パーフェクトストーム THE PERFECT STORM

作曲・指揮:ジェームズ・ホーナー
Composed and Conducted by JAMES HORNER

(米SonyClassical / SK 89282)

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「ザ・シークレット・サービス」「エアフォース・ワン」等の職人ヴォルフガング・ペーターゼン監督によるスペクタクル・ドラマ。出演はジョージ・クルーニー、マーク・ウォールバーグ、ダイアン・レイン、ウィリアム・フィットナー、カレン・アレン、ボブ・ガントン、メアリー・エリザベス・マストラントニオ、ジョン・C・ライリー、マイケル・アイアンサイド他。セバスチャン・ユンガーのベストセラー小説を基にウィリアム・ウィットリフとボー・ゴールドマンが脚本を執筆。製作総指揮はバリー・レヴィンソンとダンカン・ヘンダーソン。撮影はジョン・シールが担当。

1991年秋にマサチューセッツ州グローチェスター沖の北大西洋を襲った猛烈な嵐(3つの嵐が激突してもたらした「完璧な嵐 Perfect Storm」)と、その嵐に巻き込まれた漁船「アンドレア・ゲイル」号のタイン船長(クルーニー)をはじめとするクルーたちの生存への闘いを描く、実話を基にしたスペクタクル。CGを駆使したパーフェクト・ストームのSFXはILMが担当。

ジェームズ・ホーナーによるスコアは大編成オーケストラを高らかに鳴らした壮大でダイナミックなスペクタクル音楽。彼のいつもの作品と違い全体的にオリジナリティが感じられるところが非常に良い。冒頭の「Coming Home from the Sea」は静かで穏やかな前半から、後半は勇壮でヒロイックなメインテーマへと展開するが、この曲は最近のホーナーの作品ではベストの出来であろう。この主題は「"Let's Go, Boys"」「To the Flemish Cap」の後半や「"There's No Goodbye... Only Love"」でも登場し、エモーショナルな盛り上がりを見せる。「The Decision to Turn Around」「Small Victories」「Coast Guard Rescue」でのパワフルなアクションスコアも緊張感があって良い。オーケストラによる音楽は全9曲だが、各々のトラックが長いものだと8〜10分もあるので全体で79分もある大作。もともとホーナーには長いスコアが多く、そのほとんどは聴いているとうんざりして「もういいよ」と言いたくなる作品だが、このスコアはその長さの割には退屈せずに聴くことができる。主題歌の「Yours Forever」のヴォーカルはジョン・メレンキャンプ

ホーナーにはがっかりさせられることが多いが、たまにこういう優れたスコアを書いてくれるとちょっと安心する。
(2000年7月)

James Horner

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