape to Man」(2005)
「(未公開/TV)The First Emperor」(2006)
「ハンニバル・ライジング(Hannibal Rising)」(2007)
「(未公開)バイオレンス・ブリット(Straightheads)」(2007)
「(未公開)Strength and Honour」(2007)
「スターダスト(Stardust)」(2007)
「(未公開)Virgin Territory」(2007)
「(未公開)Cinco de Mayo」(2008)
「(未公開)The Disappeared」(2008)
「(未公開)Telstar: The Joe Meek Story」(2008)
「(未公開)Attempt Seven」(2009)
「ヴィクトリア女王 世紀の愛(The Young Victoria)」(2009)
「(未公開/TV)Trial & Retribution XX - Siren: Part 1」(2009)
「(未公開/TV)Trial & Retribution XXI - Ghost Train: Part 1」(2009)
「(未公開/TV)Trial & Retribution XXII - Shooter: Part 1」(2009)
「(TV)ウェイキング・ザ・デッド 迷宮事件特捜班(Waking the Dead)」(2009)
「ニンジャ・アサシン(Ninja Assassin)」(2009)
「(未公開/TV)Micro Men」(2009)
「(未公開)From Time to Time」(2009)
「(未公開)センチュリオン(Centurion)」(2010)
「キック・アス(Kick-Ass)」(2010)
「(TV)ストライクバック:極秘ミッション(Strike Back)」(2010〜2011)
「(未公開)The Kid」(2010)
「(未公開/TV)Eric & Ernie」(2011)
「(未公開)Knuckle」(2011)
「英雄の証明(Coriolanus)」(2011)
「(未公開)Blooded」(2011)
「ブリッツ(Blitz)」(2011)
「(未公開)リトリート・アイランド(Retreat)」(2011)
「(未公開/TV)Richard Hammond's Journey to ... - The Centre of the Planet, - The Bottom of the Ocean」(2011)
「(未公開/TV)Planet Dinosaur - Lost World」(2011)
「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬(Johnny English Reborn)」(2011)
「(未公開/TV)Planet Dinosaur: Ultimate Killers」(2012)
「(未公開)Tough Talk」(2012)
「(未公開)Spike Island」(2012)
「(未公開)Ashes」(2012)
「(TV)スノーマンとスノードッグ(The Snowman and the Snowdog)」(2012)
「(未公開)I Give It a Year」(2013)
「(未公開)オースティンランド 恋するテーマパーク(Austenland)」(2013)
「(未公開)Alan Partridge: Alpha Papa」(2013)
「(未公開)エレン・ターナン 〜ディケンズに愛された女〜(The Invisible Woman)」(2013)
「(未公開)ジャスティンと勇気の騎士の物語(Justin and the Knights of Valour)」(2013)
「47RONIN(47 Ronin)」(2013)
「(未公開/TV)David Attenborough's Natural History Museum Alive」(2014)
「(未公開/TV)Fleming」(2014)
「アリスのままで(Still Alice)」(2014)
「(未公開)Get Santa」(2014)
「ブラック・シー(Black Sea)」(2014)
「(未公開)The Gift」(2014)
「(未公開)Once Upon a Time in London」(2014)
「映画 ひつじのショーン 〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜(Shaun the Sheep Movie)」(2015)
「(未公開)Don Verdean」(2015)
「サバイバー(Survivor)」(2015)
「(未公開)Solitude」(2015)
「(未公開/TV)Great Barrier Reef with David Attenborough - Builder, - Visitors, - Survival」(2015〜2016)
「(未公開/TV)Doctor Thorne」(2016)
「アウトバーン(Collide)」(2016)
「(未公開)Swallows and Amazons」(2016)
「偽りの忠誠 ナチスが愛した女(The Exception)」(2016)
「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(Dancer)」(2016)
「(未公開/TV)Riviera」(2017)
「(未公開)Measure of a Man」(2017)
等がある。
(2010年7月)
(2010年10月)
(2014年1月)
(2017年8月)

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