LA-BAS MON PAYS

（未公開） LA-BAS MON PAYS

作曲：フィリップ・サルド
Composed by PHILIPPE SARDE

（仏Sony Music / SAN 4983572）

「（未公開）流血の絆／野望篇」(1981)「（未公開）ホールド・アップ」(1985)「（未公開）タンジール／復讐の熱い夏…1956」(1987)「熱砂に抱かれて」(1991)「流血の絆」(1993)「世界で一番好きな人」(1995)等のアレクサンドル・アルカディが2000年に製作・監督したドラマ。出演はアントワン・ドゥ・コーネ、ノーツァ・クーアドラ、サミー・ナセリ、サイード・アマディス、マチルダ・メイ、ワデック・スタンチャック、ピエール・ヴァネック、フランソワ＝ザヴィエル・ノア、ドラ・ドール、ジャン＝クロード・ドゥゴロス他。ルネ・ボンネリの小説「Grande vanance」を基にアントワン・ラコブレツ、ベンジャミン・ストーラとアルカディが脚本を執筆。撮影はロベール・アラズラキ。

オリジナルスコアは「熱砂に抱かれて」「世界で一番好きな人」「（未公開）K」でもアルカディ監督と組んでいるベテランのフィリップ・サルドが作曲しており、彼にとっては久々のサントラ・リリースである。全14曲中の「La-Bas (theme principal)」「...Mon Pays」「Amina」「L'echappee」「Le destin」「Les adieux」「Le cheval blanc」の7曲のみがサルドによる音楽で、その他は、Idir、Thierry Titi Robin、Djurdjura、Lili Boniche、Reinette l'Oranaise等による挿入歌だが、全体にこの映画の舞台となるアルジェリアの中東色で統一されている。サルドのスコアは、Didier Lockwoodによるヴァイオリン、Claude EngelとSerge　Eymarによるギター、Roland Romanelliによるアコーディオン、Jean Pierlotによるパーカッション、Florence Delepineによるフルート等のソロと、小編成のオーケストラの組合わせによる軽快なタッチの親しみやすい音楽（特にメインテーマ）だが、中東の民族色をさりげなく加えているところがこの作曲家らしい。途中の「L'echappee」ではサスペンス調の音楽、「Les adieux」では彼が得意とするしっとりとした美しい音楽を聴かせる。サルドの作品としては特に際立って優れたスコアというわけではないが、いつもの水準は維持している。

フィリップ・サルドは、クロード・ソーテ監督の「すぎ去りし日の…」(1970)以来、多数の映画音楽を手がけているフランスのベテラン作曲家だが、最近の作品には、「（未公開）愛と復讐の騎士」(1997)「（未公開）Lucie Aubrac」(1997)「（未公開）K」(1997)「夜の子供たち」(1996)「ポネット」(1996)「（未公開）Le petit garcon」(1995)「とまどい」(1995)「世界で一番好きな人」(1995)「ソフィー・マルソーの三銃士」(1994)「私の好きな季節」(1993)「（未公開）La petite apocalypse」(1993)「愛を弾く女」(1992)「（未公開）L.627」(1992)「（未公開）Max & Jeremie」(1992)「EVE／イヴ」(1991)「海を渡るジャンヌ」(1991)「ジェラシー」(1991)「深夜カフェのピエール」(1991)等がある。
（2000年8月）

Philippe Sarde

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