遠すぎた橋  A BRIDGE TOO FAR

作曲・指揮: ジョン・アディスン
Composed and Conducted by JOHN ADDISON

(米RYKO / RCD10746)

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1977年に製作されたオールスター・キャストの戦争映画で、1944年の連合軍によるマーケット=ガーデン作戦(大失敗した)の顛末を描いた作品。監督はリチャード・アッテンボロー。製作はジョセフ・E・レヴィン。この映画は、当時としても凄いが、俳優のギャラが高騰している今となってはとても集められない正にオールスター・キャストだった。アメリカからは、ロバート・レッドフォード、ジーン・ハックマン(ポーランド人の役)、ライアン・オニール、ジェームズ・カーン、エリオット・グールド他、イギリスからは、ショーン・コネリー、マイケル・ケイン、ローレンス・オリヴィエ、エドワード・フォックス、アンソニー・ホプキンス、ダーク・ボガード、デンハム・エリオット他、ドイツからは、マクシミリアン・シェル、ハーディ・クリューガー、ヴォルフガング・プライス(この人はドイツ軍人役の常連)他が出演。各々のビッグ・ネームの俳優にちゃんと見せ場を作っているところに、監督と脚本家の苦労が見える。

「史上最大の作戦」の原作者でもあるコーネリアス・ライアンの実話小説を、「マラソンマン」「明日に向かって撃て!」「大統領の陰謀」「ミザリー」「マーヴェリック」等の名手ウィリアム・ゴールドマンが脚色。パラシュート降下のシーンや橋での戦闘シーンにはさすがに迫力があるが、映画全体としてはややフラットな印象を受ける作品だった。各スターの見せ場を作るために、ストーリーがブツ切れのエピソード的になっているのも少し違和感がある。

音楽のジョン・アディスンはイギリスのベテラン作曲家で、この「遠すぎた橋」は、彼のベストスコアの1つである。残念ながら1998年12月7日に78歳で死去。「遥かなる戦場」「三人の女性への招待状」「ハムレット(リチャード・チェンバーレン主演の舞台劇)」「トム・ジョーンズの華麗な冒険」「 (未公開)ジョゼフ・アンドリュースの華麗な冒険」「探偵<スルース>」「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」「引き裂かれたカーテン」「カリブの嵐」等、正統派の映画音楽を多数残しているが、何故か彼の作品はほとんどCD化されていない。現在入手可能なのは、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」「引き裂かれたカーテン」と、TV映画の「ファントム・オブ・オペラ」のサントラくらいで、彼のベストスコアである「カリブの嵐」や「探偵 <スルース>」「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」といった作品は現時点ではLPしか存在していない(しかも全て入手困難)。この「遠すぎた橋」のリリースは久々のアディスン作品のCD化だが、スケールの大きい序曲や、「遠すぎた橋のマーチ」「パラシュート部隊のマーチ」といった明るく爽快なスコアがいかにもアディスンらしい好アルバムである。
(1999年6月)

John Addison

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