ジョン・アディスン
  John Addison

Date of Birth: 1920/3/16
Place of Birth: West Chobham, Surrey, England, UK
Date of Death: 1998/12/7
Mini Biography:
Best known for writing the Oscar-winning score to "Tom Jones"(1963), John Mervyn Addison ranked as one of Great Britain's most prolific and diverse film composers, with musical genres ranging from light classical to brooding jazz. His musical career had begun with a classical training at London's Royal College of Music, terminated prematurely in 1939 by the outbreak of the Second World War. He saw active service in the Normandy landings in 1944 as an officer in a tank unit that fought at the Battle of Caen, during which he was wounded. Years later, he composed the score to Richard Attenborough's film "A Bridge Too Far"(1977), an all-star epic re-enactment of Operation Market Garden. Contrary to popular belief, he did not participate in Market Garden himself, although his own military experiences meant he was uniquely qualified to write a sympathetic score for Attenborough's film. After the end of the war in 1945, Addison returned to London and taught composition at the Royal College before becoming increasingly involved in theatrical projects, notably the "Cranks review" in 1955, and several collaborations with playwright John Osborne, who later wrote the screenplay for "Tom Jones" when the director Tony Richardson moved from theatrical directing to the silver screen. The quantity of Addison's film work increased considerably during the 1950s, and he tackled a wide range of genres, including many comedies in the amiable domestic style typified by the output of the famous Ealing Studios. In 1972, his music for Joseph L. Mankiewicz's film version of Anthony Shaffer's hit play "Sleuth" was nominated for an Academy Award. He lived in Los Angeles from 1975 until his move in 1990 to Vermont, where he spent his last years. In the final phase of his career, he devoted most of his energies to music for the American television. His catchy theme tune to the popular mystery series "Murder, She Wrote"(1984-96) earned him an Emmy and propelled his innocent tunefulness into millions of homes worldwide.

 


ジョン・アディスン映画音楽集  THE FILM MUSIC OF JOHN ADDISON

作曲:ジョン・アディスン
Composed by JOHN ADDISON

指揮:ラモン・ガンバ
Conducted by RUMON GAMBA

演奏:BBCコンサート管弦楽団
Performed by the BBC Concert Orchestra

(英Chandos / Chan 10418)

cover
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<収録曲>

1. (未公開)I Was Monty's Double
2. (TV)遥かなる西部/わが町センテニアル Centennial
3. カリブの嵐 Swashbuckler
4. 遠すぎた橋 A Bridge Too Far
5. (未公開)The Maggie
6. 殴り込み戦闘機隊 Reach for the Sky
7. (未公開)ストレンジ・インベーダーズ Strange Invaders
8. 二つの世界の男 The Man Between
9. トム・ジョーンズの華麗な冒険 Tom Jones
10. 遥かなる戦場 The Charge of the Light Brigade
11. (未公開)Brandy for the Parson
12. 引き裂かれたカーテン Torn Curtain
14. (未公開)Touch and Go
15. 探偵<スルース> Sleuth
16. (未公開)Carlton-Browne of the F.O.
17. (TV)ジェシカおばさんの事件簿 Murder, She Wrote

 

比較的メジャーな作品のスコアを数多く手がけており、過去にサントラLPも(プライヴェート盤を含め)多数リリースされていながら、その殆どがCDになっていないという不遇な作曲家ジョン・アディスン(1920〜1998)の代表作を集めた新録音コンピレーションで、ファンとしては嬉しいリリース。初録音となるマイナーな作品も散りばめられており、いかにもChandosレーベルの“イギリス作曲家シリーズ”らしい選曲。

1. (未公開)I Was Monty's Double - March

1958年製作のイギリス映画。監督は後に「ブルー・マックス」(1966)「レマゲン鉄橋」(1968)「ハイジャック」(1972)「タワーリング・インフェルノ」(1974)「キングコング」(1976)「ナイル殺人事件」(1978)等の大作を手がけるジョン・ギラーミン。出演はM・E・クリフトン=ジェームズ、ジョン・ミルズ、セシル・パーカー、パトリック・アレン、レスリー・フィリップス、マイケル・ホーダーン、ダンカン・ラモント、ウォルター・ゴテル、ブライアン・フォーブス他。M・E・クリフトン=ジェームズの原作を基にブライアン・フォーブスが脚本を執筆。撮影はバシル・エモット。第二次大戦中の北アフリカ戦線で、ドイツ軍を欺くためにイギリス軍のバーナード・モントゴメリー元帥の影武者として雇われたM・E・クリフトン=ジェームズの実話を映画化した作品。勇壮なファンファーレから明るく優雅なマーチへと展開する「March」を収録。陽性のタッチがアディスンらしい曲。

