ニック・グレニー=スミス
 Nick Glennie-Smith

Date of Birth: 1951/10/3
Place of Birth: London, England, UK
Mini Biography:
Nickolas Hugh Glennie-Smith started his musical career with the band Wally, performing keyboards on their second album, Valley Gardens in 1975. In 1980, he played keyboards on Leo Sayer's album Living in a Fantasy. Also in 1980, he started recording and touring with Cliff Richard, appearing on three albums, I'm No Hero (synthesizer), Wired for Sound (engineer, piano on one song), and The Rock Connection (synthesizer on one song). Glennie-Smith is a frequent collaborator with Hans Zimmer, contributing to scores including "The Rock" and "Point of No Return" among others. He has also composed the scores for the films "Home Alone 3", "The Man in the Iron Mask", "We Were Soldiers", "Secretariat", "The Lion King II: Simba's Pride", "Lauras Stern", "Der kleine Eisbär 2 - Die geheimnisvolle Insel" and "A Sound of Thunder". Glennie-Smith is a part of Hans Zimmer's film score company Remote Control Productions, for which he has conducted music for the soundtracks on "Transformers: Revenge of the Fallen", "X-Men: First Class" and "Pirates of the Caribbean: On Stranger Tides". He is the master composer of the music in the French theme park le Puy du Fou. He has collaborated with the former Pink Floyd bassist, Roger Waters. He worked on Waters' score for the 1986 film "When the Wind Blows", then provided some of the keyboard overdubbing for the song "The Powers that Be" on Waters' 1987 Radio K.A.O.S. album. He performed at the 1990 concert The Wall Live in Berlin as a keyboardist alongside Peter Wood. He also toured in the 1980s with Cliff Richard, again playing keyboards. In 1987, he was responsible, with producer Vic Coppersmith-Heaven and singer Kenny Young, for the album Transmissions under the group name Gentlemen Without Weapons. Glennie-Smith is also known for his contributions to Roger Daltrey's solo albums, Under a Raging Moon, and Can't Wait to See the Movie, and Paul McCartney's solo albums Press to Play, and Flowers in the Dirt. He has also worked with many other artists including Phil Collins, Tina Turner, Elvis Costello, Pharrell Williams, Nik Kershaw, Duane Eddy, Katrina & the Waves, and The Adventures. He is married to Jan Glennie-Smith and they have four children. His wife, daughter, and son are also musicians.

Facebook: https://www.facebook.com/nick.glenniesmith/

 


ザ・ロック THE ROCK

作曲:ニック・グレニー=スミス、ハンス・ジマー、ハリー・グレグソン=ウィリアムス
Composed by NICK GLENNIE-SMITH, HANS ZIMMER, HARRY GREGSON-WILLIAMS

指揮:ニック・グレニー=スミス、ブルース・ファウラー、ドン・ハーパー
Conducted by NICK GLENNIE-SMITH, BRUCE FOWLER, DON HARPER

(米Intrada / Intrada Special Collection Volume 491)

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1996年製作のアメリカ映画。監督は「バッドボーイズ」(1995)「アルマゲドン」(1998)「パール・ハーバー」(2001)「アイランド」(2005)「トランスフォーマー」(2007)「6アンダーグラウンド」(2019)「アンビュランス」(2022)等のマイケル・ベイ(1965〜)。出演はショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、エド・ハリス、ジョン・スペンサー、デヴィッド・モース、ウィリアム・フォーサイス、マイケル・ビーン、ヴァネッサ・マーシル、ジョン・C・マッギンレー、グレゴリー・スポーレダー、トニー・トッド、ボキーム・ウッドバイン、クレア・フォーラーニ、ジェームズ・カヴィーゼル、ザンダー・バークレイ、フィリップ・ベイカー・ホール、ダニー・ヌッチ、スティーヴ・ハリス、ステュアート・ウィルソン他。デヴィッド・ワイズバーグとダグラス・S・クックの原案を基にデヴィッド・ワイズバーグ、ダグラス・S・クックとマーク・ロスナーが脚本を執筆。撮影はジョン・シュワルツマン。製作はドン・シンプソン(遺作)とジェリー・ブラッカイマー。

