(TV)ルコナ号沈没の謎を追え! THE LUCONA AFFAIR
作曲・指揮:ジョン・スコット
Composed and Conducted by JOHN SCOTT
演奏:ミュンヘン交響楽団
Performed by the Munich Symphony Orchestra
(米JOS / JSCD116)
1993年製作のドイツ映画。監督は「メデューサ・タッチ」等のジャック・ゴールド。出演はデヴィッド・スーシェ、ユルゲン・プロホノフ、フランコ・ネロ、ドミニク・サンダ、ギュンター・マリア・ハルマー、ゲオルグ・マリシュカ、ハンス=ミカエル・レーベルグ、ハインツ・シューベルト、フリードリッヒ・フォン・テュン他。撮影はゲルノット・ロール。
オーストリアのウィーンを舞台に、政界とも繋がりのある狡猾な悪徳実業家ウォルツ(スーシェ)と、彼の企む大型貨物船Lucona号を巡る保険金詐欺を調査するジャーナリスト、シュトラッサー(プロホノフ)との駆け引きを描いたサスペンス。ウォルツと関係のあるマフィアのボスにフランコ・ネロ、ウォルツの愛人にドミニク・サンダという国際的なキャスティングが興味をそそる。
ベテランのジョン・スコットによる音楽は、映画全体を覆うミステリアスなトーンと、ストーリーの舞台となるオーストリアの雰囲気をうまくブレンドした効果的な劇伴奏スコアとなっている。冒頭の「Lucona
Affair - Main Title」はストイックなタッチのトランペット・ソロから、オーケストラによるドラマティックでサスペンスフルなメインテーマへと発展する。こういう深みのあるドラマ性の表現はさすがに上手い。「Operation
Rudi」「War Games with Plastic Tanks」「Napoleon Throws a Party」等での軽妙なタッチの行進曲や、「Coffee
and Pastries」「Buttockology」等での少しおどけたタッチは、ウィーンのフレーバーをカラフルに表現している。ラストの「Lucona
Affair - Conclusion」はウィンナ・ワルツのイントロからオーケストラによるメインテーマへと展開し、全体を締めくくる。ジョン・スコットとしては、特に際立ったスコアというわけではないが、いつもながら手堅い仕事をしていて安定感がある。
(2000年12月)
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