2. (TV)遥かなる西部/わが町センテニアル Centennial - Main Theme

アメリカのユニヴァーサルTVが製作し、1978〜1979年に放映された全12話/26時間に及ぶTVシリーズ(日本ではNHKでTV放映)。監督は「(TV)私立探偵スペンサー」(1985)「(TV)女刑事レディブルー」(1985)「(TV)テキサス・レンジャー」(1993)等のヴァージル・W・ヴォーゲル(1話、2話、6話、7話、12話)、「(TV)フライング・コップ」(1982〜1984)「(TV)V2/ビジターの逆襲」(1984〜1985)「(TV)こちらブルームーン探偵社」(1985〜1989)等のポール・クラスニー(3話、4話、5話))、「(TV)警部マクロード/はだしのスチュワーデス」(1972)「(TV)特別狙撃隊S.W.A.T.」(1975〜1976)「(TV)超能力探偵マンドレイク/連続爆破事件に挑む奇跡の魔術」(1979)等のハリー・フォーク(8、9、10話)、「(TV)コンバット」(1962〜1967)「(TV)猿の惑星」(1974)「(TV)ブルーサンダー」(1983)等のバーナード・マッケヴィーティ(11話)が分担。出演はウィリアム・アザートン、レイモンド・バー、バーバラ・カレラ、リチャード・チェンバーレン、ロバート・コンラッド、リチャード・クレンナ、ティモシー・ダルトン、クリフ・デ・ヤング、チャド・エヴェレット、シャロン・グレス、アンディ・グリフィス、グレゴリー・ハリソン、デヴィッド・ジャンセン、ブライアン・キース、サリー・ケラーマン、ドナルド・プリーゼンス、クリスティナ・レインズ、リン・レッドグレイヴ、ロバート・ヴォーン、デニス・ウィーヴァー、アンソニー・ザーブ、マイケル・アンサラ、マーク・ハーモン、リチャード・ジェッケル、ジェフリー・ルイス、クライヴ・レヴィル、ホルヘ・リヴェロ、ゲイル・ソンダーガード、クリント・ウォーカー、モーガン・ウッドワード、ステファニー・ジンバリスト他。ジョン・マイケナーの原作を基にジョン・ワイルダー、ジェリー・ジーグマンとチャールズ・ラーソンが各話の脚本を分担で執筆。撮影はデューク・キャラハン、ロナルド・W・ブラウン、ジャック・R・マークエットとチャールズ・W・ショートが分担。コロラド州の架空の町センテニアルを舞台に、西部開拓時代の1700年代から1970年代までの2世紀に渡る様々な人々のドラマを描いたドラマ。静かで荘厳なイントロからリリカルな主題、躍動的でダイナミックな主題へと展開する「Main Theme」を収録。これはアディスンのスコア中でもアルバム化の希望が多い作品。

3. カリブの嵐 Swashbuckler - Suite

1976年製作のアメリカ映画。監督は「レーサー」(1969)「ジェット・ローラー・コースター」(1977)「世界崩壊の序曲」(1980)等のジェームズ・ゴールドストーン。出演はロバート・ショー、ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド、ジェームズ・アール・ジョーンズ、ピーター・ボイル、アンジェリカ・ヒューストン、ボー・ブリッジス他。脚本はジェフリー・ブルーム、撮影はフィリップ・H・ラスロップが担当。製作総指揮は「荒鷲の要塞」(1968)「ロング・グッドバイ」(1973)「さらば愛しき女よ」(1975)「北海ハイジャック」(1980)等のエリオット・カストナー。18世紀のカリブ海を舞台に、暴虐な総督(ボイル)に立ち向かう海賊船の船長レッド(ショー)の活躍を描くアドヴェンチャー。大らかなメインの主題から、リリカルな主題、陽気な追跡音楽をはさんでメインの主題のリプライズに戻る組曲「Suite」を収録。このスコアはサントラLPが米MCAレーベルから出ていたが、この新録音盤での明るく軽快な演奏も良い。

