トワイライトゾーン/超次元の体験 TWILIGHT ZONE The Movie
作曲・指揮:ジェリー・ゴールドスミス Composed and Conducted by JERRY GOLDSMITH (独Warner Bros. / 759 923 887-2) |
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ロッド・サーリング製作の有名なTVシリーズ「ミステリー・ゾーン」を1983年に劇場映画化した作品。4話のオムニバスになっており、監督は各々ジョン・ランディス(「ブルース・ブラザース」(1980)「狼男アメリカン」(1981)等)、スティーヴン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ(「グレムリン」(1984)「スモール・ソルジャーズ」(1998)等)、ジョージ・ミラー(「マッドマックス」(1979)「ベイブ/都へ行く」(1998)等)が担当している。出演はダン・アイクロイド、アルバート・ブルックス、ヴィック・モロー、スキャットマン・クローザース、キャスリーン・クインラン、ジョン・リスゴー、ドナ・ディクソン、プリシラ・ポインター、アル・レオン他。撮影はステヴァン・ラーナー、アレン・ダヴィオー、ジョン・ホラが担当。特殊効果はロブ・ボッティン。
第一話「Time Out」(監督・脚本:J・ランディス)は、人種差別主義者の男が時空を越えて様々な被差別者の立場に身を置かれるという、一種教訓めいたストーリーだが、むしろ撮影中のヘリコプター事故で主演のヴィック・モローが死亡したことで知られている。第二話「It's a Good Life」(監督:J・ダンテ/脚本:R・マシスン)は特殊能力を持った不思議な少年に脅える彼の家族を描いたコミカルなストーリー。第三話「Kick the Can」(監督:S・スピルバーグ/脚本:ジョージ・クレイトン・ジョンソン、リチャード・マシスン、ジョッシュ・ローガン)は、クローザース等扮する老人たちが少年の日々に戻るというヒューマンなストーリー。第四話「Nightmare at 20,000 Feet」(監督:G・ミラー/脚本:R・マシスン)は、旅客機の翼の上に現れる怪物を目撃した乗客の男(リスゴー)を描くストレートなサスペンス。この第四話が全体の白眉で、マシスン自身による有名な短編小説の映像化であり、かつてのTVシリーズの1エピソードのリメイクでもある(TV版の監督は当時まだ駆け出しの頃のリチャード・ドナー、主演は「スター・トレック」のウィリアム・シャトナーだった)。
第一話以外の脚本に参加しているリチャード・マシスンは元のTVシリーズの脚本も多数手がけている上に、スピルバーグの「激突!」の原作・脚本も担当している。面白いのは、この劇場映画版のノヴェライズをなんと故ロバート・ブロックが担当していることで、彼はマシスンと並ぶモダン・ホラーの名手(ヒッチコック監督の「サイコ」の原作で有名)であり、マシスンの親友だった(ブロックの追悼版短編集はマシスンが編纂している)。
音楽はジェリー・ゴールドスミスの傑作スコアであり、長らくCD化が望まれていたが、映画公開から17年を経た2000年になってやっとドイツからリリースされたもの(一時期日本のワーナーからCDが出るとの予定があったがドイツ盤が先に出た)。TVシリーズのメインテーマからフルオーケストラによる壮大なファンファーレへと展開し、各々のエピソードの音楽が組曲風に続く序曲が秀逸。いかにもゴールドスミスらしいカラフルで独創的な音楽である。「Time
Out」はピアノとパーカッションを主体とした前衛音楽的なサスペンススコアで、ミリタリスティックなタッチが良い。「It's
a Good Life」はファンタジー色の強いスコアで緊迫した部分もさすがに上手い。「Kick
the Can」はほのぼのとしたジェントルな音楽。「Nightmare
at 20,000 Feet」が一番面白いが、これはゴールドスミス自身がかつてのTVシリーズの1話「遠来の客(The
Invaders)」に書いたスコアを思わせる極めてサスペンスフルな恐怖音楽。ゴールドスミスのもつ様々な作風が凝縮された好アルバムだと思う。
(2000年11月)
<以下、2009年5月追記>
2009年に米Film Score Monthlyレーベルよりコンプリート・スコアのCDがリリースされている(FSM
Vol.12 No.7)。3000枚限定プレス。収録曲は以下の通り。
Twilight Zone: The Movie
Music Composed and Conducted by Jerry Goldsmith
★TOWER.JPで購入(FSM盤)
1. Main Title: Twilight Zone Theme (Marius Constant) 0:45
Time Out
2. Time Change/Questions/The Ledge 4:51
3. The K.K.K./Yellow Star 3:53
Kick the Can
4. Harp and Love 1:27
5. Weekend Visit 1:34
6. Kick the Can 0:37
7. Night Games 1:53
8. Young Again/Take Me With You/A New Guest 10:10
It's a Good Life
9. I Remember/The House 2:29
10. The Picture/The Sister/I Didn't Do It 1:20
11. Cartoon Monster 3:06
12. That's All, Ethel 1:47
13. Teach Me/No More Tricks 3:54
Nightmare at 20,000 Feet
14. Cabin Fever/Nervous Pills 2:38
15. No Smoking 2:06
16. On the Wing 1:20
17. A Face in the Window 2:10
18. Hungry Monster/Engine Failure 1:35
19. Overture (Twilight Zone Theme and End Title) 5:55
Total Score Time: 53:16
Additional Music and Alternates
20. Nights Are Forever (Sung by Jennifer Warner) 3:36
21. Anesthesia (Sung by Joseph Williams) 3:02
22. Time Change/Questions/The Ledge (Time Out: album edit) 3:01
23. Young Again/Take Me With You/A New Guest (Kick the Can: alternate segments)
5:01
24. Cartoon Monster/That's All Ethel (It's a Good Life: album edit) 4:28
25. Cartoon Music (It's a Good Life) 1:26
26. On the Wing/A Face in the Window/Hungry Monster/Twilight Zone Theme
(Nightmare at 20,000 Feet: album edit) 4:58
Total Time: 25:44
Total Disc Time: 79:10
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