13デイズ THIRTEEN DAYS

作曲:トレヴァー・ジョーンズ
Composed by TREVOR JONES

指揮:ジェフリー・アレクサンダー
Conducted by GEOFFREY ALEXANDER

cover
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演奏:ロンドン交響楽団
Performed by the London Symphony Orchestra

(米New Line / NLR-90052)


キューバ危機を描いた2000年製作のポリティカル・サスペンス(映画自体のレビューは「Quick! Film Review」をご参照)。監督はロジャー・ドナルドソン。出演はケヴィン・コスナー、ブルース・グリーンウッド、スティーヴン・カルプ、ヘンリー・ストロジアー、ディラン・ベイカー、チャールズ・エステン、アラン・フランシス、フィル・ホーン、ルシンダ・ジェニー、マリヤ・カザコヴァ、ビル・スミトロヴィッチ、オレグ・ヴィドフ他。アーネスト・R・メイとフィリップ・D・ゼリコフによる原作「The Kennedy Tapes - Inside the White House During the Cuban Missile Crisis」を基にデヴィッド・セルフが脚本を執筆。撮影はアンジェイ・バートコウィアク。

ベテランのトレヴァー・ジョーンズによる音楽は、ロンドン・シンフォニーを重厚に鳴らしたパワフルなオーケストラル・スコアで、映画での一触即発の緊迫感を効果的に盛り上げている。「Lessons of History」「The Will of Good Men」での力強くヒロイックなメインテーマも良い。「Our Rules of Engagement」「There Can Be No Deals」「One Life Left」「Death of Major Anderson」等では、ダイナミックでサスペンスフルな劇伴音楽を展開しており、最近の彼の作品中では最も硬質なスコアであろう。このサントラCDは収録時間が70分近くあり、聴き応えがある。

トレヴァー・ジョーンズは、初期の「ダーククリスタル」(1982)「(未公開)キャプテン・ブーリーの大冒険(Savage Island)」(1983)でのファンタスティックなオーケストラル・スコアが抜群に良いが、その後の1980年代はあまり印象に残らない作品を手がけており、1990年代に入って「ラスト・オブ・モヒカン」(1992)「クリフハンガー」(1993)あたりから調子が戻りはじめ、「死の接吻」(1995)「G.I.ジェーン」(1997)「(未公開)エクスカリバー 聖剣伝説」(1998)「ダークシティ」(1998)「(TV)レジェント・オブ・エジプト(Cleopatra)」(1999)等ではオーケストラとシンセサイザーの組合わせによるリッチなスコアを提供している。しかし、今回の「13デイズ」のスコアもそうだが、初期の「ダーククリスタル」で聴かせたような独特の個性があまり感じられなくなっており、ファンとしては少しもの足りないものがある。
(2000年12月)

Trevor Jones

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