4. 遠すぎた橋 A Bridge Too Far

1977年製作のイギリス=フランス合作映画。監督は「マジック」(1978)「ガンジー」(1982)「コーラスライン」(1985)「遠い夜明け」(1987)「永遠の愛に生きて」(1993)等のリチャード・アッテンボロー。出演はダーク・ボガード、ショーン・コネリー、マイケル・ケイン、ジーン・ハックマン、エリオット・グールド、アンソニー・ホプキンス、ジェームズ・カーン、ライアン・オニール、ロバート・レッドフォード、エドワード・フォックス、マクシミリアン・シェル、ハーディ・クリューガー、ローレンス・オリヴィエ、リヴ・ウルマン、デンホルム・エリオット、ヴォルフガング・プライス、ジェレミー・ケンプ、ベン・クロス、アーサー・ヒル他。「史上最大の作戦」(1962)コーネリアス・ライアンの原作を基に、「明日に向って撃て!」(1969)「マラソンマン」(1976)「大統領の陰謀」(1976)「ミザリー」(1990)等のウィリアム・ゴールドマンが脚本を執筆。撮影はジェフリー・アンスワース。製作はジョセフ・E・レヴィンとリチャード・P・レヴィン。1944年9月に、連合軍がオランダからドイツにかけての5つの橋を占拠すべく展開した“マーケット・ガーデン作戦”をオールスター・キャストで描く戦争大作。アディスンの作品中でも最も有名なスコアの1つで、思わず口ずさみたくなるキャッチーなメインのマーチ、オランダでの悲劇を描写した真にトラジックな主題、勇壮なパラシュート部隊のマーチ等が展開する組曲。アディスンは、第二次大戦中にイギリス機甲師団の将校として1944年のノルマンディー上陸作戦やカーンでの戦闘で戦って負傷もしているが、この“マーケット・ガーデン作戦”には参加していない。アディスンはこのスコアで1977年度英国アカデミー賞の作曲賞(アンソニー・アスキス映画音楽賞)を受賞している(その他、撮影賞、音響賞、エドワード・フォックスが助演男優賞を受賞)。サントラLP/CDあり。

5. (未公開)The Maggie - Song of the Maggie

1954年製作のイギリス映画(アメリカ公開題名は「High and Dry」)。監督は「マダムと泥棒」(1955)「成功の甘き香り」(1957)等のアレクサンダー・マッケンドリック。出演はポール・ダグラス、アレックス・マッケンジー、ジェームズ・コープランド、エイブ・バーカー、トミー・キアリンズ、ハーバート・グレッグ、ジェフリー・キーン他。アレクサンダー・マッケンドリックの原案を基にウィリアム・ローズが脚本を執筆。撮影はゴードン・ダインズ。コメディ映画で知られるイギリスのイーリング・スタジオ製作の作品。おんぼろ輸送船“マギー”の船長マクタガート(マッケンジー)は、アメリカ人の実業家(ダグラス)を騙して彼の貴重な貨物を“マギー”でスコットランド沖合いの島まで運び、高額の報酬を得ようとするが……。アディスンはその陽性で軽快な作風を発揮して、イーリング・スタジオ作品をはじめとする多数のコメディ映画にスコアを提供している。ここでは明るくチャーミングな「Song of the Maggie」を収録。映画版での演奏はフィルハーモニア管弦楽団だった。

6. 殴り込み戦闘機隊 Reach for the Sky

1956年製作のイギリス映画。監督・脚本は「戦艦デファイアント号の反乱」(1962)「アルフィー」(1966)「007は二度死ぬ」(1967)「フレンズ/ポールとミシェル」(1970)「暁の7人」(1975)「007/私を愛したスパイ」(1977)等のルイス・ギルバート。出演はケネス・モア、ミュリエル・パブロウ、リンドン・ブルック、リー・パターソン、アレクサンダー・ノックス、ドロシー・アリソン、シドニー・タフラー、ナイジェル・グリーン、マイケル・リッパー、マイケル・ゴーフ、アントン・ディフリング、クライヴ・レヴィル他。原作は「暁の出撃」(1954)「大脱走」(1963)等のポール・ブリックヒルの「The Story of Douglas Bader」。撮影はジャック・アッシャー。1931年の事故で両脚を失いながらも、第二次大戦で戦闘機パイロットとして活躍した撃墜王ダグラス・ベイダー(モア)を描く実話で、このベイダーはなんとアディスンの義兄弟だという。本作品は1956年度英国アカデミー賞の作品賞(国内)を受賞している。アディスンのスコアは、壮大なイントロから勇壮なマーチの主題へと展開。ヒロイックでパワフルな音楽。

