リプリー THE TALENTED MR.RIPLEY

作曲:ガブリエル・ヤレ
Composed by GABIREL YARED

指揮:ハリー・ラビノウィッツ
Conducted by HARRY RABINOWITZ

(米Sony Classical / SK 51337)

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「イングリッシュ・ペイシェント」アンソニー・ミンゲラ監督が、パトリシア・ハイスミスの原作小説を基に自ら脚本を執筆し、映画化したドラマ。ルネ・クレマン監督による「太陽がいっぱい」ニーノ・ロータ作曲の音楽でも有名な名作)のリメイクでもある。出演はマット・デイモン、ジュード・ロウ、グゥイネス・パルトロウ、ケイト・ブランシェット、フィリップ・セイモア・ホフマン、ジャック・ダヴェンポート、ジェームズ・レブホーン他(映画自体のレビューはQuick! Film Reviewをご参照)。

この映画では主役のジュード・ロウがジャズ狂という設定なので、ジャズのスタンダード・ナンバーがドラマの重要な要素となっている。劇中のドラマティック・アンダースコアは、「イングリッシュ・ペイシェント」でもミンゲラ監督と組んだガブリエル・ヤレが作曲(彼はフランスをベースに活躍しているが、出身はレバノンのベイルートであり、名前の表記もヤレドが正しいらしい)。

アルバム全19曲中の8曲のみが彼によるアンダースコアで、後の11曲はジャズとクラシックの既製曲である。映画がナポリ、ローマ、ヴェニス等を舞台にしているので、音楽もイタリアン・フレーバーを帯びた情感豊かなスコアになっているが、個人的には主人公のトム・リプリーによる犯罪行為を表現した「Crazy Tom」「Ripley」といったサスペンスフルな曲が、最もこの作曲家の個性を感じさせる。特に「Crazy Tom」はビジーなオーケストラによる極めてハイ・テンションでドラマティックなスコアで、彼がジャン=ピエール・モッキー監督の「(未公開)Agent trouble」というサスペンス映画に書いたスコアにも通ずるタッチである。この「Agent trouble」は彼のベストスコアの1つだと思うが、これはモッキー監督の諸作品を集めた以下のコンピレーションCDに収録されている。

「CHANSONS ET MUSIQUES DES FILMS DE JEAN PIERRE MOCKY」(仏Milan / CD 361)1988

(2000年7月)

Gabriel Yared

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