アメリカ海兵隊の特殊部隊を指揮するフランシス・X・ハメル准将(ハリス)は、過去の極秘作戦中に部隊を見捨てられ、部下を失ったことから政府への憤りを募らせていた。彼は忠実な部下の海兵隊員たちを率いて化学兵器VXガス搭載のミサイルを奪取し、“ザ・ロック”と呼ばれるかつてのアルカトラズ刑務所に、観光客81人を人質にして立てこもり、戦死した部下たちの遺族への補償金として1億ドルを要求。受け入れられなければ、ミサイルをサンフランシスコに撃ち込むと政府を脅迫する。FBI長官ジェームズ・ウォマック(スペンサー)は、アンダーソン隊長(ビーン)率いる海軍特殊部隊S.E.A.L.の派遣を要請、化学兵器のスペシャリストであるFBI特別捜査官のスタンリー・グッドスピード(ケイジ)と、幽閉中の元英国諜報部員ジョン・パトリック・メイソン(コネリー)の2名にも同行を命じた。脱出不可能と言わたアルカトラズ刑務所から唯一脱獄に成功したメイソンだが、仮釈放と同時に逃走。サンフランシスコに住む娘のジェイド(フォーラーニ)に会ったメイソンは、娘を守るためアルカトラズへの同行を承諾する。水中からの潜入に成功したS.E.A.L.部隊は、待ち伏せしていたハメルの部下の海兵隊員たちに包囲され、銃撃戦の末に全滅してしまう。生き残ったグッドスピードとメイソンは、海兵隊員たちと戦いながらミサイルを解体し、VXガスの無力化を試みるが……。メイソンが元英国諜報部員という設定はコネリー自身のアイデアで、彼がかつて演じたジェームズ・ボンドを意識していることは明らか。クエンティン・タランティーノ、「ダイ・ハード3」(1995)「アルマゲドン」(1998)等のジョナサン・ヘンズリー、「ソーシャル・ネットワーク」(2010)「スティーブ・ジョブズ」(2015)等のアーロン・ソーキンが脚本のリライトを担当している。製作費は約7500万ドル。全世界興行収入は約3億3506万ドル。

音楽はニック・グレニー=スミス(1951〜)、ハンス・ジマー(1957〜)とハリー・グレグソン=ウィリアムス(1961〜)が作曲しているが、グレニー=スミスとグレグソン=ウィリアムスは、ハンス・ジマーがサンタモニカに設立した映画音楽会社リモート・コントロール・プロダクションズ(Remote Control Productions, Inc.)のメンバー。これら3人に加え、ドン・ハーパースティーヴン・スターンラス・ランドーも一部の曲の作曲に参加している。このスコアは公開当時の1996年に米Hollywood Recordレーベルより全8曲/約60分半収録のサントラCD(Hollywood Records HR-62062-2)が出ていたが、Intradaレーベルが2023年10月にリリースしたこのCDは、2枚組で全35曲/約134分を収録したエクスパンデッド盤で、限定プレス。

CD1枚目の冒頭「Opening – Naval Weapons Depot」は、コーラスを加えた静かにストイックなイントロから、ヒロイックかつドラマティックなメインの主題へと展開。この主題はジマー作曲らしいが、いかにも彼らしい“燃える”主題で、実にかっこいい。続いてトランペットによるドラマティックでメランコリックな主題、中盤からストイックな第二主題を織り込んだリズミックなサスペンスアクション音楽へと展開。「Baby Gas」は、ダークなイントロからリズミックなサスペンスアクション音楽へ(グレグソン=ウィリアムス作曲)。「Romance I – Tour's Over Bob」は、ギターによるジェントルな主題から抑制されたサスペンス音楽、ストイックでダイナミックなメインのフレーズへ。「Hummel Speech / Alcatraz Reopened」は、ドラマティックかつメランコリックな主題から、グレゴリオ聖歌『怒りの日(Dies irae)』の旋律の引用、後半リズミックなサスペンス音楽へ。「Hummel's Demands to Pentagon」は、ストイックでドラマティックな曲。「Possible Romantic Cue」は、ギターによるジェントルな主題。「Mason Montage」は、コーラスを加えたダークでドラマティックな曲。「San Francisco Montage」は、リズミックなサスペンス音楽からヒロイックなメインの主題へ。「Interrogation–Quarter」「Window Crash / Fairmont」「Goodspeed Tracks Jade」は、抑制されたサスペンス音楽。「Haircut / Escape: The Chase!!」は、抑制されたサスペンス調からコーラスを織り込んだリズミックでストイックなサスペンスアクション音楽へ。「Jade」は、ティン・ホイッスルとストリングスによるケルト風のジェントルなメイソンの主題(グレニー=スミス作曲)。「Blueprints」は、『Dies irae』の主題を引用したダークでストイックな曲。「Hummel / SEALs」は、静かにストイックなタッチからヒロイックな主題、メインの主題を織り込んだリズミックなサスペンス音楽へ。「Mason Into Furnace / SEALs Tunnel – SEAL Attack」は、リズミックでパーカッシヴなタッチからメインの主題を織り込んだサスペンスアクション音楽へと展開し、後半メインの主題がコーラス入りで明確に演奏される。「Aftermath」は、コーラスを加えたストイックでドラマティックな曲(グレグソン=ウィリアムス作曲)。「Bombs」は、抑制されたサスペンス調からリズミックなサスペンスアクション音楽へ。「The Morgue」は、ストイックでリズミックなアクション音楽。「Indiana Jones / Fight with Marines」は、メインのフレーズを含むストイックでリズミックなアクション音楽。