7. (未公開)ストレンジ・インベーダーズ Strange Invaders

1983年製作のアメリカ映画(日本では劇場未公開でビデオ発売済)。監督は「(未公開)ストレンジ・エクスペリメント」(1981)「(未公開)ヴィクトリア」(1985)等のマイケル・ローリン。出演はポール・ル・マット、ナンシー・アレン、ダイアナ・スカーウィッド、ルイーズ・フレッチャー、マイケル・ラーナー、ウォーレス・ショーン、フィオナ・ルイス、ケネス・トビー、ジューン・ロックハート他。脚本はウィリアム・コンドンとマイケル・ローリン。撮影はルイス・ホーヴァス。大学教授のチャールズ・ビゲロー(ル・マット)は、行方不明となった元妻を探して彼女の故郷イリノイ州の田舎町を訪れるが、住民たちは彼女やその親戚を全く知らないという。やがて彼は、町全体が宇宙人に侵略されている事を知る……。アディスンのスコアは、牧歌的なイントロから複雑なサスペンス音楽、そして壮大なエンディングへと展開。B級SF映画にはもったいない非常に立派なスコア

8. 二つの世界の男 The Man Between - Berlin Story

1953年製作のイギリス映画。製作・監督は「(未公開)ミュンヘンへの夜行列車」(1940)「邪魔者は殺せ」(1947)「落ちた偶像」(1948)「第三の男」(1949)「華麗なる激情」(1964)等のキャロル・リード。出演はジェームズ・メイソン、クレア・ブルーム、ヒルデガルド・ネフ、ジェフリー・トゥーン他。ウォルター・エバートの原案を基にハリー・カーニッツが脚本を執筆。撮影はデスモンド・ディキンソン。東西冷戦の最中、西側への越境ルートの秘密を握る人物を東ベルリンにおびき出すため、秘密警察に利用される男を描くサスペンス・ドラマ。ドラマティックな「Berlin Story」を収録。

9. トム・ジョーンズの華麗な冒険 Tom Jones - Overture

1963年製作のイギリス映画。製作・監督は「蜜の味」(1961)「長距離ランナーの孤独」(1962)「ラブド・ワン」(1965)「大本命」(1974)等のトニー・リチャードソン。出演はアルバート・フィニー、スザンナ・ヨーク、ヒュー・グリフィス、ジョーン・グリーンウッド、ダイアン・シレント、イーディス・エヴァンス、レイチェル・ケンプソン、リン・レッドグレイヴ、ジョイス・レッドマン、デヴィッド・ワーナー他。ヘンリー・フィールディングの原作を基にジョン・オズボーンが脚本を執筆。撮影はウォルター・ラサリー。大地主の屋敷のベッドに捨てられ、トム・ジョーンズと名づけられて養子となった男の子が、やがて精悍な青年に成長し、様々な冒険を繰り広げるが、ある事件をきっかけに無実の罪で絞首台へ送られる……。アディスンはこの作品での軽快でコミカルなスコアで、1963年度アカデミー賞の作曲賞を受賞。その他、この作品は同賞の作品賞、監督賞、脚色賞を受賞し、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、美術監督・装置賞(カラー)にノミネートされている。サントラLP/CDあり。アディスンは、トニー・リチャードソン監督とはこの作品の他、「(未公開)寄席芸人」(1960)「蜜の味」(1961)「長距離ランナーの孤独」(1962)「みどりの瞳」(1964)「ラブド・ワン」(1965)「遥かなる戦場」(1968)「(未公開)ハムレット」(1969)「大本命」(1974)「(未公開)ジョゼフ・アンドリュースの華麗な冒険」(1977)「僕は殺していない」(1978)「(TV)ファントム・オブ・オペラ」(1990)でも組んでいる。

10. 遥かなる戦場 The Charge of the Light Brigade - Suite

1968年製作のイギリス映画。監督はトニー・リチャードソン。出演はデヴィッド・ヘミングス、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジョン・ギールグッド、トレヴァー・ハワード、ジル・ベネット、レイチェル・ケンプソン、ナターシャ・リチャードソン、ハリー・アンドリュース他。脚本はチャールズ・ウッド、撮影はデヴィッド・ワトキンが担当。1854〜56年のクリミア戦争でのエクラバの戦闘を背景にした歴史活劇。1968年度英国アカデミー賞の主演男優賞(ハワード)、作曲賞(アンソニー・アスキス映画音楽賞)、撮影賞にノミネートされている。アディスンのスコアは、“ルール・ブリタニア”のイントロから荘厳なマーチへと展開する組曲「Suite」を収録。サントラLPあり。

11. (未公開)Brandy for the Parson - Opening Titles, End Titles

1952年製作のイギリス映画。監督はジョン・エルドリッジ。出演はジェームズ・ドナルド、ケネス・モア、ジーン・ロッジ、フレデリック・パイパー、チャールズ・ホートリー、マイケル・トルブショウ他。ジェフリー・ハウスホールドの原作を基にジョン・エルドリッジとウォルター・ミードが脚本を執筆。撮影はマーティン・カーティス。若いカップル(ドナルド、ロッジ)が、沈没しそうになっている船からトニーという男(モア)を救出し、意図せずして男のブランデー密輸に手を貸してしまう、というライト・コメディ。軽快でコミカルな「Opening Titles」と、優雅なエンドタイトル「End Titles」を収録。

12. 引き裂かれたカーテン Torn Curtain - Main Titles

1966年製作のアメリカ映画。製作・監督はサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック。出演はポール・ニューマン、ジュリー・アンドリュース、リラ・ケドロヴァ、デヴィッド・オパトッシュー、ルドウィッグ・ドナス、アンナ・リー、ハンスイェルク・フェルミー他。脚本はブライアン・ムーア、撮影はジョン・F・ウォーレン。アメリカの物理学者マイケル(ニューマン)が東ドイツに突然亡命し、事情を知らない妻(アンドリュース)も後を追ってやって来る。だがそれは、東側で完成したミサイル理論を盗み出すための作戦だった……。ヒッチコック監督のキャリア後期の作品で、彼が希望しないスター俳優(ニューマン、アンドリュース)をスタジオ側から押し付けられたこともあり、映画としても失敗作と考えられているが、盟友バーナード・ハーマンが作曲し録音まで済ませていたスコアをヒッチがリジェクトしたことで、彼等が永遠に訣別することになったエピソードで有名。ハーマンの後任としてアディスンが雇われてスコアを作曲したが、彼の「Main Titles」も“ハーマン調”の重厚なサスペンス音楽となっているところが皮肉。サントラLP/CDあり。因みにハーマンのスコアもサントラ/新録音のCDが出ており、アディスン版と比較すると面白い。

14. (未公開)Touch and Go - Mirror Waltz

1955年製作のイギリス映画(アメリカ公開題名は「The Light Touch」)。監督はマイケル・トルーマン。出演はジャック・ホーキンス、マーガレット・ジョンソン、ジューン・ソーバーン、ローランド・カルヴァー、ジョン・フレイザー、ジェームズ・ヘイター、アリソン・レガット他。タニア・ローズとウィリアム・ローズの原案を基にウィリアム・ローズが脚本を執筆。撮影はダグラス・スローカム。オーストラリアへの移住を計画する一家の騒動を描いたイーリング・スタジオ製コメディ。リリカルでロマンティックな「Mirror Waltz」を収録。