CD2枚目の冒頭「Hostage / Goodspeed Captured」は、静かにストイックな主題から抑制されたサスペンス音楽、メイソンの主題のヒロイックなアレンジメント、リズミックなサスペンス音楽へ。「Plasma Bomb Is Ready」は、『Dies irae』の主題の引用。「Hammer Head」は、抑制されたサスペンス調からメインの主題、リズミックなサスペンスアクション音楽、ジェントルなメイソンの主題へ。「President's Lament」は、静かにドラマティックかつメランコリックな曲。「Mission's Over / Final Attack / Finale」は、抑制されたサスペンス調からメランコリックな主題、ストイックでリズミックなサスペンス音楽、メインの主題、コーラス入りのストイックな主題、ジェントルなメイソンの主題へ展開。「Fort Walton, Kansas」は、ギターをフィーチャーしたジェントルでリズミックな曲。「End Titles (Hummel / SEALs)」は、メインの主題によるストイックでドラマティックなエンドタイトル。この後にエクストラとして「SEAL Attack (Alternate Segment)」「Fort Walton, Kansas (Alternate)」の代替テイクや、デモ・バージョン等、計8曲を収録。

それぞれの曲に複数の作曲家名がクレジットされているので、どの部分を誰が作曲したのかわかりにくい。ハンス・ジマーによると「メインの主題は自分が作曲したが、基本はグレニー=スミスのスコア」とのことだが、スコア全体にはジマーの影響が強く出ている。


ニック・グレニー=スミスはロンドン生まれのイギリスの作曲家で、レオ・セイヤーやクリフ・リチャードのアルバムにミュージシャン(キーボード、シンセサイザー、ピアノ等)として参加。ハンス・ジマー率いるリモート・コントロール・プロダクションズに所属して、自らスコアを作曲するとともに、「トランスフォーマー/リベンジ」(2009)「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(2011)「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」(2011)等のスコアを指揮しているほか、ポール・マッカートニー、フィル・コリンズ、ティナ・ターナー、エルヴィス・コステロといったアーティストともコラボレートしている。

ニック・グレニー=スミスが作曲を手がけた作品には
「(未公開/TV)America Undercover」(1993)
「サンドラ・ブロックの恋する泥棒(Two If by Sea)」(1996)
「ザ・ロック(The Rock)」(1996)
「沈黙の断崖(Fire Down Below)」(1997)
「ホーム・アローン3(Home Alone 3)」(1997)
「(未公開)Cyclops, Baby」(1997)
「仮面の男(The Man in the Iron Mask)」(1998)
「(V)ライオン・キング2 シンバズ・プライド(The Lion King II: Simba's Pride)」(1998)
「(TV)マックスQ(Max Q)」(1998)
「(未公開/TV)Michelle Kwan Skates to Disney's Greatest Hits」(1999)
「(未公開)ハイランダー/最終戦士(Highlander: Endgame)」(2000)
「(未公開/TV)The Secret Adventures of Jules Verne」(2000)
「(TV)騎馬大王アッティラ/平原の支配者(Attila)」(2001)
「ワンス・アンド・フォーエバー(We Were Soldiers)」(2002)
「(未公開)魔法にかけられたエラ(Ella Enchanted)」(2004)
「(未公開)Lauras Stern」(2004)
「サウンド・オブ・サンダー(A Sound of Thunder)」(2005)
「(未公開)Der kleine Eisbär 2: Die geheimnisvolle Insel」(2005)
「君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956(Szabadság, szerelem)」(2006)
「(未公開)セクレタリアト/奇跡のサラブレッド(Secretariat)」(2010)
「(未公開)A Belfast Story」(2013)
「天国は、ほんとうにある(Heaven Is for Real)」(2014)
「(未公開)Lauras Stern」(2021)

等がある。

(2024年1月)

Hans Zimmer

Harry Gregson-Williams

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