15. 探偵<スルース> Sleuth - Overture

1972年製作のアメリカ映画。監督は「幽霊と未亡人」(1947)「三人の妻への手紙」(1949)「イヴの総て」(1950)「ジュリアス・シーザー」(1953)「クレオパトラ」(1963)等のジョセフ・L・マンキーウィッツ。出演はローレンス・オリヴィエ、マイケル・ケイン。「フレンジー」(1972)「ウィッカーマン」(1973)「ナイル殺人事件」(1978)等のアンソニー・シェイファーの戯曲を彼自身が映画用に脚色。撮影はオズワルド・モリス。老推理作家アンドリュー・ワイク(オリヴィエ)は、彼の妻と不倫中の若い美容師マイロ・ティンドル(ケイン)にある提案を持ちかける。マイロにワイクの自宅の宝石を盗ませることで、マイロには浪費家の妻を満足させるだけの金が手に入り、別に愛人のいるワイクには保険金が転がり込む、という寸法なのだが……。1972年度アカデミー賞の監督賞、主演男優賞(オリヴィエとケイン)、作曲賞にノミネート。二転三転するブラック・ユーモアに満ちたストーリーがミステリ・ファンには堪らない傑作だが、アディスンのスコアも彼のベストの1つ。オリヴィエとケインのセリフ入りのサントラLPが出ているが、CD化はされていない。ここでの「Overture」は、サントラ版よりもエンディングが立派なコンサート用アレンジとなっている。

16. (未公開)Carlton-Browne of the F.O. - March

1959年製作のイギリス映画(アメリカ公開題名は「Man in a Cocked Hat」)。監督・原案・脚本は「戦慄の七日間」(1950)「反逆」(1951)「太陽に向って走れ」(1956)等のロイ・ボールティングジェフリー・デル。出演はテリー=トーマス、ピーター・セラーズ、ルチアナ・パルッツィ、イアン・バネン、ソーリー・ウォルターズ、レイモンド・ハントレー、マイルズ・モールソン、ケネス・グリフィス他。撮影はミュッツ・グリーンバウム。イギリスと50年間に亘る国際条約のある太平洋の島との友好関係を再構築するために派遣されたカドガン・ド・ヴェール・カールトン=ブラウン(テリー=トーマス)を描くコメディ。監督のボールティングは第二次大戦中のアディスンの戦友で、彼がアディスンを映画業界に誘い入れた。明るく快活で躍動的な「March」を収録。

17. (TV)ジェシカおばさんの事件簿 Murder, She Wrote - Main Theme

1984〜1996年に放映されたアメリカの人気ミステリTVシリーズ。アンジェラ・ランズベリーが、メイン州の田舎町キャボットコーブに住むミステリ作家ジェシカ・フレッチャーに扮する。「刑事コロンボ」のクリエーターであるウィリアム・リンクリチャード・レヴィンソンの名コンビが創造したミステリ・シリーズで、12年間に亘り250話以上が製作された。アディスンがアメリカに移住後の晩年に手がけた作品だが、キャッチーでチャーミングな「Main Theme」の主題は、結果として彼の作品中で最も有名な曲の1つとなった。

ジョン・アディスンが手がけた作品には 「戦慄の七日間(Seven Days to Noon)」(1950)「波止場の弾痕(Pool of London)」(1951)「反逆(High Treason)」(1951)「(未公開)Brandy for the Parson」(1952)「(未公開)The Hour of 13」(1952)「戦慄の夜行列車(Time Bomb)」(1953)「赤いベレー(The Red Beret)」(1953)「二つの世界の男(The Man Between)」(1953)「(未公開)The End of the Road」(1954)「(未公開)The Maggie」(1954)「男の城(The Black Knight)」(1954)「(未公開)Make Me an Offer」(1955)「(未公開)One Good Turn」(1955)「(未公開)王女アナ・メンドーサ(That Lady)」(1955)「(未公開)Touch and Go」(1955)「(未公開)Josephine and Men」(1955)「生き残った二人(The Cockleshell Heroes)」(1955)「(未公開)Private's Progress」(1956)「殴り込み戦闘機隊(Reach for the Sky)」(1956)「(未公開)Three Men in a Boat」(1956)「(未公開)Lucky Jim」(1957)「(未公開)The Shiralee」(1957)「(未公開)Barnacle Bill」(1957)「(未公開)I Was Monty's Double」(1958)「(未公開)Carlton-Browne of the F.O.」(1959)「(未公開)School for Scoundrels」(1960)「(未公開)寄席芸人(The Entertainer)」(1960)「(未公開)His and Hers」(1961)「蜜の味(A Taste of Honey)」(1961)「(未公開)Go to Blazes」(1962)「長距離ランナーの孤独(The Loneliness of the Long Distance Runner)」(1962)「トム・ジョーンズの華麗な冒険(Tom Jones)」(1963)「(未公開)Girl in the Headlines」(1963)「(未公開)The Peaches」(1964)「みどりの瞳(Girl with Green Eyes)」(1964)「バタシの鬼軍曹(Guns at Batasi)」(1964)「(未公開)The Uncle」(1965)「モール・フランダースの愛の冒険(The Amorous Adventures of Moll Flanders)」(1965)「ラブド・ワン(The Loved One)」(1965)「(未公開)I Was Happy Here」(1965)「素晴らしき男(A Fine Madness)」(1966)「引き裂かれたカーテン(Torn Curtain)」(1966)「三人の女性への招待状(The Honey Pot)」(1967)「(未公開)Smashing Time」(1967)「遥かなる戦場(The Charge of the Light Brigade)」(1968)「004/アタック作戦(Start the Revolution Without Me)」(1970)「(未公開)Country Dance」(1970)「(未公開/TV)ハムレット(Hamlet)」(1970)「二人だけの白い雪(Mr. Forbush and the Penguins)」(1971)「探偵<スルース>(Sleuth)」(1972)「(未公開)Luther」(1973)「大本命(Dead Cert)」(1974)「(未公開)The Concert」(1974)「(未公開/TV)Play for Today - Back of Beyond」(1974)「(未公開)Ride a Wild Pony」(1975)「(未公開/TV)Grady」(1975)「カリブの嵐(Swashbuckler)」(1976)「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦(The Seven-Per-Cent Solution)」(1976)「(未公開)ジョゼフ・アンドリュースの華麗な冒険(Joseph Andrews)」(1977)「遠すぎた橋(A Bridge Too Far)」(1977)「(未公開/TV)Black Beauty」(1978)「(未公開/TV)The Bastard」(1978)「(未公開/TV)The Eddie Capra Mysteries」(1978)「(TV)遥かなる西部/わが町センテニアル(Centennial)」(1978)「(TV)真珠湾(Pearl)」(1978)「(TV)僕は殺していない(A Death in Canaan)」(1978)「(未公開/TV)Like Normal People」(1979)「(未公開/TV)The Power Within」(1979)「(未公開/TV)Love's Savage Fury」(1979)「(TV)大西洋を乗っ取れ! 7000万ドルの爆破予告/沈みゆく超豪華船(The French Atlantic Affair)」(1979)「(未公開)緊迫のコックピット/ザ・パイロット(The Pilot)」(1980)「(未公開/TV)Nero Wolfe」(1981)「(未公開/TV)Mistress of Paradise」(1981)「(未公開/TV)Eleanor, First Lady of the World」(1982)「(未公開/TV)Charles & Diana: A Royal Love Story」(1982)「(未公開)Highpoint」(1982)「(未公開/TV)The Devlin Connection」(1982)「(未公開/TV)I Was a Mail Order Bride」(1982)「(未公開)ストレンジ・インベーダーズ(Strange Invaders)」(1983)「(TV)ジェシカおばさんの事件簿(Murder, She Wrote)」(1984〜1996)「(未公開/TV)The Murder of Sherlock Holmes」(1984)「(未公開/TV)Ellis Island」(1984)「(未公開)ニック・ノルティ/キャサリン・ヘップバーンの愉快なゆかいな殺し屋稼業(Grace Quigley)」(1985)「(未公開/TV)Thirteen at Dinner」(1985)「(未公開)コードネームはエメラルド(Code Name: Emerald)」(1985)「(未公開/TV)Something in Common」(1986)「(TV)名探偵ポアロ/死者のあやまち(Dead Man's Folly)」(1986)「(未公開/TV)Mr. Boogedy」(1986)「(TV)世にも不思議なアメージング・ストーリー(Amazing Stories - The Pumpkin Competition, - The Greibble)」(1986)「(未公開/TV)Bride of Boogedy」(1987)「(未公開/TV)Strange Voices」(1987)「(未公開/TV)Beryl Markham: A Shadow on the Sun」(1988)「(TV)ファントム・オブ・オペラ(The Phantom of the Opera)」(1990)等がある。
ジョン・アディスンは1963年の「トム・ジョーンズの華麗な冒険」でアカデミー賞の作曲賞を受賞し、1972年の「探偵<スルース>」で同賞にノミネートされている他、1968年の「遥かなる戦場」で英国アカデミー賞の作曲賞(アンソニー・アスキス映画音楽賞)にノミネートされ、1977年の「遠すぎた橋」で同賞を受賞している。
(2007年7月)


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